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Doctors Blog

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私が本物の宝塚の舞台を初めて見たのは公立病院勤務時代に大阪の国立循環器病センターで長期研修に行って居た時である。それまでテレビで見たことはあった。華やかで男には近寄り難い雰囲気があり男がおおっぴらに話題にするのは気恥ずかしかった。男には禁断の世界と言うか女だけの何か秘められた雰囲気があった。しかし大阪に行く機会があったら一度は行って見たいと思っていた。休日を利用して思い切って観劇に行く事に決め、電車を乗り継いで出かけた。宝塚方面に向かう電車の乗客は劇場に行くのか多くが女性だった。団員への贈り物と思われる包みを手にしていた。車内での話題も贔屓の団員の話で私はそんな会話を耳にしながら車外に流れる宝塚沿線の風景を楽しんだ。少しずつ周りの雰囲気に同化していく自分がいた。駅におり劇場に向かうホームの階段そして劇場へ向かう小道は女性で満ちていて男はちらほらであった。私は外目を気にする事無く軒を並べる小店を冷やかして歩いた。開場まで時間が有ったので公園を散歩したりしてここ長年忘れていたピクニック気分を味わった。舞台は素晴らしく勇気を出して来て良かったと感激した。このときのことが忘れられず別の機会に渋る後輩を、人には言いふらさないとの約束で無理やり連れて行った。彼は劇場へは襟を立て帽子を深く被って入ったが舞台が始まりショーがクライマックスになった時には我を忘れ大きな声で喝采し、傍の私が恥ずかしい思いをした。其の時の事をみなの前で披露しようとするとする私に人指し指を立て口に持っていくのである。約束だからと。

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2006.06.13 18:10 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

コンタクトと桜島爆発

6月4日、桜島ではこれまで活動している南岳より別の少し麓の昭和火口の御釜が開き60年ぶりの爆発が始まつた。それにつられて付近の火山活動も盛んになっている。周りの市町村も災害対策に押っ取り刀でおおわらわである。周りの住民には桜島上空の風向きが問題で気象台と放送局は以前活動が激しくて降灰が大変な頃に始めた風向き情報を、活動がおとなしくなつてからも流し続けていた。ここに来てにわかに重宝されるようになっている。連日の降灰で大変らしく農作物にも大きな被害が出ている。鹿児島市でも降灰があり早速、ここ十年あまり出番のなかった清掃車の出動となった。降灰時は勿論、屋根や道路、街路樹に積もった灰が風に吹き上げられて灰神楽となる。鹿児島市に降る灰は錦江湾を渡る間に粗い砂は振るい落とされるので窓の隙間からでも部屋に入り込むほどの細かい砂となる。したがって弱い風でも舞い上がり何処までも飛ぶ。コンタクトを付けている人には悲劇が起こる。灰の吸湿で空気はからからに乾燥し、舞い上がった灰は目に入り込みコンタクトと角膜の間に刺さる。その刺激は飛び上がりそうに痛く目が開けられない。傷ついた角膜が炎症を起こすとコロコロして装着出来なくなる。あるテレビ局のアナウンサーが桜島の爆発が始まった以後は画面にメガネを掛けて出てくる。コンタクトを使っている人には苦難の季節が始まる。

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デイケアに来たおばあさんが心配そうな顔でそっと二の腕を出してスタッフに相談した。白い肌が大きく赤くはれあがり真ん中に赤黒いものがぶら下がっている。痒みで夜も眠れなかったと言う。黒い部分を触るが外れない。良く見ると少し動く。今度は強く引っ張ってみると外れた。ダニである。いつからこんなになったか聞いて見る。4~5日前に夏の野菜作りで畑仕事をした。その頃から腕が重く感じられる様になり、腕を見てみると腫れた出来物があるのに気づいた。だんだん周りが赤く痒くなって来た。これはてっきり悪いものだと思い込みクリニックで手術が出来るかどうかなど色々考えて心配で成らなくなった。しかし怖くて、別居している息子にも言いだせず、私の診察時にさえも言えなかったらしい。いよいよ赤くなって痒くてたまらずスタッフに思い切って相談したと言う訳である。外れたダニの種類はマダニで最近、山の開発、造成などで咬まれる人が多くなっている。食いついて腹いっぱい吸血し満腹すると外れる。簡単に取れたのはその所為で、普通は麻酔をかけて外さないと痛くてたまらない。一度食いつくと接着剤様の物質を出し針を固定するからである。咬まれた後、ライム病とかツツガムシ病を併発し大変なことになる場合もあるので要注意だ。手紙の書き出しに使う『恙なく』はツツガムシ病の原因となる恙虫(ダニ)に咬まれる事から来ている。昔は脚絆をつけて歩いて野山をかきわけての旅であつた。そのため咬まれる機会も多く旅の後、高い熱を出し黄疸が出てなくなる人が多かった。健康でいる事を恙なくと言う訳である。最近もそれで亡くなった人が報じられた。夏に向かい野山での服装に気を付けて欲しいものです。なったら特効薬のテトラサイクリン、ミノマイシンなどニキビに使う抗生剤が効果があるので咬まれたら早く病院で相談して欲しい。

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2006.06.13 13:29 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

鉛筆で書いた1枚の葉書

 

 診療を済ませ家に帰ると1通の鉛筆書きのハガキが届いていた。達筆な字で、命拾いをしまたが字も書けるようになりました。先生のお陰ですとお礼がしたためられていた。宛名を見ると1ヶ月余り前に救急車に添乗してICUのある病院に紹介したかかりつけの患者さんからである。1週間記憶がなく目覚めた後も体が思うように動かなかった。つらいと言う言葉の意味がこんなものかとはじめて分かった。今はリハビリ病院に移り訓練中であり鉛筆ながら文字がヤット書けるようになったので助けてもらった先生に(私)真っ先に書いたとの事、私は心配しただけにうれしくてホッと緊張が取れたのだろうか涙が出た。その方は一ヶ月以上も前、庭いじりをしている時に足に石を落としてしまい、小さな傷を作った。たいしたこともなさそうなので自分で処置して次の日に私のクリニックに診察に見えた。通常の治療をして傷も殆ど治りかけた頃、喉の違和感を訴えた。見たところ特に異常は無い。そこで耳鼻科に紹介した。飲み込みが悪いだけで所見は無いので漢方薬を処方して置いたとの返書を受け取った。これで落ち着くだろうと気にも掛けなかった。次の日、休日であったが、ご飯が食べられないので点滴をして欲しいとの電話。遠くに住んでいて父親の急を聞いて駆けつけた娘さんからであった。その時、頭に悪い予感がよぎった。破傷風だ!急いで対応しなければ危ない。すぐに来てもらった。患者さんは娘さんに支えられてやっとのことで歩いた来た。幸い呼吸は出来ており、口が開かない程度である。しかしこれからが大変と判断し、クリニックで出来る治療を施しながら紹介病院を探した。連休のさなかで受けてもらえない、そこで遠いが、前に私が勤めていた病院の後輩に窮状を訴えたところ快く引き受けて呉れた。救急車に添乗、搬送したのである。その後、典型的症状が出たため、ICUで眠らせた状態で管理されていた。私は心配で幾度と無く電話で様子を聞いて一喜一憂、2週間ほどで回復されたと聞き胸を撫で下ろした。この方は今年90歳になるが文章を書くのが好きな方で新聞、文芸誌に投稿し殆ど採用される程の上手。これまでも私のことをそれとなく文章に折込、気恥ずかしい思いをしたことも度々。そろそろ私としてはその方の筆がスムーズに運び出してあちこちの新聞など投稿欄にあらわれるのが気に成り出している。

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2006.06.13 00:45 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  でんさん  | 推薦数 : 0

人情駐在さん

古い話になる。鹿児島には珍しい大雪が積もっり凍えてしまいそうな朝、ある病院の玄関に若い女性の全裸遺体が放置されて発見された。その時、私は近くの大学医学部の学生であった。その女性が可哀相と思う一方この猟奇的事件が怖くてならなかった。必死の捜査が行われたがなかなか解決されず迷宮入りかと思われた頃、鹿児島から遠く離れたのどかな町で事件はあっけなく片付いた。犯人がその町の駐在所に自首して来たからである。犯人はその町の出身であった。逃げるのに疲れた彼は年老いた母親の元に舞い戻っていたのである。音信不通の息子がひょっこり帰り母親は驚いた。そして事情を知り嘆き悲しんだ。息子には内緒で駐在さんに相談する事にした。駐在さんは犯人が放蕩者で家を空け母親が心配して居る間、色々面倒を見て遣っていた。相談を受けた駐在さんは事実を知ったが母親の気持ちを思いすぐには騒がなかった。家に帰った母親は息子にこれまで駐在さんから受けた恩について懇々と話した。息子は涙を流しながら母親への親不孝を詫びた。そして自分の代わりに親の面倒を見てくれた駐在さんの事を思った。母親へのせめてもの親孝行として駐在さんに恩返しをしなければならない。しかし逃亡者の身。自首して駐在さんの恩に報いようと駐在所に向かったのであった。その駐在さんはその後、引退し指宿に住み私のかかりつけ患者さんである。

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