
昨夜、韓国ドラマ「チャングムの誓い」ー「医術の心」を観た。今は韓流ドラマのさきがけ冬のソナタ以上の人気である。「愛とヒューマニティー」に溢れているのでNHKは子供向けにアニメ化した少女チャングムの夢も土曜日夕方7時半から放送している。昨日のあらすじは、チャングムが宮廷を離れ田舎に配属されている時、民衆の子供たちの間に天然痘が蔓延して死者が続出、チャングムは感染した子供達を避病舎に集め昼夜を問わず診療に努める。住民には感染を拡大させない方法を啓蒙し多くの子供達の命を助ける。一人一人の病状経過を観察して克明に記録する。一方、宮廷では王子が同じ天然痘で瀕死の状態に陥りパニック状態になっていた。側近達はチャングムの診療を望んだが王妃が拒否した。いよいよ危篤状態になり王の願いでチュングムに治療を委ねてやっと回復する。その実績で官位が上がっていく。その様な筋立てであった。私は天然痘を治療する場面で、自分自身医師になりたての純粋で使命観に燃えていた頃を思い出すと共に、最近の経済重視の社会環境に振り回され、医療の原点を忘れ去ってしまっている今の自分が悲しくなった。若い頃、小児外科にいた頃、生まれたばかりの食道閉鎖の子供を保育器の中で長期間にわたり治療した時の事を懐かしく思い出した。あの時の子供の笑顔が忘れられない。NHKの解説書から得た知識を簡単に引用する。ドラマの背景となる時代の医学は食物療法が主流であり保養食作りが医者の基本的な仕事だった。このドラマは女性であること自体がハンディになってしまう厳しい身分制度の中で,男性を退け王の主治医になった女性の実話を元にしている。朝鮮王朝第3代王太宗の時代に医女制度は定められた。それ以前、医師といえば男性で女性は夫以外の男性にからだを診せることは道徳的に受け入れられなかった。そのため女性は病気にかかっても診察を受けることなく、亡くなってしまうことが少なくなかった。これを問題視した太宗は1406年(太宗6年)、婦人の診療にあたる公婢の少女数十名の教育を命じた。これが医女制度の始まりで彼女たちは医薬の知識や脈診、鍼灸を学び女性の診療のほか男性医師の診療介助の看護師的役割も果たした。優秀な医女は宮中の医局に所属して、御典医とともに王妃王女の診察も行った。また、地方に派遣されて民衆の医療も行った。医女の職に婢が命じられたのは、当時、体に触れる職業は卑しいものと考えられていたからである。ドラマでは女性がなることがほとんどなかった時代に王の主治医になった医女チャングムが主人公である。しかしやがて、成宗後期から燕山君の時代には妓生(キーセン)と同一視され始めた。妓生(キーセン)とはいわゆる芸妓のこと。中宗は風紀是正のため、宴会に医女や妓生(キーセン)の招致を禁じ、さらに医女には本来の医療活動のみに専念するよう命じた。しかし一度乱れた風習が根絶することはなかった。ドラマの中で医女がかぶっている、黒い帽子状のものを遮額(しゃがく)とも、カリマともよんだ。全幅2尺2寸を二重に折ってその中に厚紙を入れ、額から頭の上を覆い後ろに下げ、肩まで来るようになっている。これは医女のほか、妓生(キーセン)もかぶっていた。

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