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最近思います。「正常」ってなんだろうって
その昔クレッチュマーという人が人間を3種類に分類してみました。
循環気質
分裂気質
てんかん気質
どのひともどれかに当てはまって分類できるものです。
気質ー病質ー病
という横軸もあって、それぞれが進むと病気になると、考えました。
循環気質ー循環病質ー循環病≒躁うつ病
分裂気質ー分裂病質ー分裂病
てんかんは今は脳の器質的な病気となっています。
けれども、最近になって、分裂気質の人もうつ病になるというのは常識だし、もちろんてんかんの方もうつ病になりますね。
そんでもって、さらに最近注目が、やっぱり発達障害。
かつて分裂気質、分裂病質と言われていた人の中に、アスペルガー障害が混ざっていたのではないかというのが、最近の有力な説です。
そうすると、どんどん複雑になっていきます。
あ・・・そういえば、正常って????
結局横軸の一番小さい群が正常になるのかも知れないのですが、つまり正常のなかにも色々だということがわかります。
いろんな人が病気になって、色んな正常がある。
病気になって病院を訪れる患者さんが、どの正常に戻るべきなのかを見極めるのはとっても重要に感じます。
そして、ゴールが違うのだから当然道も違う。どの道を選ぶのか、これが治療の良し悪しにかかわってくるのじゃないかなぁと考えました。
なにより、正常領域の人々に、どんな傾向があるのかということは一番の興味です。
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広汎性発達障害のなかの高機能広汎性発達障害(高機能PDD)について色々考えてみました。
私のような成人を主に診ている精神科医にとっては、実は高機能PDDというのはとても大きな臨床上のヒントになるのではないかと思う今日この頃(結構前からかも)です
高機能PDDとはいっても、じつは小児精神科の先生が診ていらっしゃる症例と、我々成人の精神科で診ている症例は、根底では共通しているものの、その病態はずいぶん違うのかもしれないと思うのです。
わたしが高機能PDDかな?と思う症例は、おそらくPDDの中核を沢山ご覧になっている先生からは、「正常範囲ですよ」と言われる方が多いのかもしれないと思います。
それゆえに、成人になるまで全く診断も受けず、家族も友人も「個性的」「ちょっと変わった子」としか見ておらず、本人も「ここまでやってこれたのだから自分は正常なんだ」と思っていたりします。
この「個性」「正常範囲」という言葉が、今とても大きなハードルになっています。
なぜかというと・・・多くの先生が認めるところではあると思うのですが、「PDDの特徴を持っておりながら、社会的に高い地位におり、PDDの特徴を障害としていない(と思っていない)人が恐ろしく沢山いる」という事実です。
診断基準に照らしますと、このような方々は診断から外れることになります。
なぜならば、診断する場合には「障害となっている」ということが但書きにあるからです。
「障害になってなければPDDの特徴を持っていてもPDDではない」
これが私にとっては、なんともいえないジレンマです。
高機能PDDは自分が困るだけではありません。診断されずに成人し、出世したPDDは実は、周囲にとって非常に困ったさんになっているケースがあるのです。
しかし出世したPDDは診断されませんので、結論としては「自分は正常」となります。
診断されないにもかかわらず、PDDらしさ、つまり
強いこだわり、頑固、しつこさ
融通の利かなさ
思い通りにならないとパニックになる(キレる)
相手の立場になって考えることが不得手
自分のことを話すことは得意であるが、人の話は聞かない
などなどの特徴を充分に持っています。
と、どうなるか・・・・
さまざまな対人関係トラブルを引き起こすことになります。
しかし、高機能で出世できるほどのPDDともなると言語性IQも半端なく高かったりするので、どう考えてもおかしいということでも、理論構築をして反論できない形で周囲に押し付けます。
そういった高機能PDD(診断できず)の上司は、理不尽な要求と理不尽な評価を部下に下すことは良くありますし、また別の場面では、学校や病院で理不尽なクレームをつけ、正当性を理路整然と語り続けることになります。
しかしこの人達は障害と思っていなく「正しいことをしている」、周囲も「あの人はキツイ」と思いつつ、頭もよく一見正しい理論で話すので、「逆らえない」という図式になってしまいます。
臨床上困るのは、この人達を診断することも治療することもできず、その影響でうつ病になったり適応障害になってしまう人々の対応しなければならないことです。
診断基準に意義を申し立てるほどの度胸はないのですが、PDDについては重症例や偉人についての話だけではなく、もっと身近な疾患として啓蒙することが大事なのかもしれないと思うのでした。
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