有床診療所がこれまで地域医療に果たして来た役割、今日現在も提供している医療を考えるとその存在意義は大きい。昭和63年に発足した全国有床診療所協議会は①有床診療所が48時間を越えて入院させられない医療法13条の48時間問題に、②有床診療所入院基本料の病院との格差の2つの問題を中心に置いて活動して来た。そして日本医師会も平成14年度に「有床診療所プロジェクト委員会」を設置して側面から支えて来た。その結果、平成18年度6月に成立した医療改革関連法では48時間条項は廃止された。しかし入院基本料の病院と診療所間の格差は改善されていない。医療技術の向上、患者の医療ニーズの高まり等必要に迫られ、決められた基準以上の医師、看護師を配置しているにも拘らずそのコストは評価されず入院基本料は依然と低いまま据え置かれている。平成10年4月には有床診療所も療養病床をもてて経営上はいくらか楽にはなっていたが7年も経ずして療養病床の医療区分別報酬の設定、介護病床の数年後の廃止、医療病床の削減が決まった。病院は勿論、有床診療所にとっても大打撃である。現在、有床診療所には2万3千床の療養病床がある。有床診療所に多いと考えられる療養病床区分1の包括報酬は非常に低額で、実際の人件費を含めた必要コストを大幅に下回っており、今のまま維持して行くのは難しい。有床診療所はここ25年間で3万施設から半分以下に減り、最近は年間1000施設も減少し現在の総数は1万3千施設である。国は介護病床の廃止、療養病床の削減で生まれる患者を在宅や老人保健施設や有料老人ホームに移行するとしている。それを支えるのに最適な施設こそが地域に根付き小回りの効く有床診療所の筈である。その有床診療所が減ってしまうことは地域医療の崩壊を意味している。そこで日本医師会は有床診療所の減少を食い止め、パワーアップを図る為に有床診療所プロジェクト委員会を常設委員会にした。


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