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団塊世代の大量退職で労働人口が減少し、少子高齢化社会の進行するこれからの介護保険財政は厳しくなるのは行政ならずとも介護サービス事業者も充分承知してはいる。法改正が行われて一年を経過した。建前としては自立支援のための新介護予防の導入と中重度者に介護サービスを重点化するとなっているが本音はサービス総量と給付費の削減でありサービス事業者、利用者双方が不利益を被る事と成った。地域の介護セーフティ―ネットを構築してきた居宅介護支援事業所の活動と経営を壊滅的にしている。私の居宅支援事業所の昨年4月時点で100名余りの利用者の殆どが介護1相当以上であったが順次更新認定を受けるに従い今年3月までに73名が支援12の新予防給付になった。新予防給付のケアマネージメントは居宅支援事業所のケアマネージャー1人に8人迄委託出来る。それを超える分は全て包括支援センターに行く。当市では去年10月から少しずつ居宅支援事業所から包括支援センターへ移行して今年3月で終了した。居宅支援事業所の利用者は介護給付34名、予防給付22名である。4人のケアマネがいる事業所の採算は取れそうも無い。ところで全体として改正後の認定結果に納得できない事例が多い。更新前後の状態像に変化は無いのに認定が違っていたり、同じ状態像の事例間で区分に差が出たりと不安定で有る。そのため予防と介護の区分間の出入りが多く包括支援センターとの間でケアマネージメント引継ぎを頻繁に行わなければならずそれなりの人手も必要である。通所リハビリテーションも同様のマイナス影響を受けた。昨年4月80人の利用者の殆どが出来高払いの介護1相当以上であった。その後の更新認定で予防給付支援1、2になり今年3月で71%が予防給付になってしまった。最初医療で受診して以来10年以上診ている90歳前後の人達である。やっと立ち上がって押し車に縋って歩いている。家事、身の回りなどの生活支援を必要としている。給付費が減ってしまい今まで利用していた訪問介護などを受けられなくなっている。筋肉トレーニングなど介護予防を受ける前に生活が出来ない。予防給付サービスは月単位の定額料金である。月に何回利用しても料金は変わらない。逆に改正前に週1回利用していた人にとってサービス内容は同じなのに介護予防の負担金は増える。ケアマネージメントも包括支援センターに移りケアマネも交替する。この理由の説明は難しくこれまで培って来た信頼関係が損なわれ通所を辞める利用者もいる。結果として利用者は減り1人当たりの報酬は下がるなどでコスト割れで赤字が累積し続けている。現在、零からスタートする気持ちで利用者を増やし職員数、間接費の洗い直しを迫られている。介護保険は当初から基盤のサービスや担い手を増やす為に、株式会社などの参入を許し、走りながら考えるなどと場当たり的運営でやって来た。そのつけが保険財政を危なくしてしまい改正で給付削減のために介護予防を導入せざるを得なくなった。大変なのはサービス事業者である。政策を信じて誘導されるままに設備投資に人員増員をして来た。これまで介護保険の普及と定着は行政の力よりも民間の活力に負うところが大きかった。民の作り上げてきた部分を矮小化し官に引き上げた。現在行政が主導する形の支援事業、介護予防事業は低調である。高齢者支援事業、介護予防事業での特定高齢者、介護予防対象者のインセンティブは地域で顔の見える医療関係者の介入なしには難しい事を露呈している。一方で改正の影響による介護事業所の経営悪化で賃金も上がらず過酷な介護に疲れて転職する介護従事者の多い。財政も大切であるがそれのみに目を奪われて試行錯誤で6年も費やして作り上げた物的人的基盤を壊すことの無い施策への転換が必要である。

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