2007.03.31 13:50 |  診療  |  研究  |  daisy  | 推薦数 : 2

統合失調症・・・(2)

前に統合失調症の人が純粋で好きだということを書いたのですが、笠原先生がM3の記事に同じ事を書かれていてびっくりしましたw

 

なんで私が統合失調症の患者さんを好きなのか、少し考えてみたんです。

 

「自己愛」ってヒントにならないかなって

自己愛って、一般の方には聞きなれない言葉だと思いますが、

とりあえず教科書を引いて見ますと・・・

 

自己愛=ナルチシズム

エリスH.Ellisがギリシャ神話ナルシサスを引用したのが始まり

フロイトS.Freudの「性に関する三つの論文」によると、人間の生活の自己保存本能の自己中心性に関するリビドー補給である一方、性生活全体を吸収してしまうほどの倒錯に発達してしまうこともある

臨床的には、「リビドーが自己に向けられた状態すべて、つまり一人よがり、自己中心的、尊大、誇大的自己イメージ、すべての人から愛されていると感じ、愛されることを要求するといった心理」(新版精神医学辞典)

 

・・・やっぱり難しいですね(^-^;

でも私としては、赤字のところが気になるわけなんです。

 

自己愛を一般的な言葉にすると「自分をかわいいと思うこと」とか「プライド」なんていうのも当てはまりますかね

適度な自己愛は生きていく上でとても大切なものです。

だけれども、過剰な自己愛というのはたとえば・・・

「こんなにこんなに私って辛いの、分かってくれる?・・・・・・・・なんで分かってくれないの?私はこんなに辛い思いをしているのに!」

診察室でなくとも、友達同士の相談でもあるんじゃないでしょうか。

これって、最初は「うんうん」と聞いていられても、だんだんと重くなったりしませんか?

過剰な自己愛は、そこにいる対象を巻き込み、引きずり込もうとするようなエネルギーを持つため、時にうっとうしい印象をもたれてしまうことがあります。

うっとうしいを通り越して、回りを振り回しまくると自己愛性人格障害などのお話も出てくるんだと思いますが・・・ 

 

統合失調症の中核的な症状に「自閉」(ブロイラーE.Bleuler)というものがありますが、そのせいか、統合失調症の方はこの赤字のところのような、対象に対して内面的な(というとちょっと違うかな)要求をしないんですよね。

「情緒的交流が希薄」なんていわれちゃうこともあるんですが・・・

統合失調症の患者さんは、幻覚や妄想のなかで、たとえば「テレパシー」や「電波」に代表されるような、現実にはない、他者との交流をもってることがあります。

心の中でつながっていながら、表面上は「自閉」しているという不思議な状態なんじゃないでしょうか

 

統合失調症の患者さんも「分かってくれます?」という言葉を言うことはあります。なんですが、「心の底から分かってくれなきゃいや」というニュアンスとはちょっと違うんです。

説明しがたい自分の体験を、なんとか現実にある言葉にしようとして、うまく表現できているかどうかを確かめているような感じ・・・の「分かってくれます?」なんですよね

概して、「私ってかわいそうでしょ?」というニュアンスにはならないんです。

そうすると、私も自然に一生懸命理解しようとします。統合失調症の患者さんが見ている景色、世界を感じようと・・・

そしてうまくいくと、一緒に治療に向かっていきます。だけれども病気と闘っているのは患者さん自身。治療者はその隣に寄り添い、支えていく・・・といった私にとって理想的な治療の図式をつくり易いんですよね。

 

もちろんうつ病や神経症でも、このような関係を築くことが出来ますが、どうしても自己愛が強いと、ここにたどり着くまでにものすごい労力を要します。

途中で、さっきのやり取りの例のようになると、途中で治療者に対する攻撃が始まったりして、私みたいな未熟者は落ち込んでしまったりするんですよね(^-^; (多分精神分析でいうところの陰性転移とかも絡んでくるんだと思うんですが、今日は触れませんw)

 

自己愛の扱い方。。。これは新米精神科医にとって、かなり大きな試練です@_@

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2007.03.04 12:36 |  診療  |  仕事 / 職場  |  daisy  | 推薦数 : 3

心苦しいこと

まだ開設したばかりなのに、ピックアップブログにあげられちゃって、恥ずかしい限りです><

ランダムなのかな???

 

訪問者が激増しているので、ここで、いつもいつも他科の先生方に申し訳なく思っていることを書こうかと思います。

 

私はとある大学病院に勤めています。うちの病院も最近の流れに乗って、数年前開放病棟になりました。

これがすごいネックなのです@@

大学病院で日直や当直をしていると、当然ながら、救急隊の受け入れ要請や他院からの受け入れ要請があります。

 

ですが・・・

ほとんど受けられないんです><

 

他科の先生方にはこれが理解しづらいことも多いようで、お叱りを受けることもあります。

本来特定機能病院である大学病院は重症救急疾患などの急性期を扱うことが他科では当たり前なんだと思うんですが

 

開放病棟では精神科の重症で救急を要するような患者さんを診ることはできないのです;;

精神科で重症急性期というと、”精神運動興奮状態”と言われるような大暴れをしていたり、自傷他害のおそれが切迫しているような状態なんですよね。

そうすると、一番重要なのが、”安全の確保”なわけです。

方法としては、精神保健指定医の診察の上で、必要に応じて隔離、拘束、薬物投与が重要になります。

 

しかし、開放病棟であるうちの大学病院では、隔離を行える部屋がたった1床しかなく、常に誰かが使用している有様です(・・;)

そうすると「すみません、すみません」といいながら要請を断る毎日になってしまうのです><

 

  なんで大学病院で本当の急性期がみれないの?

というジレンマに苛まれます・・・

 

あと、もう一つの問題として、自傷他害の疑いが強くなくとも不穏の患者さんを受けづらいのもあります。

それは、大学病院の入院患者さんが軽症化しているということと深くかかわってきます。

昔は精神科というのはいろんな偏見もありましたが、最近は精神科に入院されている方も、大学病院などではうつ病が大半を占め、従来の精神科からすると「普通」の人々が多いです。

そうすると、精神科といえど、大声を出している患者さんがいると、ナイーブ(?)な患者さんが多いので、具合が悪くなってしまったり、クレームが出てしまったりします(・・;)

 

10年前と現在の精神科医療って全然違うのでしょうね。

 

というわけで、嫌な思いをされ精神科は頼りないと思われている他科の先生方・・・

本当にすみません><

 

時代の波には逆らえないんですかねぇ・・・

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