朝早くカサゴに刺されたので診て欲しいとの電話があった。ゴンズイの場合は経験がある。カサゴは自信が無い。離れた所から来るので着くまでに時間が充分有りそうなので対処法をインターネットで調べた。ゴンズイと似たような処置で良い様だ。少しどきどきしながら待っていると、当の漁師が刺された手を氷で冷やしながら奥さんに付き添われてやって来た。市場に出す魚を生簀から出していたがいつもは厚手の手袋を使うのに今日に限って素手で作業をしていた。たまたまカサゴが混ざっていた。それを網から外そうとしてうつかりカサゴの背びれに右手が当ってしまった。瞬間強い痛みが走り、腕までしびれた。みるみるうちにさされた指がはれ痛くてたまらない。これまで何度か刺されたが今日の痛みは違っていた。氷で冷やしたが治まらなかったとの事。待てよ確か海の毒のある生物に刺されたら温め逆に陸上の生物に刺されたり咬まれたら冷やすと本に書いて有ったのを思い出した。これまでも迷いながらもその様にして来たような気がしだした。海は冷たいから暖め、陸は比較的暖かいので冷やすと覚えた。とするとこの漁師の処置は逆療法だ。すぐに氷を外し準備していたホットパックで温め直した。しかし痛みは少しも変わらないと言う。血圧は高目だが息が苦しいなど全身症状も無い。傷口をタン二ン酸アルコールで消毒し1%カルボカイン3ccの局所麻酔を施した。すぐ痛みは治まった。オイラックスHとリンデロンVG軟膏を塗り重ねてリバノールシップをしておいた。腕のしびれも取れ患者は楽になったと顔をほころばした。念のため強力ミノファーゲンCを静脈注射し、破傷風トキソイドを皮下注射した。最初180以上あった血圧も150までに落ち着き顔色も良い。温罨法を暫く続けた。局所麻酔が切れて痛み出す事も考えて念のため鎮痛薬のロキソニンに抗生剤のトミロン3T,抗ヒスタミン剤のセレスタミン3Tと胃薬のムコスタ3Tを3日分処方した。蜂、ムカデ、マダニなど昆虫、蛇とくにマムシ、毒のある魚などの処置はそのたびに緊張する。これと言った決まった方法が分らず臨機応変の対応が必要だ。物の本にも処置法は書いてあるが後は病院で診てもらうにで終わっている。私は知らせを受けたらすぐにインターネットで検索し、経験に照らしよさそうな治療法を選ぶ。ショックを起こして来る事もあるので看護師にあらかじめできる事を始められるよう指示して置く。今朝も同じようにバイタルをとって温罨法ができるよう準備させた。これから海山での活動が多くなると刺されたり、咬まれたりしてやって来る。昼夜を問わない。http://blog.m3.com/den/200611?page=2http://urojinde.at.webry.info/200609/article_32.html
http://urojinde.at.webry.info/200611/article_11.html