でんさん
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2006/07 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 一寸の物忘れで自信喪失。
    • Kennedy Hooper (05.30 00:08)
  • 連日の在宅医療。
    • Seth Mcneil (05.25 05:19)
    • Kris Boyle (05.25 01:47)
    • Maggie Weeks (05.24 16:37)
    • Rosalie Morrow (05.24 04:52)
    • Barton Vazquez (05.23 23:01)
    • Rufus England (05.23 09:43)
    • Francine Brady (05.22 23:40)
    • Reynaldo Leon (05.22 21:47)
  • My Opinion
    • Salvatore Richard (05.24 07:08)

新着トラックバック

2006.07.17 21:25 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

足湯

画像


温泉の町の玄関口、指宿駅前に広い湯船を持つ足湯が在る。中央には湯浴みする家族のブロンズ像がしつらえてある。指宿の観光高揚を図る意味もある。それより指宿を訪れた方がたびの疲れを癒せるようにと指宿ロータリークラブが中心となり建設資金を募集して出来上がった。豊富に湧き出る温泉水が湯船を満たし溢れ出ている。旅の疲れを癒す人の姿が最近多い。何よりも綺麗に清潔に維持する事が大切である。そこで指宿ロータリーのメンバーが交代で3日毎に湯船の清掃とお湯の入れ替えをする事になった。時間は早朝の7時から8時までの1時間。私は仕事柄休日に当っている。今日がその当番で、緊張して朝4時に目が醒めてしまった。また寝てしまうと寝過ごしたら大変である。ブログを書いて時間が来るのを待つ事にした。しかし何時何がが起こるのが分からないのが私達医療の世界。7時前になったので当直看護師に出かける旨の電話をしたところに逆に掛かり付けの患者さんが具合いが悪く救急車を要請し、もうすぐこちらに着くとの連絡。仕方がないのですぐロータリーのメンバーに行けない旨の連絡を入れた。運ばれてきた老齢の患者さんは一人暮らしで少し認知症が有る。いつも早朝に電話が来て看護師がその度に対応している。一人息子を癌で失ないお嫁さんは近くに住んでいるが嫁姑仲はあまりしっくり行ってない。今日はその嫁さんも着いてきた。バイタルをとってもたいしたことはない。まずは大丈夫と判断したが一応入院させ様子を見ることにした。いつも不満を持っている嫁さんにアピールするために大芝居を打ったのかもしれない。嫁さんには少し大変な病状なので付き添うように話をして置いた。いつもこのような家庭騒動に巻き込まれる。落ち着いたのを待って当番の足湯の清掃に出かけた。もう終わりかけていた。入れ替えられた綺麗なお湯に足をつけ休日の朝の旅行者のちらほら行きかう駅前風景を楽しんで居ると、さわやかな夏の朝の風が頬に心地よかった。満足感に浸った。


画像

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

湧き上る夏の雲

昨日に続いてまた孤独死。それも今度は自分のかかりつけの患者さん、昨日は自分の事を棚に上げた教訓めいたブログを書いただけに内心、衝撃は大きい。この患者さんは3月前まで腰の強い痛みで歩けずに私の往診も受けていた。この頃はあまり来院されていない。介護事業所からヘルパーさんの介助を受けて生活をしており現在も週に2回は訪問を受けていたらしい。彼の姉さんが昨日まで喘息で入院しており姉の家庭の世話もするほど元気である旨、聞いていた。3日前の暑い昼間、車を運転しストアーから出てきたのを往診途中の私と看護師が見て車を運転できるほどに回復していたのを喜んだばかりだった。それだけに今朝、ヘルパーさんから訪問したら冷たくなっているとの電話は信じられなかった。昨日と同じ真昼の検死。暑い部屋にソファーに坐ったまま亡くなっている。電気は点けっ放しである。昨夜早い時間に亡くなったのであろう。検死官と色々体を調べるが死因につながる外傷もないし顔も穏やか。苦しんだ風もない。失禁はない。瞳孔は左右同大。中等度散大。眼瞼に溢血班もない。死斑は全身に広がり、死後硬直は既に解けている。下腹部皮膚に緑色の腐乱変化が始まっている。部屋の温度が31度、直腸温32度で、この所の暑さで外気温が高いため体温から死亡時間を推定するのは難しい。決まりに従い検死が進む。穏やかな顔で眠るように亡くなられている。検死の結果と死に顔が穏やかであるとの検死官の永年の経験も参考にして心臓死が原因で死後15時間経過していると判断した。開業して13年、常々、最後の脈は先生に取って貰うからと患者さんに言われて来た。自分ひとりの努力では敵わない事が多い。遺体に向かい、永い間にわたり信頼していただいて有難うございました。約束も果たせず御免なさい。安らかにお眠りください。合掌して患者さんのお宅を後にした。

 

 

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

気温も35度近くにあがり外を歩くと肌が痛いほどの酷暑。昼間、エアコンを最強にして家に籠もって避暑を決め込んでいる最中に警察から検死の依頼が来た。70歳代のお年寄りの不審死で家族の要請で救急隊が駆けつけたがすでに亡くなっていたらしい。この暑さで熱中症でも起こしたのかもしれない。おそらく現場は暑いだろうと用心のため飲み物を補って警察の迎えを待った。たまたま当直だったのか若い婦警さんが緊張した面持ちでやって来た。冷房がまだ効き切れない車内に乗り込んだ。場所は隣の港町、海沿いの道を車は走る。窓の外は夏の日射しを受けて雲はまっ白に輝き、空も海も遠くの山もライトブルーの水彩画。静かな水面を白い波を立てて小船が走る。真昼の港町は静かに何事も無いように時を止める。暑い中汗をぬぐいながら現場の家を探し当てて入ると家族が警察の事情聴取を受けていた。一言声をかけ遺体のある部屋に行った。案の定蒸し暑く、検死官が顔中を汗だらけにしながら説明をしてくれた。遺体は横たえては有ったが坐ったままうつ伏せて亡くなっていたらしい。外傷もない。高血圧で治療中だったというので脳出血を疑い腰椎穿刺を行った。血性の髄液が得られた。くも膜下に穿破した脳出血と予想した。広い家に一人で暮らしており近くに住む家族とは前日の夜9時までは一緒に過ごしていた。その後、1人になり床に就こうとして薬箱を開けた状態で事切れたと思われた。暑い中では何が起こるか分からない。発見されるまでおよそ16時間、すでに硬直が来ており、うつ伏した上半身には死斑が出ていた。胸に心電図の電極が残っていた。救急隊員が死亡していると分かりながらも家族の悲しみを思い蘇生を試みたのであろう。この暑さの中での使命感に溢れた行為に敬服した。高齢化が進み独居老人がますます増えてこのような孤独死のケースも多くなるだろう。家族や地域の細やかなサポートが大切だし、最近の世情を考えると検死も疎かに出来ないなど、送ってもらう帰りの車中で、本当は怖い婦警さんに説教してしまった。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)