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2007.03.24 15:13 |  診療  |  お金 / 株  |  車 / バイク/ 船  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

エネルギー問題と医療崩壊

「みんないつまでガソリン車が走っていると思っているのだろうか」(国連大学副学長、安井至:朝日新聞2007.3.3)石油が枯渇や高騰により入手困難になることを予測しての提言である。この提言、このまま医療にも言い換えれるのではないか。「みんないつまで現代医療を受けれると思っているのだろうか」と・・

「医療を受けれない・・」には、実は2つの要因がある。1つは、今既に始まっているあの「医療崩壊」のため。ご存知のように医師不足・劣悪な労働環境、そして理解不能な刑事訴訟、等々によって。そして2つめの要因が、実は「エネルギー問題」と密接に絡んでいる。

現代社会は、そして現代医療も、石油にどっぷりつかっている。医療資材・医療計測機器・医薬品のどれを取っても、その原材料やエネルギーにおいて、石油なしでは考えられない。ところが日本はエネルギー供給の大部分を海外に依存し、その50%が石油、しかもその90%を中東に依存している。つまり日本は元々脆弱なエネルギー供給構造を持っているが、今までは何とか石油を海外から供給し、社会経済を、そして現代医療を動かしてきたわけだ。

しかし今、国際的にエネルギー事情が緊迫している。中国を初め成長著しいアジア諸国のエネルギー需要の急増、産油国における石油供給余力の低下、が言われている。そして「石油生産ピークに関する見通し」がIEA/World Energy Outlook 2004 に公表されている。その中で、石油生産ピークが「標準的シナリオで2028-2032、悲観的シナリオで2013-2017、楽観的シナリオで2033-2037」とある。何れにしても、この10~20年後には現実的な状況として、石油が徐々に枯渇してくる!そんなに遠い将来の話しではない。その時、石油に依存している現代医療は、このまま可能であろうか・・・

このエネルギー問題は、実は地球温暖化問題とも絡んでいる。石油・天然ガスが枯渇し供給が低下すると、その代用に供給可能な石炭がエネルギー源として使用され、その結果、二酸化炭素がより大気中に放出されるだろうと推測されている。

この先10~20年が、エネルギー問題や地球環境問題、そしてすべての社会経済生活にとって、非常に重要な時期になってくるのではないかと感じる。如何に、総合的・包括的視点に立って、この状況を見据えれるか・・

ちょうど息子がこの春、某大学理工系機械工学科に入学することになった。機械工学では、流体力学・熱工学・原子力学などエネルギー学の基礎を学ぶだろう。先日彼に、現在のエネルギー問題のこと、資料を渡して少し説明した。そして「エネルギー問題のこと、一生懸命に勉強して何とかしてね・・」って言ったら、「・・・・うん」って神妙に頷いた。託す!そして私も・・・

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2007.03.17 08:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

過労死認定を支援する会

小児科医中原医師の過重労働による自殺は、労災と認定され勝訴に至った。そして現在、支援者の方々は既に次の活動を展開されている・・

中原医師の奥様(中原のり子さん)からのMLが、今朝送られてきた。実は中原のり子さん、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクの会員でいらっしゃり、今回のMLには「勝訴のお礼」と「控訴されない活動の支援願い」などが書かれてあった。

今回勝訴には至ったが、今後国が控訴しないように活動を展開されている。そこで多くの方に、「控訴しないように要請する要望書」を国に出して頂きたい!とのこと。

下記HPは「小児科医師、中原先生の過労死認定を支援する会」である。このHPから「控訴しないように要請する要望書」をダウンロードし印刷して投函できるようになっている。厚生労働大臣・労働基準監督署長・労働局長宛への要請葉書だ。支援頂ける方は、葉書代カンパでお願いします!とのこと。

勝訴の判決を受け、現在中原さんの元に、電話・ファックス・手紙が殺到しているそうだ。お祝いメールも  400通以上来てフリーズ状態らしい。多くの方々の熱い思いを感じる。私も今日、早速「要望書」を投函しよう!皆さんも是非・・

なお、民事裁判の判決も、3月29日に控えているそうだ。こうした地道な活動結果が、医師の労働環境の改善に確実に繋がっていくと思う。

「小児科医師、中原先生の過労死認定を支援する会」HP:http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/

 

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2007.03.16 14:10 |  診療  |  仕事 / 職場  |  医療事故  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 3

医師の情熱を支えるもの

確かに、昔から勤務医は激務であった・・

もう十年以上も前のことではあるが、研修医時代、大学病院や市立総合病院のNICU・一般小児病棟で勤務していたことがある。そう、確かに大変だった。コール当番や当直が月に数回はあったか。そしてNICUもあるため、他院からの新生児や未熟児の緊急入院の依頼を、救急情報センターから度々受けた。それも往々にして夜間に・・・保育器と救急セットを持ち、救急車に乗って、その病院まで赤ちゃんを受け取りに行ったものだ。そして入院後の処置のため徹夜となり、一睡もせずに翌日の通常勤務へ・・・

まだその頃は20代で体力があったから何とかやっていたけど・・・大学病院時代、病棟主任の先生と一緒に仕事していた時は、その先生(30歳後半だったかな)、徹夜明けの早朝に、NICUのソファーに座って仮眠されていたのを、今でも覚えている。

市立総合病院ではその頃、夜間にレントゲン技師がいなかった。夜間の緊急入院でX線撮影が必要になった場合には、医師が撮影・現像をしたものだ。夜、誰一人いない地下の薄暗い廊下を通り、真っ暗な現像室で装置の小さなスイッチランプの明かりだけを頼りに、手探りで現像作業をこなした。少々・・いやとても怖かったなぁ。

確かに心身ともいろいろ大変だったけど、その頃は患者さんやそのご両親との信頼関係を感じていた。だからこそ、何とか気持ちを持ち続けることができたと思う。ましてや“受け持った患者さんから刑事事件で訴えられる”・・・そんな衝撃的なことは思いもよらなかった。

現在、医療現場の何たるかを理解してない、理解しようとしてないような医療刑事事件が続いている。もし今、もう一度小児科医として同じ勤務状況に置かれたら、以前の研修医の頃の様に、要らぬ不安もなく情熱を持って、患者さんの命を救うことにのみ意識が集中できるか・・・いわんや勤務状況そのものも、ますます過酷になっている現状においては。

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2007.01.08 14:53 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  旅行 / 宿  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

自死遺族支援全国キャラバン

昨日1月7日夕方6時からの「NHK全国ニュース」で、ある「自殺対策支援活動」が紹介された。

「自死遺族支援全国キャラバン・プロジェクト」・・

1年間3万人を超える自殺により、多くの遺族の方々が悲しみの中に取り残されている。自殺対策基本法のひとつの柱である「自死遺族の支援」については、プライバシーなどの問題もあり、国や自治体での対策がほとんど進んでないのが現状である。

そこで今回の全国キャラバンでは、民間団体のNPO法人自殺対策支援センターライフリンクが中心となり、今年4月から日本列島を縦断しながら全47都道府県で、自死遺族支援をテーマにシンポジウムを開催する、という。

具体的内容としては、1)全国47都道府県で「自死遺族のつどい」の立ち上げ、2)自死遺族支援の必要性を地域に訴えるため、マスコミとタイアップして、各自治体ローカル報道から自殺対策キャンペーンを呼びかける、3)自死遺族に呼びかけて「自殺予防のための1000人調査」の実施、4)官民学の枠を超えた自殺対策関係者の連携基盤作り・・などである。

今回のシンポジウムには、それぞれの地域の遺族の方々にも参加を求め、遺族の方の声にも耳を傾ける、という。ニュースのインタビューの中で、ライフリンク代表清水康之さんは、「・・全国シンポジウムを展開することで、各地に“心のケアの会”を立ち上げ、遺族支援を根付かせたい・・」と語っている。

今日の朝日新聞「ひと」でも、全国初の「遺族外来」を始められた大西秀樹先生(埼玉医大、精神科医)の記事が載っている。
身近な大切な人を亡くした方が、安心してその悲しみを語れる場・・・いろいろな活動が始まっている。

参考:1月7日NHKニュース「自殺者遺族支援へキャラバン」http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/nhknews070107.pdf

 

 

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2006.11.28 20:40 |  診療  |  研究  |  映画 / 音楽 / 読書  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

日本臨床死生学会

第12回日本臨床死生学会(11月25日・26日、尚美学園大学大学院、埼玉県川越市)に参加した。
この学会の設立趣旨は、臨床の場における生死をめぐる全人的問題を、メンタルヘルスの観点から学際的かつ学術的に研究・実践・教育することで、医療の向上に寄与する・・
事務局は、東京医科大学メンタルヘルス科にある。

具体的テーマとしては、ターミナルケア(緩和ケア・告知の問題)、自殺の問題、脳死の問題、老化・死をめぐる問題、医療従事者における死生学教育、死に関する社会的問題などなど・・・考えるべきテーマは限りなくある。

今回の学会テーマは「自己決定権を考える」・・その中で幾つか演題をご紹介したい。
「自殺における死の自己決定-自殺対策のための戦略研究における考察」(国立精神・神経センター精神保健研究所)
・・「尊厳死」「積極的安楽死」との相異、刑法第202条、自殺時の精神疾患状態は真に自由な「死の自己決定」ができない・・

その他の演題として、「認知症患者の自己決定権の問題」「現代青年の死に対する意識調査」「SOCと死生観の関係」「音楽療法の生死への影響」「尾崎豊の死生観」「死の恐怖により誘発された短期精神病障害」「医学教育における死生学カリキュラム」「スピリチュアル・アセスメント」「終末期在宅医療の報告」・・・

この学会では、思い掛けない出逢いが幾つかあった。こうした共感する世界において、いろいろな不可思議な縁が起こり、そして人生が繋がり絡み合っていくのか・・静かな感動を覚えた学会であった。

 

 

 



 

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2006.09.26 23:15 |  診療  |  研究  |  映画 / 音楽 / 読書  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 0

広汎性発達障害と脳画像

今ここにひとつの「事実」がある・・
「コミュニケーション障害や知的障害の混在する広汎性発達障害(PDD)において、脳画像MRIの詳細な機能的読影により、脳病態の把握はもちろん、臨床症状の推定までも可能である」・・
このことが、多くのPDD症例の臨床所見および画像所見の統計解析から、客観的事実として、最近明らかになってきた。従来の脳画像報告では、画像所見と臨床症状の一致性がなく、ましてや脳病態の把握は全く不可能であったのが・・

先日、ある自主シンポジウムにて、その報告がなされた。
「コミュニケーション障害(Cサイン)と知的障害(Iサイン)の共存:海馬回旋遅滞症の脳画像MRIとの高い相関性」・・・PDD症例全例において、扁桃体・嗅内皮質 and/or 海馬・海馬傍回・側頭葉に脳画像所見が認められた。更には、扁桃体・嗅内皮質の脳画像所見とコミュニケーション障害、海馬・海馬傍回・側頭葉の脳画像所見と知的障害に関しても、高い相関(97%以上)が認められた・・・
 日本特殊教育学会:群馬大学、2006年9月16日-18日
  自主シンポジウム:主催(株)脳の学校 脳環境研究部門

一枚の脳画像MRIから、詳細な機能的読影によって、実に多くの脳情報が得られるという。また、その脳情報は、医療や教育支援に、まさに最適かつ必須の個人情報たり得る。
広汎性発達障害においても、各症例の脳病態はその程度や経過が異なるため、脳画像機能読影による各症例の詳細な脳病態把握によって初めて、各症例に最適な脳へのアプローチ(医療や教育支援)が可能となると考えられないか・・

参考書籍:「脳と障害児教育」 加藤俊徳、坂口しおり編著、ジアース教育新社
 

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2006.07.04 22:00 |  診療  |  生活 / くらし  |  映画 / 音楽 / 読書  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

明治生まれの人

以前、療養型病院に勤務していた時のこと。明治生まれの女性の方。確か末期癌で寝たきりで、あまりご家族の方もいらしてなかったか。一人寂しそうに横になってたから、「何かして差し上げることありませんか?」って尋ねてみた。そしたら、か細く優しい声で、しかしはっきりと、こう話された。

「他人様(ひとさま)に迷惑かけられないから、いいです・・・」、と。微笑みながら。

一瞬、時が止まった。その光景は今でも心に焼き付いている。何とかしてくれ、何かしてくれ、って不満や愚痴を言っても許される状況なのに、その方は・・・。今では聞かれない様なその言葉、その心。

「・・すべてがわれわれのところよりも、こぢんまりと優雅にできている世界、ー小柄で、見るも優しそうな人々が、幸福を祈るがごとく、そろって微笑みかけてくる世界ーあらゆる動きがゆったりと穏やかで、声をひそめて語る世界ー土地も人も空も、これまでよそで見て知っていたとは似ても似つかぬ世界ーそんな世界にいきなり身を置くとき、イギリスの昔話ではぐくまれた想像力の持ち主なら、昔見た妖精の国の夢がとうとう現実になったと思うのも無理はない。・・」

「・・これほど温和で親切な顔を私はいまだかつて見たことがない。そしてこれらの顔はそのまま彼らの魂を表している。私はまだ怒った声を聞いたこともなければ、不親切な行為を目にしたこともない。・・」

これは明治時代、日本を訪れたラフカディオ・ハーンが見て感じた日本の姿。ちょっと前までは残っていた日本人の姿。

「神々の国の首都」小泉八雲(講談社学術文庫)より

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2006.07.02 15:30 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  生活 / くらし  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

超高齢化社会

先日、ある学会で厚生労働省老健局計画課認知症対策推進室の方のお話を聴く機会がありました。テーマは「これからの認知症の方向性について」。ご存知の内容もあるかと思いますが、その一部をご紹介します。

10年後2015年は超高齢化社会の入り口、その後2030年まで高齢化が増加。現在認知症高齢者は170万人、10年後に250万人、30年後には350万人に。
認知症ケアモデルとして、関係性のケア(人・居住)を重視、その為地域密着型サービスの創設。地域包括支援サンターを中心に、地域医療としては、「認知症サポート医」が連携のパイプ役となり、かかりつけ医への研修指導を行う。一般の人においては、「認知症を知り、地域を作る10カ年」に向けての学習会開催、キャラバンメイト研修を受けた「認知サポーター」の養成(現在3万人、5年後には100万人へ) 等々・・

素晴らしい(?)モデル事業をいくつも提示されていましたが、人材・財源・現実性・有効性など、現場はどこまで対応可能なことなのか・・

 NPO「自殺対策支援センターライフリンク」(代表 清水康之氏)によると、「介護疲れで高齢者が妻を殺して自殺」といった事件が何度も繰り返されている、と。(読売新聞、6月20日)

また高齢者の喪失体験によるうつ病発症の増加。これがさらに自殺を促す・・

認知症もうつ病も、さらには自殺問題も、こうして複雑に絡み合っている。そして突き詰めて言えば、「脳を生涯生き生きと活性化できるか?」に掛かっている。脳情報を個人レベルで知り得、それを生活に生かせる具体的支援にどこまでできるかに・・

 

 

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2006.06.24 08:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  Doctor Aki  | 推薦数 : 1

衆議院本会議を傍聴する

先日、思いがけず、衆議院本会議を傍聴する機会がありました。
それは確か、本会議も最終日に近い「自殺対策基本法」などが議決された日。

2階の傍聴席から、本会議の状況をじっと見つめていました。
ああ、この場でこの国の重要なことが決まっていくのか、と・・・

本会議の後で、傍聴に来られた自殺者遺族の方と少々お話する機会がありました。遺族の方々の思いは、
「社会的な要因で追い詰められた末の自殺は、
 心の問題からの対策のみでは救えない・・・」と。

「脳は外界からの刺激を受けて活動しています。
 だから脳から考えてみても、社会環境も自然環境も、
 脳の環境として、とても重要だと思いますよ・・・」
このことに、遺族の方々は深く共感されていました。

今回成立した「自殺対策基本法」とは、
「社会的な要因で追い詰められた末の自殺は、社会的な対策を講じることで防ぐことができる」を基本的立場としています。
これは言い換えれば、「脳の環境を整えること」にも繋がりませんか?

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