| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | |||||
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
| 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| 31 |
今朝、始業前に外来受付の事務職員から慌てた声で大変です、急いで外来に来て下さいとの連絡を受けた。着替えもソコソコに駆け付けてみると70歳代の男性が失神を起して倒れ、看護師さんの手当てを受けていた。顔は蒼白だがすでに意識も出て血圧もあがっていた。脈は50と徐脈気味で話しかけると少し不機嫌にいつもこんなことはありすぐ良くなるのでほっといてくれと答える。診察のつもりで来たわけではなく家族が私のかかりつけでその付き添いで来て待っている間の出来事であったらしい。家族に訊くと最近この様な事が家でも、外でも起こり1回は救急車を呼んだがすぐ回復したらしい。足腰が痛く整形外科病院を受診したときも待合室で失神して倒れ、頭の検査をしたが何も原因は無いと言われたらしい。最近、夜間にトイレの方向が判らないし、物が霞んで2重に見え眼科も受診している。白内障と言われている。これを聞いて思い当たった。私は今、認知症の勉強をしている。昨日調べたばかりのレビー小体型認知症に似たところがある。そこでそれに沿った診察を進めることにした。意識も出ているので認知症の長谷川式簡易知能評価スケールを使って調べた。受け答えはしっかりしているようであるが19点と低い。同じ事を何度も言い答えは回りくどい。次に頭部MRI検査を行った。脳は萎縮傾向ではあるが年齢相応と見てよい。徐脈によるアダムストークも否定できないので心電図を取った。異常は無い。他の患者さんの診察もあるのでもう少し詳しく話を聞くために待つて貰う事にした。座れる迄に回復している様子なのでソファーに懸けて待ってもらった。その間にも首をたれて居眠りを始めた。少しの刺激で目覚めてはまだ済まないかと尋ねる。診察の合間をぬってコップに水を注げないとか立体像が描けないなどレビー小体型認知症に特有の視空間認知障害の有無を検査した。水も注げず、箱も平面に描く。まさに症状はピッタリである。家族にこの病気を説明して、アリセプトを処方することにした。1つ気がかりなのはこの病気の失神は副交感神経が優位なために起こる起立性低血圧である。この型の認知症にはきわめて効果があるといわれているが失神が増える心配がある。そこで家族に失神が起きた時の対応を充分に説明した。そしてアリセプトを3mg処方し、なにかあったらすぐ受診するように話した。これまでの私であれば認知症のことなど頭に無く、内科的な対応で終わり、患者さんの病気も判らずじまいでこれからも他の医師を煩わしていたであろう。認知症に対する勉強をしていたので判った事である。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)