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< 真昼の警察医。 | メイン | 足湯 >

湧き上る夏の雲

昨日に続いてまた孤独死。それも今度は自分のかかりつけの患者さん、昨日は自分の事を棚に上げた教訓めいたブログを書いただけに内心、衝撃は大きい。この患者さんは3月前まで腰の強い痛みで歩けずに私の往診も受けていた。この頃はあまり来院されていない。介護事業所からヘルパーさんの介助を受けて生活をしており現在も週に2回は訪問を受けていたらしい。彼の姉さんが昨日まで喘息で入院しており姉の家庭の世話もするほど元気である旨、聞いていた。3日前の暑い昼間、車を運転しストアーから出てきたのを往診途中の私と看護師が見て車を運転できるほどに回復していたのを喜んだばかりだった。それだけに今朝、ヘルパーさんから訪問したら冷たくなっているとの電話は信じられなかった。昨日と同じ真昼の検死。暑い部屋にソファーに坐ったまま亡くなっている。電気は点けっ放しである。昨夜早い時間に亡くなったのであろう。検死官と色々体を調べるが死因につながる外傷もないし顔も穏やか。苦しんだ風もない。失禁はない。瞳孔は左右同大。中等度散大。眼瞼に溢血班もない。死斑は全身に広がり、死後硬直は既に解けている。下腹部皮膚に緑色の腐乱変化が始まっている。部屋の温度が31度、直腸温32度で、この所の暑さで外気温が高いため体温から死亡時間を推定するのは難しい。決まりに従い検死が進む。穏やかな顔で眠るように亡くなられている。検死の結果と死に顔が穏やかであるとの検死官の永年の経験も参考にして心臓死が原因で死後15時間経過していると判断した。開業して13年、常々、最後の脈は先生に取って貰うからと患者さんに言われて来た。自分ひとりの努力では敵わない事が多い。遺体に向かい、永い間にわたり信頼していただいて有難うございました。約束も果たせず御免なさい。安らかにお眠りください。合掌して患者さんのお宅を後にした。

 

 

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