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先日の新聞に、都立高校の入試問題と解答が掲載されていた。息子が今年受験生ということもあり、どんな問題が出ているのだろう?国語ならば今の私でも解答できるかな・・という興味本位で、国語の入試問題に目を通してみた。そして一つの問題が私の関心を惹いた。

それは「科学者という仕事」(酒井邦嘉著)という論説から取った長文読解問題で、次の文章から始まっていた。「多くの人は、科学は正しい事実だけを積み上げてできていると思うかもしれないが、それは事実ではない・・・」更に読み続けていくと、この問題文は実はとても難解なテーマを扱っているではないか!

この入試問題の解答そのものは、この「文章の文字面(もじづら)の意味」を理解すれば文脈で解ける問題だ。しかし、ここに書かれてある「テーマ」(科学者という仕事)を本当に理解することは、本来とても難解でかつ興味深く、またとても重要なことだ。例のマスコミの捏造問題を初め、「科学的論理的思考」がきちんと為されていない現実ゆえ。

私は以前、竹内薫氏(サイエンスライター、TVニュースゼロ科学解説者)から、ある科学哲学者の話しを聴いた事がある。彼の名は、ファイヤアーベント。カルフォルニア大バークレー校の教授であり、ロンドン大学・ベルリン大学などでも科学哲学について教鞭を執っていたそうだが、彼の生き方や思想は、型破りの反権威主義であり、知的反逆者であったらしい。竹内氏の講義では、ファイヤアーベントの自伝や代表的論文から、「世界を科学的に認識する方法」の歴史や飛躍を、ファイヤアーベントの視点から愉しく学ばせて頂いた。

今回の読解問題文の中に、カール・ポパーという人が“科学哲学の重鎮”(!)として紹介されている。実は、そのポパーはファイヤアーベントの指導教官であったらしい。そしてファイヤアーベントに言わせれば、ポパーは「優等生的で面白みに欠け、ラディカルさや先鋭さに欠けていた!」とのことである。本当はヴィトゲンシュタインを指導教官に選びたかったが亡くなってしまったので、仕方なくポパーを選ぶハメになってしまった、とのこと。この論説に隠された「豊穣さ」、実はこの豊穣さこそ、ファイヤアーベントを理解するキーポイントであるが・・

面白くもない入試問題の奥にも、興味深い事実がいっぱい隠されていた。たまたま今回は、それに関することを深く学んでいたから知っていたが・・日頃の何気ない事実の奥にも、本当は凄い事がたくさん隠されているのだろう。ただ人が気付かないだけで・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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2007.01.24 10:45 |  研究  |  海外留学  |  生活 / くらし  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

暖冬異変

今朝の朝日新聞(1月24日)の記事、「暖冬が続き、タンポポが記録的な早咲きとなり、梅の便りも届き始めた・・」確か1月14日頃の松山気象台の観測報告でも、「春の野の花を代表するタンポポが既に咲いた。平年の開花日は3月初めというから、50日以上も早い・・」とあった。
青森では雪不足のため、学生スキー選手権が延期。新潟では雪不足のため逆に、例年は不可能な「雪なしゴルフ場」が可能となった、とのこと。

私の身近な自然を見ても、庭の梅の花が今年は既に咲いているし、例年は見られる霜柱が今年は立たない。そして昨日、我が子が「アリが地面にもう出ている!」と驚いていた。まだ1月なのに・・

海外でも、いろんな観測結果が報道されている。ニューヨークでの最高気温22.2度(1月6日)は、1950年と並び1月の気温としては観測史上最高。ゼロ度前後で珍しくないこの時期、セントラルパークでのTシャツ姿の新聞写真は衝撃的だった・・

ところで、コロンビアのシエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ(現国立公園)の山脈の中に、スペイン帝国の侵略を免れた古モンゴロイド先住民の人々が住んでいる。彼らは「環境の守護者」として「聖なる山を守ること」を自分達の義務と認識し、現代文明から隔絶した環境に身を置く事で、自給自足の伝統的生活・文化をこれまでずっと守ってきたそうだ。

彼らが代々伝えてきた「先祖の教え」がある、という。
「もしも彼らの山が病になれば、“世界”に問題が起きる・・」
そして初めて1990年頃より、「自分達の守る山、世界の心臓に、ただならないこと、雪が降らなくなり川の水が涸れ始めるなどの良くないこと、が起こり始めた・・」そうだ。

確かに丁度その頃から、彼らの先祖が驚くべき賢さで見抜いていたように、実際に“世界”に問題が起きている。世界全体の緊急問題としての「地球温暖化問題」が・・

参照:「Native Heart」北山耕平氏ブログ

 

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2007.01.18 15:20 |  海外留学  |  仕事 / 職場  |  お金 / 株  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

医師の国外流出

「医師の国外流出」・・・勿論、日本のことではない。実は、フィリピンのこと。
先日、偶然あるTV番組を見て知った・・

NHK・BS1 “地球街角アングル「医師がいなくなる~フィリピン・看護師出稼ぎの陰で”という番組。
その中で、海外で働くフィリピン人医師の現状や、フィリピン国内での医師の偏在(日本と同じだ・・)、そして彼らの祖国への思い、などが取材されていた。

今、先進各国が看護師不足の問題に直面しており、その先進国に“出稼ぎ”するフィリピン人看護師が注目を集めているようだ。
日本においても、今月17日共同通信社の報道によると、厚労省が日本で働くフィリピン人看護師などの受け入れ指針案をまとめ、今後2年間で看護師200人を受け入れる事になっている、という。

ところが、そのフィリピン国内では、経験の浅い若い看護師が多くなり、医師の数も足りなくなっている、という。今回の番組では、フィリピンにおける医師の偏在(都市に集中、地方では不足・・)も取り上げ、ある地方の診療所の厳しい実態を取材していた。そして必要な医療も受けられなくなった患者も出始めているらしい。まさに日本の医療状況と重なるところがある・・

ただ驚いたことは、フィリピンにおいて「医師が海外で働く」といっても、実はアメリカで医師として働くにはフィリピン国内の医師免許ではできないから、彼らはアメリカで「看護師として働く」のだ。それでもOKなのだ。家族のより良い生活のためにか、高収入を求めてアメリカで看護師として働くことを選ぶ・・
しかし最後に彼らが言った言葉・・「これで得たお金をフィリピンで消費すれば、フィリピンの経済が潤う。フィリピン人みんなの為にもなる・・」この感覚に少々はっとさせられた。

同胞人への思い、ある意味「愛国心」・・・何処かの誰か(国会で一度お見かけしたことあるけれど・・)が言っている様な「愛国心」ではなく、正確には「愛“国民”心」の様なお互いに同胞として助け合うような心・・
けど今の競争社会の日本には、そんな心の余裕は無理かな?

 

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2006.11.11 11:10 |  研究  |  海外留学  |  車 / バイク/ 船  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

地球大気酸素が減っている

ずっと気になっていることがある・・
それは、21世紀COEプログラムセミナー「大気中の酸素が減っている!-生命惑星・地球の環境-」(2005年12月21日、東京工業大学)を聴講したときからだ。
講師は吉田尚弘先生。東京工業大学大学院・総合理工学研究科・フロンティア創造センター教授であり、米国地球物理連合関連の専門誌の編集長もされている。

そのセミナーの要旨を、吉田先生の文献内容も参考にして、以下ご紹介する・・
・・地球の大気中に含まれる酸素濃度は、オゾン層が形成された4億5千年前から21%を保ち続けてきた。地球上の生命もこの酸素濃度に適応すべく進化を続けてきた・・
・・非常にショッキングな話しだが、学生達と一緒に行っている調査で、二酸化炭素が1年に2~3ppmずつ増えているのに対し、酸素は2~3ppmずつ減少していることがわかった・・

そして大気酸素濃度が季節変動を伴いながら、年々減少している実測データを見せてくれた。その衝撃的な図が、以下のサイトの下図である・・http://tgr.geophys.tohoku.ac.jp/index.php?option=com_content&task=view&id=44&Itemid=63

この割合で酸素が減少した場合、何年で酸欠状態(大気中酸素濃度18%以下)になるかを計算すると、約1万年後には、酸素ボンベなしでは人類は生きられない状態になるそうだ!そして7万年後には大気酸素濃度が0%になる・・

そして今問題なのは、車・工場を初めとする化石燃料の燃焼などによって二酸化炭素が大気中に増えても、これまでは植物などが光合成で酸素に戻していたのが、今はもう戻しきれずにいる現実だ、と指摘された。つまり、地球環境システムが今は酸素減少に対応しきれてなく、本来の地球循環バランスがまさに崩れている・・

この「1万年後」を、遥か遠い将来と見るか、現在の切実な問題と見るか・・またはたして本当に1万年後か・・指数関数的に千年後百年後に加速されないとは言い切れない・・
いずれにせよ、今人類が向かっているベクトル方向は、生命にとって間違った方向であることは、決定的事実であろう。

吉田先生はこのようにも発言されている・・
「このまま酸素が減少していくと、地球生態系にも何らかの影響が出てくると思うし、そうなる前に何か手を打たなければいけない。一般の人たちにも地球環境に対し問題意識を持ってもらうために、酸素減少の事実を知らしめるべきだと私は考えている・・」
そして、このセミナーの中でもこう言われた・・「人はやってはいけないことをしている!」


 

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2006.11.06 10:15 |  研究  |  海外留学  |  映画 / 音楽 / 読書  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

ガイアの復讐

竹内薫氏、東京大学理学部物理学科卒、マギ-ル大学大学院博士課程を修了され、サイエンスライターとして活躍されている。そして現在、TV番組「NEWS ZERO」で毎週火曜日の科学キャスターもされている。海外生活・留学も長く、そのバイリンガルを生かした海外の科学情報にも詳しい。

私にとっては、物理学の恩師でもある。物理学とは、物質から世界の本質を探究しようとする学問。竹内氏からは、量子力学を初め、相対性理論や最新の虚時間宇宙やループ量子重力理論などを、まずイメージから分かりやすく講義して頂いた。確実に私の世界が広がり深まった・・

先日、来日中のジェームズ・ラブロック博士に、竹内氏が直接お会いしてお話を伺ったそうだ。その記事が、日経新聞(11/1)に、ラブロック博士の著書「ガイアの復讐」の紹介と共に載っている。その記事の中から一部を・・
ガイアとは、「生きている地球」のこと・・大地と大気と生き物は、「共生」することにより、ガイアを適温にし、大気組成を調整してきた・・人類は、共生をぶち壊しにし、今やガイヤは瀕死の状態に陥ってしまった・・原子力に頼らなければ、人類は恐ろしい結末を迎えるであろう・・

世界気象機関(WMO)は3日、地球温暖化の原因となる温室効果ガスに関する報告書を発表した。それによると、2005年の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度は観測史上最高値を更新したそうだ。

ラブロック博士は、著書「ガイアの復讐」の中で訴えている・・
・・それでも文明が化石燃料のせいで滅びるのを傍観していることは私にはできない。ゆえに私は、原子力がどれほど怖がられていても、必要な治療薬と考える・・

確かに「根治療法」は、現代の産業社会・生活のあり方の変換であろう。しかしそれは個人レベルの意識変換も要する。早急には実現が難しい・・
だから「対症療法」として、温暖化ガスを排出しない原子力しか、今はもうないと訴えるのであろう。

竹内氏も、地球は壊れかかっている・・と危機感を表している。「根治療法」のためにも、生きる意味・生活のあり方・死生観・世界観が、まさに今ひとりひとりに問われているのだろう。
ガイアが人間に、本当に最期の警告を発しているのかもしれない・・

参考書籍:「ガイアの復讐」ジェームズ・ラブロック著(中央公論新社)

 




 

 

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2006.07.15 22:05 |  研究  |  海外留学  |  旅行 / 宿  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

Welcome to America !

初めて国際学会に参加した時のこと。開催地はアメリカ東海岸フィラデルフィア。IANDS(The International Association for Near-Death Studies) という学会。東京からシアトルとミネアポリスを経由し、暴風雨のフィラデルフィア上空でしばらく旋回。米国人機長から乗客に、着陸態勢に入ると、アナウンスで説明あり。“・・・make an effort to ・・・”(努力する?大丈夫と言ってほしい!)分厚い雲の壁に突っ込み、上下に揺れながら進む。突如雲から出て、眼窩に見えた夜のフィラデルフィア。宝石が散りばめられたようなネオンの美しさは今でも忘れられない!安堵の思いと共に・・・

夜遅くホテルに電話し、何とか迎えの車の手配をする。そう、今回は一人旅(正確には、夫がボディーガードとして付いて来てくれてはいるが・・)すべては自分でしなくてはならない。この1週間近く、英語のみで。

会場はフィラデルフィア郊外、それはそれは緑の美しい大学だった。そして第一日目の講演やシンポジウムも終わり、大学の食堂でランチのため参加者の方々が集まってきた時のこと。日本人は我々2人のみだった・・
しかし、・・・そこがアメリカだった。何となく目が合うと、誰からも笑顔で、“・・・from Japan ? Welcome to America !”嬉しい衝撃だった。日本で逆の立場の場合、初対面の見も知らぬアメリカの人にできるか?“Welcome to Japan !”って。

それは最後の全体会の時だった。階段状の大きな会場に、そう1000人くらいは参加者が集まっていただろうか。そして、海外からの参加者の紹介となった。欧州からもドイツやフランスなどから何人かが参加されていた。その各国の方々の紹介がなされ、一言ずつスピーチをされていた。
そしてそれは突然だった。“・・・from Japan・・・”遠くはるばる日本からも参加されている方がいる、と紹介があった。たった2人の日本人のことを覚えて下さっていた・・
そして会場のすべての人が満面の笑顔でこちらを向き、大きな大きな歓迎の拍手を下さった!心細い思いをしていた時だけに、その歓迎の気持ちはとても嬉しかった。これがアメリカなのか・・・と、その懐の大きさを驚きと共に感じた。

現在のアメリカ、確かにいろいろな問題を抱えている。けどアメリカ本来の素晴らしさは、少なくとも私の心には確かに刻まれ残っている・・・

 

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