14、5年前まで公立の循環器を主にした総合病院外科で働いていた。一般手術などの他に別に開設されていた心臓血管外科の手術にも関わった。扱うのは市中の医療機関や院内の内科・循環器科から手術適応で紹介された患者さんが殆どを占めた。その頃、どこもそうであったが医師は大学病院の各科医局からローテイトで派遣されていて医師の入れ替わりも激しく色々なタイプの医師と付き合った。常識的に見て外科手術適応として回されてくる場合は問題なかったが主治医によっては、外科の大変さが分からず困る事も多かった。今でこそ内視鏡やカテーテルを使った非侵襲的な手術が出来るようになって大概の事が出来る。そのころは開腹・開胸手術がまだ主流で、手術侵襲のリスク評価が外科医にとっては重要事項であった。循環器疾患で当時の技術ではリスクが相当大きいと思われる症例の手術適応について、外科手術とそれに付随した対応がいかに大変かを理解せず、内科的治療の限界が外科適応と短絡的に考えている医師がいたり、また癌の末期の癌性腹膜炎のため各部位で腸狭窄が生じている患者を回されて認識のギャップに唖然とした時期もあった。
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