私はかって心臓血管外科に所属し大血管の動脈瘤や末梢動脈閉塞の治療なかでも外科手術を主に手がけていた。今はカテーテルを使ってある程度までは再建できる。私が関わっていた頃はやっと人工血管が普及し始めたばかりで、内膜剥離による血管形成をするのが普通であった。もともと動脈硬化で痛んだ血管を再建しなければならないので時間も掛かる上に術後すぐ再閉塞したり抗凝固剤の影響で術後出血したりで再手術も少なくなかった。脂肪で針も掛からない程にぼろぼろになった血管壁を繰り返し縫いながら空しい思いにとらわれた。これほどまでになった血管を修理する意味があるのだろうか、それより予防する事が大切だと何時も思っていた。そうゆう思いもあり専門は外科ではあるが開業する時の私の目標は動脈硬化を如何に予防し改善させるかであった。先ず玄関に自動血圧計を置き患者さん自身で測定して血圧への関心を持ってもらう。来院時には必ず体重計には乗ってもらう。そして最初から院内は禁煙にした。住民へは事あるたびにコレステロール、肥満、糖尿病など生活習慣病の話をして来た。それをし続け10年以上になる。開業当初は四肢血行障害が多かったが最近は滅多にお目にかからなくなり効果がやっと目に見えるようになったと喜んでいる。
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