| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
<質問>
最近子どもが起こした信じられないような事件が相次いでいます。わが子がそうなったらどうしようかと思ったら夜も寝られず「あたまがいたいです」。また今の成績だと先が思いやられます。どうすればわが子を頭がよくて優しくて強い子どもに育てることが出来るでしょうか?ちょっと欲張りですが。。
<回答>
自分の学生時代の成績を考えたら、子どもの今の成績もしかたないかとあきらめる必要はありません。知能は遺伝よりも育ち方で育まれます。知能指数の成績が世代ごとに約5程度上昇している現象のことをフリン現象といいますが、これは知能指数が純粋に遺伝的なものではなく、文化的な学習からも大きな影響を受けていることを示すものです。
学校の成績を必ず上げる方法というのがあれば、私のほうが知りたいくらいですが、子どもを勉強が好きな子にする方法はあります。それは国語の力をつけさせることです。
私たち人間はお母さんのお腹の中にいるときには『子宮の海』で、生まれてからは『言葉の海』の中で育ってきました。私たちは物事の記憶や判断そして想像力も含めてすべて言葉を使って知的な活動をしています。その意味では国語はすべての学問の基礎であり、人生の基礎であると言ってもいいと思います。
国語力をつけるためには「読書好き」になればいいです。「読書好き」になるためには「言葉好き」になればよいのです。ヒトの脳はヒトの声に最も反応するように出来ています。決してテレビやビデオから流れてくる声ではありません。テレビに子守をさせてはいけません。
「言葉好き」にするために一番大事なのは、言葉でわくわくするような体験をさせることです。それは絵本の読み聞かせです。お母さんの口から出てくる情緒豊かな語りと想像力を書き立てる絵とがあいまって、きっと子どもは知らない世界を垣間見せてくれる言葉の魔力に取り付かれるでしょう。
さて学校に通い始めたら絶対に守ってもらいたいことがあります。それは『早寝・早起き・朝ごはん』です。脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源です。血液中にブドウ糖が少なくなると、脳はうまく働いてくれません。寝ている間は食事をしていませんので、朝起きたときは血糖値が下がっていて、脳にとっては苦しい状態です。もし朝ごはんを食べないで学校に行けば、いくら先生からありがたい授業を受けても全く頭に入りません。朝ごはんは脳の最高のご褒美です。
脳の活動は起床後2時間経った辺りがピークになります。したがって授業開始時間の少なくとも2時間前に起きたほうが勉強のためには理想的です。早起きをするためには当たり前ですが早寝をすることです。早寝をするためにはとにかく早起きを始めることです。といいますのは体内時計は目が覚めたときにその14~15時間後に眠りに入るように準備をするからです。
食事の内容は「頭に悪い薬、頭に良い薬」のところで述べましたように、『マゴワヤサシイ』を基本にしてください。
現代は知識があるだけではあまり社会では認められません。それは知識はインターネットを検索すれば何処までも詳しい情報が得られるからです。現代で求められている能力はコンピュータに出来ない創造力です。
同じ研究所の同僚である茂木健一郎博士は「知っているんだけれど思い出せない状態」すなわち『ど忘れ』を大事にして欲しいと話しています。「ど忘れ」を思い出そうと努力しているフィーリングとなにか新しいことを頭から生み出してゆこうと努力しているフィーリングとは同じであると説明しています。「わからないからもういいや」ではなく「もうちょっと考えてみよう」というわずかな差が、創造力を育む上で大きな差となってきます。
また大人も子どもの脳の成長をじっと待ってやる忍耐が必要です。能力の向上はちょうど石畳の階段のように、一見成長していないように見える時期があります。しかしこの時期に脳は配線を組みなおしているのです。配線が出来上がれば、すっと能力が向上します。
優しい子どもに育てるには自分に自信をもたせることです。自分に余裕があれば、他人にやさしくできます。『しかるは初心者、ほめるは有段者』という言葉がありますが、自信を持たせるためには叱るのではなくて、ほめて育てることが重要です。自信はすべての物事に対して持つ必要はありません。またそんなことはスーパーマンでないと出来ません。まず『一芸に秀でる』ことです。それが自信となって、他のことも積極的に挑戦しようと言う気力が出てきます。
一寸先は闇の世界です。「頭がよい」とはそのような不確実な世の中で「自分で問題の解決法を見つけて行動できる能力」のことを言います。簡単に言えば「自分で考えて行動する」ことです。未知の領域に踏み込むのは誰も不安です。しかしその不安を引き受けてくれる心の安全地帯があれば、未知の海に漕ぎ出すことが出来ます。考えるということはいわば人間の本能ですので、本当は誰でも得意なはずです。問題は考えることを厭わない勇気です。
第1次世界大戦後に有名な実験が行われました。戦争でたくさんの孤児が収容されました。愛情に飢えている孤児と愛情豊かに育てられた子どもの目の前に、いつも使っているおもちゃの笛と、見たことがないサキソフォンが置かれました。子どもたちはどちらに興味を示すかを見たものです。結果は孤児はいつも使っているおもちゃに、愛情豊かに育てられた子どもはサキソフォンに興味を示しました。このことからボルビーはヒトは心に安全地帯がないと新しいことに挑戦できないと主張しました。結局頭のよい子を育てるためには一見遠回りのように見えますが、たっぷりと愛情を注ぐことです。子育てに重要なのはテクニックではなくて愛情です。
自分の愛情は本当に伝わっているのか不安なお母さんも多いと思います。数年前に大変に評判の良かったCMが流されました。それは公共広告機構の「抱きしめる、という会話」というものです。自分の子どもなのに愛し方が分からない。まず、子どもを抱きしめてあげてください。と訴えるCMは多くの共感を得ました。
脳と皮膚は同じ細胞から生まれた双子です。脳は皮膚を通して外界を理解しています。他人に実態のない「思い」を伝えることが難しいことであることは恋をしたことがある方なら分かると思います。スキンシップで愛情を伝えると言うのは最も基本的な幼児教育です。
最近の子どもが起こした事件を見ると、ささいなことでキレて大変なことをしてしまうことが多いようです。子どもはなぜキレるのか、その理由は昔行っていたロボトミーという手術後の患者さんから推測できます。ロボトミーとは物事を考える脳である前頭葉を病気の治療のために切除するものです。患者さんは術後、次のような症状が出てきます。現在と自己のみに関心が限られる。すぐヘラヘラする。社会性がない。批判を受け入れない。無遠慮で分別がない。感情反応は突発的で表面的。などなどです。これはまさにキレる子どもと一緒です。
私たちの脳は生きている脳(脳幹)、たくましく生きる脳(大脳辺縁系)そしてうまく・よく生きる脳(大脳皮質)の三つからなっています。本能むき出しの大脳辺縁系を大脳皮質がコントロールしながら、具体的行動を取っています。この具体的行動は大脳辺縁系と大脳皮質が連携をとりながら作られてゆきます。その時に重要なのは本物の体験をすることです。具体的な行動のプログラムは具体的な情報を元にしないと正しいものにならないからです。
しかし現代の情報は、テレビから与えられるものが多く、それらは本物ではなくて仮想(バーチャル)です。バーチャルな世界はいわばゲームのようなもので、相手の実態がつかめませんので、痛みなどは実感できません。そのような中で育ってしまうと、自分の本能に突き動かされて相手のことを考えずに突拍子もないことをしてしまうことになりかねません。
これを防ぐためには子どもに本物を見せることです。触れさせることです。本物の感覚をもとに出来上がった脳はどんな状況でも頑健な行動が出来るように出来上がります。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
首を絞めるというのは、推理小説で犯人がよく使う手段ですが、なぜ首を絞められるだけで人は死んでしまうのでしょうか? それは脳が常に大量の酸素と栄養を必要とする大食漢だからです。脳は約1400グラムですから、体重60キロの人でわずかに2.3%を占めるに過ぎません。しかし必要とする酸素と栄養の量は体の他の部分に比べて5から10倍にもなります。
首を絞めて首の血管が圧迫され、脳にゆく血液の量が少なくなると、とたんに酸索と栄養が不足し意識がなくなります。このように脳にとって酸素と栄養を運んでくれる血管はまさに命綱なのです。
そのために脳の表面には細い血管が、あたかも葉っぱの裏にある葉脈のように張り巡らされています。従って血管が傷んでしまうような病気。例えば高血圧や糖尿病などで動脈硬化がすすんでしまうと、脳の血管が細くなって脳梗塞になったり、血管の壁がもろくなって脳出血を起こしてしまうのです。脳の病気になりたくなかったらこれらを予防ないしは治療することです。
脳を壊す恐ろしい生活習慣といえば、ずばりタバコです。 25才から脳の老化が始まると言いましたが、 25才から一日に神経細胞が約10万個死ぬといわれています。しかしもともと神経細胞の数は140億個と多いので、一生で数パーセントしか死にません。しかも全体の8割以上は使っていないのですから、普通はあまり影響が出ないはずです。
しかしタバコを吸うと一日に死ぬ神経細胞数が5から10倍にもなります。これでは働いている神経細胞も死んでしまいます。
脳の老化を防ぐためには一日も早く禁煙をしなくてはなりません。禁煙は3日では全く効果がありません。肺に溜まったニコチン、タールが血液の中に溶けこんできますので、それが消えてしまうためには少なくとも2年くらい要すると考えられています。
頭の血の流れを良くする薬も、タバコを吸われると全く効果が無くなってしまいます。 タバコを止めてくれれば医者の薬はいらないくらいです。禁煙はタバコ代と薬代とを節約できる一挙両得の策です。
タバコを吸う人の反論として「タバコを吸うと頭がすっきりして物が考えやすくなる」というものがあります。 しかしこれはイライラする禁断症状が緩和されて落ち着くだけで、脳の働きは確実に落ちていることが多くの実験結果より明らかにされています。
また最近タバコを吸っている人に痴呆やパーキンソン病の人が少ないという報告がでましたが、タバコを吸っている人は肺癌・喉頭癌、心筋梗塞そして脳卒中などの重大な病気で死亡して、痴呆やパーキンソン病にかかる年令まで生存していないだけなのです。ある研究ではタバコ1本で寿命が15分縮まる計算になるようです。
「医者もタバコを吸っているではないか」という反論もあります。恥ずかしながら、日本の医療従事者の喫煙率は世界のトップクラスです。私も学生時代に喫煙していましたが、肺癌の講義をしてくれた先生の情熱あふれる説得でやめることができ、大変感謝しています。タバコの害を本当に理解する努力が医者の側にも必要でしょう。
また「体に悪いといっても自分が納得して吸っているのだし、周りに迷惑を掛けていないのだから関係ない」という反論があります。
イギリスで離婚裁判がありました。奥さんが自分が癌になると嫌なので、主人にタバコを止めるように言いました。しかし主人は止めてくれないので、自分の健康が心配だから離婚したいと訴えたのでした。結果は奥さんの勝訴で、離婚が認められました。その理由は本人がタバコを吸わなくても、その人が吐き出したタバコの煙を吸っているだけで、肺癌に羅る確率が4から5倍の頻度になることが医学的に証明されたからです。
ですからタバコを吸いたければ家の外で吸わせて下さい。雨が降ろうが、風が吹こうが泣いても吸い終わるまでは家に入れてはいけません。
最近私が最も危慎するのは、わが国の女性の喫煙率の増加が先進国の中でトップであるということです。信じられないことに妊婦さんがタバコを吸ったり、小さい子供の前で平気で煙を吐き出している人がいることです。今でも不用意に置いていたタバコ1本を、幼児が誤って食べて死亡するケースがあります。 子供はタバコに関しては、大人の10倍から20倍感受性が高いと言うことを覚えておいて下さい。子供の脳の発育を止めるもののトップもタバコなのです。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
それでは脳の再生を促すものはどのようなものでしょうか?
ねずみを何もないかごの中で飼ったグループとくるくる回転して運動ができるおもちゃを入れたかごで飼ったグループで、神経幹細胞の数を比較した研究があります。その結果は運動をしたグループの方が神経幹細胞の数が多いというものでした。人間は植物ではなく動物ですので、動くことで脳が生き生きとします。体力を保つために運動されている方が多いと思いますが、運動は体よりも脳を鍛えるものだったのです。
神経幹細胞は脳全体に存在していますが、2ヶ所だけ非常に強く再生している場所があります。それは前頭葉と海馬です。前頭葉は額のところにある脳で、物事を考えているところです。お猿さんと人間の脳で一番違っているところです。海馬は脳の底のほうにあり、記憶をコントロールする中枢です。この前頭葉と海馬を鍛えることができれば、脳の再生のスピードが上がるのではないかと期待されます。
『考える』と『覚える』という行為を一緒にすることを漢字2字で書くと何になるでしょう。それは『学習』です。私たちは人よりもいい生活をしようとか、他人よりえらそうにするために学習するのではありません。それは自分の脳を日々よい方向に作り変えるためだったのです。
「運動はだるいし、ましてや勉強なんてとんでもない」という方は最後の手段があります。 これもねずみの実験ですが、ねずみに猫の鳴き声を聞かせたり、水の中に沈めたりして精神的ストレスを与えると、次第に動かないウツウツとしたねずみになります。ある研究者がこのねずみにうつ病を治す薬を与えてみたところ、イキイキとしたねずみになりました。ウツウツねずみとイキイキねずみの神経幹細胞の数を比較するとイキイキねずみの方が何倍も数が多いことがわかりました。 このことからイキイキとした充実した人生が、脳を再生する大きな原動力となることが推測されます。
脳の再生を促す方法は以上述べましたように、運動・学習そしてイキイキ人生でしたが、試験でもないとなかなか覚えられません。そこで語呂合わせを考えました。
「ウ」動いて
「マ」学んで
「イ」イキイキ 人生
これが脳を再生するウマイ生き方です。
知能は遺伝かあるいは環境かという議論が医学界で続いていますが、私は環境とくに自分の生き方に大きく影響されると考えています。
脳は日々再生されていますが、ちょっと油断すると一気に老化してゆきます。毎日のこつこつとした努力を続けていれば、遅々とした歩みかも知れませんが、脳はよりいいものに生まれ変わってゆきます。
『大器晩成』こそが正しい脳の育て方です。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
人間は「万物の霊長」などと偉ぶっていますが、実は哺乳類の中で最も特徴がない動物と言われているのをご存じでしょうか?
例えばご主人のへそくりなんか、すぐに嗅ぎわけてしまう奥さんがいても、犬にはかないません。 どんなにスポーツ万能な人でも、天井から逆さまに落とされたら大怪我をします。しかし猫はきれいに着地します。100メートルを10秒以下で走ることが出来ても、チー夕ーには負けます。首がすらっと長いと自慢してもキリンに負けるし、鼻が高いといっても象に負けるわけです。
そんなふうに見てゆきますと、全く人間にはこれといった特徴がありません。しかしなぜこんなにすごい文明社会を築くことが出来たのでしょうか?それは他の動物よりも脳を発達させ、脳を使ってきたからなのです。古代の人類は何も特徴がない体で生きてゆくには、頭を使う以外ないと判断したのでしょう。人類は脳を発達させ、知恵を付け、頭を使うことによって厳しい生存競争に打ち勝ってきたと考えられます。
それでは次に古代の人類と現代の人類とで、脳がどのように発達しできたのか比較してみましょう。最も古いアウストラロピテクス(約540万年~150万年前)の脳の重さは500グラムでした。時代が経って次に現れたジャワ原人(約50万年前)は900グラムの脳を持っていました。更に新しく出現した我々に最も近いネアンデルタール人(約20万年~3万年前)は1600グラムです。順調に大きくなっていますね。
これからすると現代人はどれくらいの重さの脳を持っていると思われますか?実は平均1400グラムなんです。むしろ小さくなっているのです。その理由は物質としての脳の発達は20万年前で完成したと言うことではないでしょうか?コンピュータに例えるとコンピュータ本体はその時点で完成し、後は人類はそのコンピュータで使うプログラムを開発してきたのではないかと思います。なぜならプログラムのないコンピュータはガソリンのない車と同じで動かないからです。
親が苦労して作ったプログラムを子孫に渡し、子孫はそれを元に改良したり新しい物を作っては更に子孫に渡し、そして・ ・ ・。というように長い年月、次々とバトンタッチしてきたわけです。このバトンタッチを別の言葉で表現すれば『勉強』と言います。私にも経験がありますが、中学生・高校生の頃「こんなことを勉強して将来何の役に立つのか」と反抗したことがありました。
実は勉強すると言うことは親や先生にほめられるためではなく、他人に自慢するためでもなく、ましてや他人を蹴落とすためでもありません。それは『現代人という人間』になるために過去の人類の遺産を学ぶためなんです。学ぶことを止めた人は、進化がそこでストップしてしまいます。 生涯学び続ける方は現時点で最も進化した人類と言うことができます。でもわが子にバトンを渡すことがこんなに難しいとは。。。(笑)
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
小さい子どもははっきりと自分のことを伝えられない場合が多いので、こともが頭痛を訴えたときは、親は自分のこと以上に心配になります。
子どもの頭痛の大部分は片頭痛です。親が頭痛もちの場合は子どもに遺伝しますので、『早寝・早起き・朝ごはん』の規則正しい生活で片頭痛を予防してやることが大切です。ただし同じ片頭痛でも大人のそれとは大きく違っています。
まず大人の片頭痛は女性に圧倒的に多いのですが、12才未満の小児に限って言えば男児に多いのです。女の子は思春期以後は女性ホルモンの影響で片頭痛が急激に増えてきます。
一般に4~5才から始まるといわれていますが、それより小さい子供はうまく頭痛を訴えられないだけかもしれません。
大人の片頭痛よりも突然に起こり、比較的早く頭痛が消失します。前兆は空想的な映像が現れたり、物がゆがんで見えたり、ものが小さく見えたり大きく見えたりします。
1才未満の子供が突然泣き出すといういわゆる「疳(かん)の虫」は片頭痛の可能性があると考えられています。
子どもの片頭痛の約2割は成人になるまでに消失しますが、その他の子どもたちは大人の片頭痛になってゆきます。
子どもの頭痛のほとんどは片頭痛ですから、朝に頭痛を訴えることがほとんどです。登校前に「頭がいたい」といいますので、「学校をいやがって、ずるやすみをしている」と親が思いがちです。特にお母さんが片頭痛の時には、まず子供の頭痛が片頭痛ではないかと考えることが大事です。頭痛の続く時間はせいぜい2~3時間で、午前中のうちに良くなることが多く、頭痛がなくなったらケロッとして遊んでいます。
大人はすぐに精神的な問題点がないかどうか探そうとしますが、片頭痛の可能性が高い場合は、大人が過常に反応しないことが大切です。
また大人の片頭痛と違って、右とか左とかに頭痛が偏っていません。頭痛の前兆も出ないことが多いので、突然に頭痛を訴えることになります。また痛みはあまり拍動感がなくて、持続性の頭痛であることが多いようです。
嘔吐やめまい感が大人に比べてより強く出やすいので、頭ではなくて「おなかが痛い」と訴えることがあります。
幸いなことにアセトアミノフェンが有効です。アスピリンは飲ませなで下さい。ライ症候群という恐ろしい病気になる可能性があります。痛み止めの使用は完全に痛みが取れることを目標にするのではなく、何とか学校に行ける程度でよいです。薬で落ち着いたり、もともと頭痛がそれほどひどくないときは積極的に学校に行かせてください。学校へ行くことによって精神的緊張が高まり、頭痛が消えるのが早くなります。これは大人で「気合を入れる」のと同じ理屈です。
片頭痛以外で注意する必要がある子どもの病気は髄膜炎、脳腫瘍、起立性低血圧症があげられます。まず風邪を引いてから高熱が引かずに、頭痛を強く訴えるときは髄膜炎の可能性があります。朝方の頭痛がかなり長期間続くときは脳腫瘍の可能性を考えなくてはいけません。脳腫瘍のお子さんでは頭痛以外に他の症状が現れていることが多いようです。私が経験した患者さんでは、「最近かけっこの時につまずくことが多くなった」「テレビを近くで見るようになった」「右手をあまり使わなくなった」などの症状がありました。
自律神経の調節機能に問題があると立ちくらみや失神などの脳貧血症状をおこす「起立性低血圧」の可能性があります。約8割の子どもが同時に頭痛を訴えます。
心配なことがありましたら、悩むことなく病院を受診してください。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
子育てで脳の密度が高くなる
本年(2006年)4月の『日経サイエンス』に大変に興味深い特集が出ました。それは『子育てで賢くなる母の脳』というものでした。子育てをしていないネズミと子育てをしているネズミの脳を比べてみると、子育てをしているネズミはそうでないネズミに比べて、神経細胞の数も多いし、神経突起が作るネットワークの複雑さも圧倒的に複雑になります。
子育てでよい行動が取れるようになる
具体的な行動としても母親の脳が賢くなることが証明されています。ネズミに餌を探させる実験があります。特定の場所に餌を置いておきますと、母親ネズミはその場所を覚えていますが、未婚ネズミは毎回すべての場所を探し回ります。
肝っ玉母さん
ネズミは高いところが大嫌いです。ですからがけにネズミを置いてやると、子育てをしていないネズミは怖くてじっとしています。ところが母親ネズミは怖がらすにがけを走り回ります。簡単に言えば、肝っ玉母さんです。
育児は育自
賢くなる上に、肝っ玉が座るのです。したがって、母親の脳は子育てをすることで賢くなります。子どもを育てているようですが、同時に自分も育てているということですね。子どもが生まれる前は楽しい自分だけ、夫婦だけの時間があったのに子育てに時間がとられるのは損をしたような気持ちになるかもしれませんが、脳から見ると大変に得なことをしています。
旦那が子どもっぽく見えてくる
結婚をしたときは同じ知的レベルですが、子供を産んで子供を育てるとお母さんのほうがどんどん知能がアップしてゆきます。そうするとどうなるでしょう。父親が、ご主人がいつまで経っても子供に見えてくるわけです。「私の家にはもう一人大きな子供がいるの」というお母さんが多いですが、それは旦那が子供っぽく見えるためですね。このときに離婚の危機も高くなります。しかしこれは旦那が悪いんじゃなくて、自分が高みに上がったためですから、旦那はかわいそうにと哀れむ気持ちで暖かく抱擁してあげてください。旦那も子育てくらい真剣に集中して仕事に取り組めば、いいんでしょうかね。。。
これって、少子化防止に役立ちませんかね。。。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
私は2児の父親ですが、ほとんどのご家庭と同じで、育児は母親任せです。
しかし私の研究所にあの有名な茂木健一郎さんがいて、同じところで働いているので私も脳科学の専門家だろうと、世の中の方は勝手に誤解していただいております。確かに本物の脳は手術でたくさん見てきましたが、脳の働きについては一般的な知識しかありません。
それでも子育てに悩んでおられる方が多く、PTAなどの知り合いから「子供の脳の発達」について講演を依頼されることが多くなりました。
子育てはこうすればOKというものはないのですが、脳科学あるいは医学の知識から最大公約数的に正しいと思われることはあります。
これから何回かに分けて先日ある高校のPTAでさせていただいた講演を載せさせていただきます。ご期待下さい。掲載に当たって一つだけお願いしたいことがあります。それは「ではお前の子どもはどうなんだ」というコメントだけはお許し下さい。^^; お互い様ということでご了承下さい。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)