知能 思考能力、学習能力、環境への適応能力など高次精神機能を知能と言う。周囲の状況を認知し経験と知識を駆使して判断実行する能力。予備条件―記憶、計算能力、推理能力、蓄積知識。
加齢に伴う知能の変化
結晶性知能―学習蓄積された知識で高齢まで保たれる。
流動性知能―新しい問題に適応する能力で高齢では低下。
知恵、英知:現実問題に適切な判断が出来る能力。熟達 高齢で高くなる。
加齢に伴う性格の変化:その人のもともとの性格の特徴が顕著になる。
加齢に伴う感情の変化:基本的な感情のメカニズムが衰える事はない。むしろ 否定的感情の抑制、コントロールに長ける。役割の喪失感が多くなるので役割を持たせて褒めてあげる。
認知症
後天的に生じる知能障害で日
常生活に支障を来した状態を
言う。周囲の状況を認知し経
験と知識を用いて決める能力
の障害。判断ミス。
認知症の特徴
1.脳器質病変
神経細胞が形態的変化を受
けた状態を基盤として起き
神経組織欠損による脱落症状
と随伴する機能障害。経過に
よっては機能障害が回復する。
*健康組織の代償機能や硬膜下血腫除去など。
2.意識は清明
3.進行性の経過
4.種々の精神症状や行動障
害を伴う。
精神症状:うつ、妄想、せ
ん妄、幻覚。
行動障害:徘徊、迷子、暴言
暴行、夜間不穏。
高齢者の良性健忘と認知症の記憶障害はどこが違う 記憶―保存―再生
1.記憶障害の内容
良性健忘:どわすれ、人の
名前、物を置いた場所など体
験の1部を忘れる。
認知症:体験全体を忘れる。
直前の体験をすっかり忘れる。
2.物忘れは判断障害へと進行する。
良性健忘:頻度が増える。 認知症:失見当識、暗算が出来ないなど判断障害―知能障害
へ進行。
3.良性健忘は物忘れを自覚
認知症は記憶低下の自覚
に乏しい。
4.認知症の判断基準 (1)記憶障害が有ること
エピソード記憶の全般障害
新しい事の学習障害
想起障害―但し認知障害が
なければ健忘症
(2)失語―言葉の理解、
表出のいずれか両方が出来
ない。
失行―運動機能は正常でも
動作が遂行出来ない。着衣
失行など。
失認―視覚機能は正常でも
判断、識別が出来ない。
実行機能障害―段取りが出
来ない。
(3)(1)と(2)で生活
に支障を来す。
(4)意識が清明である。 (5)脳に器質性障害変化が
ある。
脳血管障害、アルツハイマー
型脳萎縮 他には治療で可逆
的な疾患として脳腫瘍、硬膜
下血腫、正常圧水頭症。
認知症と間違われやすい状態
年のせい? 痴呆、うつ、
せん妄?
痴呆を思わせる変化に気付き、正しい診断と治療が大切
記憶力の低下;度忘れが目
立つ、同じことを言ったり聞いたりする。
理解力の低下;1度に2つの事を言っても理解できない。
集中力の低下;ピントの合わない返事。
思考力の低下;回りくどい話
をする。
判断力低下;なんでも被害的
に受取り。
実行機能の障害;段取りが出
来ない。計画が立てられない。
認知症と間違われる状態
1. 廃用性の変化:呼び寄
せ老人閉じこもり 寝たっき
りで刺激の無い環境など。
2. うつ 4症状
①憂鬱気分 ②気力が出ない ③不安・焦燥 ④自律神経障害の不眠など
*60以前は動作がのろく活気が無い、黙っている。
*60歳以降は心気的で不安、焦燥、妄想が強く良く動きよ
く話す、自殺企図傾向。
計算間違い、時間感覚が不確
かになり認知症と誤診される。(仮性認知症)
自律神経症状が前面に出て
身体の病気と誤診される。 (仮面うつ病)応答の仕方の
特徴
認知症:質問に答えられない
と作り話、はぐらかし、ごま
かす為に怒り出す、考えよう
とせず見当はずれな答え。 内容は被害・他罰的で決して
自責的ではない。
うつ:「分りません」と拒否
的で遅れ勝ち。内容は自責的。
3. せん妄による変化
原因
脳血管障害、感染症、
心不全、身体症状。脱水
高熱、糖コントロール不可
服用薬物、アルコール、心
理的ストレス、環境変化、
断眠、感覚遮断、
過剰刺激(CT,MRI
に入った状態など)。
準備因子
60歳以上の高齢、脳障害 痴呆など慢性脳障害
軽い意識障害(注意力散漫)、幻覚幻視が多いと運動不穏(落ち着き無くうろうろする)。幻覚に脅かされ状況を誤認し落ち着かず、歩き回り、大きな声で泣いたり怒鳴ったりする。始まりがはっきりしている。夜間に憎悪(夜間せん妄)
「うつ」と「せん妄」は診断できれば医療介入で回復可能な状態。
認知症の症状
1.中核症状(認知症状)
脳神経細胞の死・脱落
*認知機能障害、記憶障害
新しい事が覚えられない。
以前の事を思い出せない。
見当識障害:日付・時間、
場所、人が分らない判断障害
失認、失語、失行、実行機能障害、抽象的考えが出来ない。
*人格障害 前頭葉型認知症
ピック病 心遣い、配慮が無
し。反社会的行動。窃盗。
2. 周辺症状(非認知症状)
不適切な対応で生じる
*精神症状:鬱、妄想、せん妄 *行動障害 徘徊、迷子、暴
行、火の不始末、不潔行為、
徘徊等 認知障害の失見
当識、鬱の不安、焦燥が原
因になる。
全般性認知症とまだら認知症
アルツハイマー型認知症
認知機能をつかさどる脳連合
野が広く障害。
血管性認知症
失われる脳の部位別に障害
される知的機能にむら。
記憶は悪いが思考判断は保
たれる。
身体症状 血管性痴呆 痙性
麻痺性歩行、嚥下・構音
障害、発音が途切れ途切れ。
パーキンソン病・血管性認
知症 手の振え、小刻み、
前傾、緩慢、腕を振らない
歩行。
心理社会的要因 環境変化に弱い。精神症状、行動障害は環境の影響を受けやすい。⇒いらいら、せん妄の切掛け。
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