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多くの勤務医が開業医の仕事を楽なものと考えているらしい。大病院の勤務医が激務に耐えかねて仕事の楽な中小病院や診療所を開業して黙って静かに去っていく。これが立ち去り型サボタージュである。特に開業医に転向するケースが多いという。そして大病院に残った勤務医にはますます負担が掛かり悪循環の医師不足スパイラルに陥っている。救急医療や専門医療を担うべき大病院が勤務医不足でその機能を果たせなくなって人員不足のため診療内容も開業医レベルの事しか遣れない。それを見かねた厚労省は病院だけに負担を掛けないようにと開業医も休日、夜間の24時間診療体制をとり救急医療に対しても開業医が交代で病院につめる事まで提案している。病院から個人開業へと逃げ出した医師達に熱い視線を向けた格好である。私も正直なところ勤務していた頃はきついとすぐに開業でもするかと思い悩んだことが何度ともなくあった。それを繰り返して結局は開業した。開業医は住民とともに地域に住み着き24時間対応で診療している。むしろ勤務医より労働時間は長いし、余程じゃないと旅行はおろか遠出も出来ない。自分が病気になっても代わりが居ない。生活に多くのしばりが出て来る。それなりに大変なのである。しかし勤務している時よりは開業しているほうが精神的に楽である。誰にも命令されず自分の診療スタイルでやれる。報酬だって働けば働いただけのものが得られるからである。かつては殆どの医学部卒業生は大学に残りいずれかの診療科の医局に属しその後の人生は医局に任せていた。そして在籍する医局員の生殺与奪の権は大学教授が握り連綿と繋がった学閥、医局閥に関連する医療機関の人事権を行使した。そむくものは医局を去らねばならないほどであった。そのおかげで医師供給バランスは旨く機能されていた。しかし大学医局制が音を立てて崩壊した。誰も就職先をコントロールできなくなった。個人主義がはびこり統制が利かなくなっている。そんな中,自由開業制で規制のない診療所開業は遣り易い。


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