
大学病院外科医局に在籍中に宮崎県日南の漁業の町大堂津の公立病院に出張した。外科部長ではあったが外科医は私のほかに部下が1人だけ。家族もともなって行った。大学に比べ患者さんも少なく手術は週に1~2回程度でその都度大学から応援の医師に来て貰っていた。外科なので外傷の他は整形外科関連の疾患が多く余り忙しくなかった。病院の近くに医師の住宅はあり、職住一緒で家族ともどものんびりした生活が送れた。また患者さんの殆どがマグロなど遠洋漁業の従事者の家族で、操業を終えた船が入るたびに貰った魚で冷凍庫が何時も一杯であった。近くに大きな川があり海に近く満潮のたびに海水が逆流し海からチヌが上がってきた。私は本格的では無いが、ほどほどに釣りが好きなので、早朝の満潮の時を見計らって川に出掛けた。食べきれないほどの冷凍庫のマグロの切り身を餌に調子の良い時には短時間に沢山釣れた。最初のうちは面白く楽しんでいたが、釣っても小物で食べるわけにも行かずそのうちに飽きてきた。大物を狙って場所を川から河口に変え、仕掛けも投げ釣り用に変えた。その場所が丁度、新聞記事の写真の鉄橋の下であった。そこである日、大きな鯛を釣り小躍りして喜んだ。家にいそいそと持って帰り、妻に刺身におろして貰い家族で食べた事を懐かしく思い出した。
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