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2006年7月に医療療養病床入院基本料の3区分の導入があった。有床診の入院医療費が改定前に比べて2.4%も落ちた。それでも有床診の療養病床の入院患者の区分1対象は徐々に増加して来ている。区分1は医療は兎も角として、介護にかかる人件費は区分2、3と殆ど変わらない。医療は必要なしと政策的に判断されてコストに見合わない点数設定がされた。もともと地方、特に過疎地での有床診の果たす役割は大きi医にも拘らず地域医療福祉計画の医療および介護ベッドの定数規制のため有床診が施設介護に参入する事は難しい。地域に密着した医療を提供するとなると家族の介護力が無いために在宅で見れない高齢者を区分1の基本料で採算を度外視して収容せざるを得ないのである。医療療養病床を削減するために3つの医療区分を作り、有床診療所や中小病院に多い区分1の入院基本料を採算割れにして存続が出来ないようにして老人ホーム、老健に移行させコスト高な医療保険からコストの低い介護保険へ移行させる積りらしいが両者での実質的看護、介護コストは変わらない。そして国民の負担は同じである。在宅医療、終末期医療やかかりつけ医機能の充実が今後ますます必要になる。有床診療所の出番である。現状の区分1の医療介護の労働対価に見合う様入院基本料をアップして有床診療所の存続を図らなければ地方の医療ひいては高齢者福祉は崩壊する。
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朝日新聞一面のトップ記事。脳細胞に溜まったアミロイドをバラバラにして取り除く抗体を作るワクチン開発に成功。ネズミの段階であるが人へ臨床応用の準備中。4月6日から大阪で開かれる日本医学会総会で発表される。このワクチンは無害ウイルスにアミロイドを作る遺伝子が組み込まれた経口剤で飲むと腸でリンパ球がアミロイドに対する抗体を作る。この抗体が脳のアミロイドにくっ着き分解が始る。これまでオランダで研究された注射によるワクチンは重い脳炎の副作用があり中断されていた。アミロイドのたまり具合はPETなど画像診断が出来るようになっているのでこのワクチンと組み合わせればアルツハイマー病の発症を防げる。朗報である。
認知症治療に朗報。脳脊髄液の中にアルツハイマー病の原因物質アミロイドベーターの働きを抑える酵素があることを大阪バイオサイエンス研究所チームが突き止めた。この酵素を活用すれば100万人に上る日本国内のアルツハイマー病の治療に繋がる可能性。今朝の日経新聞の記事。
在院日数を短縮すれば病院の収入が改善する。看護師さんを沢山集め配置すれば入院報酬が高くなる。これでは患者さんは物扱いされるようになるし検査漬けの挙句、回復もしていないのに病診連携と称して帰る場所も無いのに返すのが当然と言わんばかりに紹介医に返される。患者さんのえり好みも甚だしい。都合が悪ければベッドの空きがないと拒否される。民間の殆どの病院のベッドは親から受け継がれる世襲制である。やる気の有る医師がベツドを持ち医療機関を経営することが出来ない。。ベッドのないかかりつけ医は途方に暮れる。日々が戦いの連続で挙句の果てには手塩に掛けて育てた看護師さんを猫の目のように変わる厚労省の口車に乗った節操の無い、医の倫理、仁義もへったくれもない経済至上主義の大病院経営者に高収入を餌に奪われてしまう。話は変わるが2人に1人が一生のうちに癌に罹り3人に1人は癌で死ぬ時代である。明日はわが身かもしれない。声も出せずに死んでいく3人に1人、誰にも苦しさを訴えることもできずに死んでいる。これからますます増える。それに備えなければならないのに病床を消し去ろうとしている厚労省。矛盾だらけではないか。都市部はまだ恵まれているが地方には癌治療の拠点病院も無い。特に大切な緩和ケア医療機関、癌化学療法専門病院も見当たらない。早期がんの治癒、延命だけを念頭にし、難治癌対策、癌患者の生活の質を置き去りにしてきた癌医療の現状。がんの原因として大切なタバコ規制、肝炎対策、ヘリコバクタピロリの知識の普及など不十分すぎる。この4月から癌対策基本法が施行されるがその基盤が出来ていない。私の住む地域の公立病院には医師不足で癌を診断治療する医師は皆無で一般的医療も不十分であり緩和ケア、化学療法など不可能である。自分の儚さを忘れてしまい、人間を機械扱いする政治家よ、そう言えば机上のマネーゲーム感覚で診療報酬策定をしながら科研費を掠め取る官僚もいたっけ。どんなに医療が疲弊しつつあるか。医療の現場をよーく観察して出直しだ。
心臓外科の発展に尽くした方がつい先日亡くなった。鹿児島での心臓外科の歴史そのものといっても良い人である。若い頃心臓手術の補助に使う人工心肺の輸血用血液を介した肝炎に感染してしまい、長い経過の間に肝硬変になった。心臓外科の技術開発に従事しながらその裏で潜んでいた伏兵にやられてしまった。現在では人工心肺自体が改良され少しの血液で操作できるし術前に自家血を期間をかけて採血保存した血液を使う。所が初期の頃は既製の人工心肺では無く自分たちで設計し組み立てた。手術の前日に酸素化装置、ポンプ、チューブなどを揃え針金とペンチを使い回路を完成させた。そして血液センターに注文し取り寄せた大量の保存血を充填して人工心肺を回した。保存血は血液センターで検査済みのものを使つたが当時は肝炎ウイルス・スクリーニングはB型肝炎ウイルスぐらいがせいぜいでC型の存在すら知られていなかった。そのために保存血液に紛れ込んでいた肝炎ウイルスが人工心肺装置作成時や手術時にわずかな手の傷を介して感染する事となった。その当時は多くの心臓手術に携わったスタッフが肝炎に罹った。そして肝炎は心臓外科医の職業病とまで言われていた。以前にミドリ十字が起した薬害エイズ問題が世間を騒がせた。私はあの事件は結果からレトロスペクティブに結論を導き出したものであった。あとから非難する事は簡単である。その時代に考えられる最高の物を使い医療に尽くした人が犯罪者扱いにされた苦い時期を思い出す。心臓外科手術の黎明期に予想し得ない災禍をものともせずに挑戦し続けた勇士がいた事を忘れてはならない。その積み重ねによって今の優れた心臓外科技術は完成したのである。
現在では癌の手術も術後のQOL(生活の質)を第1に考えた侵襲の少ない縮小手術が主流である。胃カメラ、大腸カメラ、尿道鏡、気管支鏡、関節鏡などを使った内視鏡手術。胸腔、腹腔などに内視鏡と手術器具を挿入して行う鏡視下手術。従来の開腹術や開胸術は前述の術中合併症がおきた時のバックアップの意味で準備する。以前は胃や腸の管腔臓器や肺など病変部を切り取った後再建には糸を使って縫合していたが、最近は切除と同時に縫合できる種々の器具が開発されている。手術の全過程をコンピューター制御してロボットがする迄にもなった。これらの術式はいずれも熟練が必要であり病巣の部位、広がりなど確実な診断も必須である。がんの場合、血流やリンパ流を介して他臓器に転移する。その転移の有無によってリンパ節廓清の範囲が変わってくる。大腸がん、乳がんなどでは所属リンパ節への転移の有無をアイソトープを使って探し出すセンチネルリンパ節ナビゲイト法が行われるようになった。病変部深くに放射線同位元素物質を注入しそれが所属するリンパ節に流れて行くのをガイガーカウンターで追跡しリンパ節を摘除し病理組織検査で転位の有無を確認するのである。癌化学療法剤を併用する事で5年生存率も向上している。