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平成元年には2万5千あった有床診療所は現在その半数以下の1万3千まで減少している。最近では年間1千ずつ減っている。これは有床診の入院対象者の減少、病床稼働率の低下、後継者不足、看護師はじめ医療従事者の不足に加えて、平成14年の2.7%、平成18年の3.16%の診療報酬マイナス改定の影響が大きい。支出の大半を占める人件費の高騰に反しての入院基本料の減額等は有床診療所の経営を閉院やベッドの閉鎖に追い込む程に苦しくしている。厚生労働省の有床診に対する処遇は、有床診の使命はすでに終わったと考えているのではないかと危機を感じた有志が昭和63年に全国有床診療所協議会を発足させた。協議会は①有床診療所が48時間を越えて患者を収容出来ない医療法第13条の撤廃②有床診療所と病院間の入院基本料の格差の是正の2つの課題を中心に活動して来ている。日本医師会も平成14年度に「有床診療所プロジェクト委員会」を設置して側面から支えて来た。その成果が平成19年1月にも発効する平成18年度6月成立の医療改革関連法の48時間条項の廃止である。しかし今回の報酬改定でも病院と有床診の入院基本料の格差は是正されず病院の最低ランクと有床診の最高ランクの差は500点もある。有床診は地価、人件費の高い都市部には少ないが九州・四国など地方に多く、有床診の果たしている役割は大きい。有床診は夫々に専門性を持ちながら開業している。一人~二人の医師が外来から入院までを一貫して診ている。住民のニーズに合わせ専門の手術や治療に特化して頑張っている所もある。有床診は地域に密着して住民の病気治療だけでなく健康診断、健康指導や日曜・休日輪番、救急医療も引き受け、在宅医療、訪問看護や介護サービスの通所リハビリなど住民の生活を支えている。ある調査によると有床診療所に通院している8割の人が通院先の医師をかかりつけ医と考えていた。最近は大病院志向もあり、風邪とか、かすり傷などの軽い疾病で大病院へ行き3時間も待つたとの話を聞く。無駄な事である。一次医療で入院の必要な患者を有床診療所で収容し、より高度な医療の必要な場合には二次病院に紹介する。軽快後は退院して在宅でフォローしたりまだ入院の必要があれば受け入れるなど状況に応じて対応出来るのが有床診であろう。高齢者は病気を治す(cure)よりまず療養生活を支える事(care)が大切である。これからはますます認知症が問題となって来る。高齢になると住み慣れた場所を一寸離れただけでも精神および身体に異常を来たす。国は介護病床の廃止、療養病床の削減で生じる患者を老人保健施設、有料老人ホームや在宅に移行させるとしている。それを支えるのに最適な施設こそ地域に根付き、小回りが効き、高齢患者さんに顔馴染みのスタッフの揃った有床診の筈である。その有床診療所が減ってしまうことは地域医療の崩壊を意味している。そこで日本医師会は有床診療所の減少を食い止め、パワーアップを図る為に有床診療所プロジェクト委員会を常設委員会にした。これに力を得た全国有床診療所連絡協議会はこれまで以上に有床診療所の存続と経営の安定を支援する活動する方針を確認している。来年の平成19年7月28日、29日の2日間に渡り鹿児島市で第20回全国有床診療所連絡協議会が鹿児島県有床診療所連絡協議会と県医師会が担当して開かれる。鹿児島市医師会員の皆さんに置かれましては大会を成功させる為に御協力下さいます様お願い致します。 

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