私のクリニックにかかりつけの共に80歳代の老夫婦が居る。若い時は2人一緒に地方都市で中華料理店を営んでいた。子供がいなかったし年を取ったので店を続けられなくなり奥さんの兄の住む指宿に移り住んだ。しばらくはホテルで一寸したコックの仕事を手伝っていた。7~8年前の深夜、ホテルの仕事からの帰りに車の自損事故を起こし怪我をして私のクリニックに運ばれた。怪我から回復した後、夫婦ともに私のかかりつけ患者さんになった。高血圧がありそのコントロール続けていたがここ4~5年前より2人とも物忘れが酷くなって来た。特に夫の方が怒りっぽく少しの事でクリニック窓口の事務員に暴言、暴力を振るうようになった。妻のほうがしっかりしていたので何とか収まっていた。一方で介護保険の認定を受けクリニックのケアマネージャーが訪問したりして様子を見守ってきた。腫れ物に触るように診療も続けていたが今度は妻のほうが物忘れが出てきた服薬管理も出来なくなった。そのためか高血圧の管理もうまく行かず高血圧性心臓病から心不全状態に陥り、入退院を繰り返す事が多くなった。それもヘビースモーカーで入院継続が必要なのにタバコ吹いたさに退院すると言う具合であった。昨年の夏までは妻の兄が健在で何とか面倒を見てくれていたが、たよりの兄がブログにも書いた孤独死状態でなくなってしまった。その頃から妻はそれまでも常用していた睡眠薬の使用量が増えた。外来では心不全の治療はしているが本人の服薬、タバコのせいも有りうまく行かない。睡眠薬で息苦しさを紛らそうとして飲みすぎ処方した次の日には又もらいに来ると言う具合になった。危険なので短日処方で凌いで来た。相変わらずタバコは吸い続け、顔がはれ全身浮腫状態に睡眠薬を飲みすぎてふらふら状態でタクシーを呼び外来に昼夜を問わずやってくるようになった。その度に強心利尿剤を投与して切り抜けていたが風邪を引いて心不全が悪化、救急車で搬入された。慢性化した心不全でも有り専門の公立病院に紹介して入院させてもらった。しかし入院治療経過中のその病院でも例によって夫が些細な事で病院事務とトラブルを起こしてしまい自己退院した。退院後まもなく、再び私のクリニックに日参するようになった。心不全も進み喘鳴が出てきた。私は退院の経緯は紹介先の主治医から聞いていたが、ついこの前退院したばかりだし薬もその病院で出してあつたので軽く考え、そこに行って貰った。しかし責任者の夫の付き添いがないと駄目だという事で返されてしまった。その後も毎日、ふらふらと外来に来て私の診療を受けていたが、私は専門医での入院治療でしかよくならないと考え市役所の福祉に連絡し協力を得て、別の病院に紹介し受け入れて貰った。これからは一人暮らしは勿論、夫婦2人とも認知症で生活する場合も多くなる。成年後見制度もあるわけであるが、かかりつけ医としては生活から医療まで見てあげなければならない。長年付き合い責任を感じて抱え込んでしまい能力以上の事をせざるを得なくなる。独居で介護者がいない場合はどうしようもない。今度の場合は福祉、病院との連携がうまく運んで助かった。介護保険制度以前は措置制度で福祉事務所が強制的に対処して呉れていたが今は責任の所在があいまいになっている。
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昨日は鹿児島地域産業保健センター運営協議会に出席した。鹿児島県内には従業員50人以下の事業所が1万6千箇所ある。労働安全衛生法では50人以上の従業員数の事業所は産業医を選任して従業員の健康指導、相談などの産業保健サービスを行わなければならないが50人以下の場合はその必要がないのでその様な小規模事業所では保健サービスが不充分である。このことから厚生労働省は平成5年に全国の各地域の労働基準監督署菅内ごとに医師会に委託して地域産業保健センターを置いた。その内容は50人未満の事業所従業員を対象に健康相談、健康教育や最近の複雑化した職場環境を反映して従業員の精神衛生対策は重要な問題と成っているのでその対応のための精神科医、保健師、カウンセラーなどによるセミナー開催、面接による心の相談、カウンセリングに力を入れている。働き盛りのメンタルヘルスケア支援事業である。また職場の環境、特に週80時間以上の過重労働者に対しては監督署からの指示によって個人面接して保健指導をしなければならない。
ビバ!指宿路。
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