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第12回日本臨床死生学会(11月25日・26日、尚美学園大学大学院、埼玉県川越市)に参加した。
この学会の設立趣旨は、臨床の場における生死をめぐる全人的問題を、メンタルヘルスの観点から学際的かつ学術的に研究・実践・教育することで、医療の向上に寄与する・・
事務局は、東京医科大学メンタルヘルス科にある。
具体的テーマとしては、ターミナルケア(緩和ケア・告知の問題)、自殺の問題、脳死の問題、老化・死をめぐる問題、医療従事者における死生学教育、死に関する社会的問題などなど・・・考えるべきテーマは限りなくある。
今回の学会テーマは「自己決定権を考える」・・その中で幾つか演題をご紹介したい。
「自殺における死の自己決定-自殺対策のための戦略研究における考察」(国立精神・神経センター精神保健研究所)
・・「尊厳死」「積極的安楽死」との相異、刑法第202条、自殺時の精神疾患状態は真に自由な「死の自己決定」ができない・・
その他の演題として、「認知症患者の自己決定権の問題」「現代青年の死に対する意識調査」「SOCと死生観の関係」「音楽療法の生死への影響」「尾崎豊の死生観」「死の恐怖により誘発された短期精神病障害」「医学教育における死生学カリキュラム」「スピリチュアル・アセスメント」「終末期在宅医療の報告」・・・
この学会では、思い掛けない出逢いが幾つかあった。こうした共感する世界において、いろいろな不可思議な縁が起こり、そして人生が繋がり絡み合っていくのか・・静かな感動を覚えた学会であった。
「自殺」関連のTV番組をご紹介したい・・
【ETVワイドともにいきる】
「自殺」と向き合う遺族・未遂者の声に耳を傾けます」
教育テレビ 11月25日(土)午後8:00~10:00
出演:
清水康之(NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表)
本橋豊(秋田大学医学部公衆衛生学教授)
石蔵文信(大阪大学保健学科助教授)
禧久孝一(奄美市職員)
江川紹子(ジャーナリスト)
姜尚中(政治学者、東京大学大学院教授、「自殺対策の法制化を求める3万人署名」賛同者) ほか
大切な人を自殺で亡くした遺族、自殺未遂の経験者・・そうした身近で自殺を体験した人達をスタジオに招いて、その声に耳を傾け語り合う2時間の番組である。
自殺しなくてもよい「生き心地のよい社会」への道筋を求めて・・
ライフリンクの清水代表は、「限られた時間のなかで、何とか自殺対策の必要性を伝えなければと思った・・」と後に語っている。
そうした方々の熱き思いを、是非見て感じてほしい・・
先日、ベネッセコーポレーション東京事業所の方からお話を聞く機会があった。その方は、大学受験情報の仕事の傍ら、面接官もされているそうだ。だから、大学の先生をはじめ企業の人事担当の方とも情報交換をする機会があるらしい。そうした中から得られた「現代の学生」の実態を、いろいろお話して下さった。
その中から、「う~ん!」「えっ?」「だろうなぁ~」と感じたことを幾つか・・
某有名国立大学の先生方と話したことがあったそうだ。その際に「・・世間では、大学生の学力が低下していると言われてますが、そちらの大学ではどうですか?」と率直に質問したそうだ。
その答えは・・「さすがに、うちくらいのレベルの大学では、基礎的学力の低下はないと思います」とのこと。しかし!あることに対して、全学部に共通で、大学全体として“危機感”を持っていることがあると言う。それは何かと言うと・・
「いったい何が学びたいのか、はっきりしてない学生が年々増えてきています!大学に入ってからの研究などにおける伸びがない・・」
大学全体の“危機感”であるから、かなり深刻な状況なのであろう。意欲・関心の持てない研究成果は、大学にとっても、そして学生自身にとっても厳しいだろうね・・
全国の高校へ進路・受験に関する講演を、15年間に毎年50回くらいなさってきたそうだ。そして毎回聴講している高校生に対して、決まった2つの質問をしてきたという。
その質問とは、1)新聞を毎日読むか?2)マンガ以外の本を定期的に読んでいるか?
その結果だが、この数年前から、この質問にイエスと答える生徒が明らかに減っているという!進学校においてさえも、ほんの僅かの生徒しか新聞や本を読んでないという事実。
のんびりとゆったりと新聞や本を読み、それを自分の心のなかで思索熟考する時間や心の余裕が、ますます少なくなっているのが現状・・
あれっ?確か5年前から、学校週5日制や授業内容3割削減を始めて、「ゆとりの教育」を実施し、「生きる力」を身に付けさせたのではなかったの?
先日、友人から誘われて、T市立総合体育館トレーニングルームを初めて利用してみた。専属トレーナーから初回講習を受け、さて・・
医学生の頃は、硬式テニスに情熱を注ぎ、東医体ではベスト8まで勝ち進んだこともあったが、その後は、スポーツからは離れてしまっていた。唯一、真向法で日々の柔軟体操は続けているが・・
結構、T市は体育施設や図書館などの公共施設が充実していて、このトレーニングルームにも、USA製のマシンがいろいろ設置してある。有酸素系マシン(ランニング、バイク等)、ウエイトマシン(上肢、下肢、体幹用各数種類ずつ)、ダンベル、マッサージ機、等々・・
トレーナーや友人から指導を受けながら、マシンに付いてある説明図(どこの筋肉が強化されるか等)を見ながら、何とか全部のマシンでトレーニングができた。
日頃使ってない筋肉が使われて、確かに軽い全身の筋肉痛はあるものの、何と言うか・・・とても心地よい感じ!日頃忘れていた生命力・生命感覚が目覚めたというか・・
最後に、専属トレーナーの指導で、ストレッチングを30分程した。運動と呼吸を連動させることで、確かに、体に快いエネルギーが流れた!仰向けなってのストレッチなどは、このまま寝てしまいたくなるほどの快感であった・・
私にとってまたひとつ、“生命の神秘さ”を感じられる新しい世界が開けてきたかな・・この出逢いを与えてくれた友人に感謝!皆さんもお時間が許されたら、是非ちょっと試みては・・
「夜と霧」V・E・フランクル著・・強制収容所での極限状態における人間の生き様を、一被収容者として、また心理学者として克明に記してある。究極まで追い詰められた人間の赤裸々の姿・・
・・日々のパンのための、あるいはただ単に生き延びるための戦いは、熾烈を極めた。自身のためであれ、あるいは友情で結ばれたごく小さな集団のためであれ、とにかく我が身かわいさから、人は容赦なく戦った・・
・・仲間が何度も地べたに蹴り倒されていた・・眺める収容者は・・目を逸らしたりしない。無関心に、何も感じずに眺めていられる・・苦しむ人間・病人・瀕死の人間・死者・・これらは見慣れた光景になってしまい、心が麻痺してしまった・・
多くのごく平均的な被収容者は、こうして無関心・無気力・無感動となり、なりいきに任せてとことん堕落していった・・・しかし!だ。しかし、ごく少数の限られた人々であったが、外面的には破綻し、死すらも避けられない状況にあっても、本質的な領域つまり精神性に根ざす確乎とした自意識を持ち、人間としての崇高さに達したそうだ・・
ニーチェの的を得た格言を紹介している・・
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐えれる」と・・
どんな状況においても気高く生き抜く力を、本来「人間」は内在しているということ。「人間」は誰でもそうした素晴らしい可能性を持っているということ。それには、なぜ生きるのか、なぜ存在しているのか、を知ること。
これをひとりひとり見つけることが、根本的な自殺対策ではないか、と私は思う・・
参考書籍:「夜と霧」新版 V・E・フランクル著(みすず書房)
ずっと気になっていることがある・・
それは、21世紀COEプログラムセミナー「大気中の酸素が減っている!-生命惑星・地球の環境-」(2005年12月21日、東京工業大学)を聴講したときからだ。
講師は吉田尚弘先生。東京工業大学大学院・総合理工学研究科・フロンティア創造センター教授であり、米国地球物理連合関連の専門誌の編集長もされている。
そのセミナーの要旨を、吉田先生の文献内容も参考にして、以下ご紹介する・・
・・地球の大気中に含まれる酸素濃度は、オゾン層が形成された4億5千年前から21%を保ち続けてきた。地球上の生命もこの酸素濃度に適応すべく進化を続けてきた・・
・・非常にショッキングな話しだが、学生達と一緒に行っている調査で、二酸化炭素が1年に2~3ppmずつ増えているのに対し、酸素は2~3ppmずつ減少していることがわかった・・
そして大気酸素濃度が季節変動を伴いながら、年々減少している実測データを見せてくれた。その衝撃的な図が、以下のサイトの下図である・・http://tgr.geophys.tohoku.ac.jp/index.php?option=com_content&task=view&id=44&Itemid=63
この割合で酸素が減少した場合、何年で酸欠状態(大気中酸素濃度18%以下)になるかを計算すると、約1万年後には、酸素ボンベなしでは人類は生きられない状態になるそうだ!そして7万年後には大気酸素濃度が0%になる・・
そして今問題なのは、車・工場を初めとする化石燃料の燃焼などによって二酸化炭素が大気中に増えても、これまでは植物などが光合成で酸素に戻していたのが、今はもう戻しきれずにいる現実だ、と指摘された。つまり、地球環境システムが今は酸素減少に対応しきれてなく、本来の地球循環バランスがまさに崩れている・・
この「1万年後」を、遥か遠い将来と見るか、現在の切実な問題と見るか・・またはたして本当に1万年後か・・指数関数的に千年後百年後に加速されないとは言い切れない・・
いずれにせよ、今人類が向かっているベクトル方向は、生命にとって間違った方向であることは、決定的事実であろう。
吉田先生はこのようにも発言されている・・
「このまま酸素が減少していくと、地球生態系にも何らかの影響が出てくると思うし、そうなる前に何か手を打たなければいけない。一般の人たちにも地球環境に対し問題意識を持ってもらうために、酸素減少の事実を知らしめるべきだと私は考えている・・」
そして、このセミナーの中でもこう言われた・・「人はやってはいけないことをしている!」
竹内薫氏、東京大学理学部物理学科卒、マギ-ル大学大学院博士課程を修了され、サイエンスライターとして活躍されている。そして現在、TV番組「NEWS ZERO」で毎週火曜日の科学キャスターもされている。海外生活・留学も長く、そのバイリンガルを生かした海外の科学情報にも詳しい。
私にとっては、物理学の恩師でもある。物理学とは、物質から世界の本質を探究しようとする学問。竹内氏からは、量子力学を初め、相対性理論や最新の虚時間宇宙やループ量子重力理論などを、まずイメージから分かりやすく講義して頂いた。確実に私の世界が広がり深まった・・
先日、来日中のジェームズ・ラブロック博士に、竹内氏が直接お会いしてお話を伺ったそうだ。その記事が、日経新聞(11/1)に、ラブロック博士の著書「ガイアの復讐」の紹介と共に載っている。その記事の中から一部を・・
ガイアとは、「生きている地球」のこと・・大地と大気と生き物は、「共生」することにより、ガイアを適温にし、大気組成を調整してきた・・人類は、共生をぶち壊しにし、今やガイヤは瀕死の状態に陥ってしまった・・原子力に頼らなければ、人類は恐ろしい結末を迎えるであろう・・
世界気象機関(WMO)は3日、地球温暖化の原因となる温室効果ガスに関する報告書を発表した。それによると、2005年の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度は観測史上最高値を更新したそうだ。
ラブロック博士は、著書「ガイアの復讐」の中で訴えている・・
・・それでも文明が化石燃料のせいで滅びるのを傍観していることは私にはできない。ゆえに私は、原子力がどれほど怖がられていても、必要な治療薬と考える・・
確かに「根治療法」は、現代の産業社会・生活のあり方の変換であろう。しかしそれは個人レベルの意識変換も要する。早急には実現が難しい・・
だから「対症療法」として、温暖化ガスを排出しない原子力しか、今はもうないと訴えるのであろう。
竹内氏も、地球は壊れかかっている・・と危機感を表している。「根治療法」のためにも、生きる意味・生活のあり方・死生観・世界観が、まさに今ひとりひとりに問われているのだろう。
ガイアが人間に、本当に最期の警告を発しているのかもしれない・・
参考書籍:「ガイアの復讐」ジェームズ・ラブロック著(中央公論新社)