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2012.02.05 22:16 |  生活 / くらし  |  映画 / 音楽 / 読書  |  心理  |  yuka_tetsuya  | 推薦数 : 2

セミナー

 大学生のサークルで、「だれもいないからおまえがやれ!」と脳をテーマとしたセミナーを引き受けたのがセミナー講師の始まりであった。一般人の聴衆の中に脳科学の専門家がいて、高度な質問にたじたじとした。それ以降、徹底的に調べ物をしてから望むようになった。
 交通事故による大渋滞に巻き込まれて会場に1時間遅刻したことがあった。主催者はビデオを4本も流して、参加者をつなぎ止めてくれていた。冷や汗をかきながら、何とか盛り上げようと必死のセミナーとなった。それ以降、最低1時間前に到着するように心がけた。
 セミナーの主催者側になったことがある。友人にセミナー講師になってもらった。開始5分前にようやく友人が現れたとき、喜びよりも怒りが先に立ってしまった。講師が来なければすべてがぶちこわしである。それ以降、幹事さんとはこまめに連絡を取りあうようにした。
 セミナー終了後、質問会を開催した。「この薬を飲むと調子が悪いのですが。。。」などのプライベートな質問が相次ぎ、場がしらけてしまった。そう言う人に限って何度も質問をしてくる。それ以降、質問会はすべてやめにした。演題を片付けている間に質問を個人的に対応するようにした。
 日曜日の午前と午後に同じ演題を違う場所でセミナーを行った。2回目のモチベーションが下がって、史上最低のセミナーとなった。緊張感がゆるんで、何度も言い間違えをした。それ以降、同じテーマでも必ず違った角度から話しをするようになった。
 呼び出しまで、会場の裾に待機していた。慌てて登壇しつまずいてしまった。その日のセミナーは失敗した。それ以降、20分前には会場に入り、参加者お一人お一人の顔を見るようにした。そうすると不思議と自分も参加者のような気分となり、落ち着いて話ができるようになった。
 セミナーが終了して、立ちションをしていたら、隣の人が私を講師だと分からずに、「今日のセミナーおもしろかったけど、一つも頭に残っていないなあ」と話しかけた。途中で止まったことは言うまでもない。それ以降、お帰りの際に講演のポイントを書いたプリントを渡すようにした。
 スライドを使って見た目にもわかりやすいセミナーを心がけている。しかし本当は次に何を話したらよいかのカンニングペーパーである。故筑紫哲也のセミナーを聞いた。何も持たずに、ただひたすら聴衆に目を向けて話しかけた感動的なセミナーであった。まだこの芸術的領域に達していない。
 高橋真梨子の「ワンダフルナイトcinema」に『ラストシーンの鉄則は「生きること」、ラストシーンの鉄則は「泣き笑い」』というフレーズがある。確かにチャップリンの映画のラストシーンはそうなっている。人の記憶に残るのは最後の5分のみであるとの心理学の教えもある。
 1時間も座っていると、途中でどうしても眠くなる。ラストの前にできるだけおもしろい話題を用意しておき、最後に主題に即した体験談やビデオなどを紹介して終わるようにしている。紅潮した顔でハンカチで目頭を押さえてくれるご婦人がひとりでもいれば、セミナーは大成功である。

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