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脳を作る細胞があるのなら、それを治療に使えないかという発想が出てくるのは当然です。 すでに臨床応用の一歩手前まできているものは、末梢神経の損傷を神経幹細胞で直すというものがあります。正座していると足がしびれるのは足を動かしたり、足の感覚を司る末梢神経があるからですが、これが事故などで切断されると、治療が非常に困難でした。神経幹細胞は神経線維も作ることができますので、切れたところに神経幹細胞入りのチューブを置いておくと、自然に神経がつながります。
次に期待されているのは、脊髄損傷です。高いところから落ちたりして首の骨を折り、脊髄が傷つきますと、意識はしっかりしてても手足が全く動かないといった悲惨な状況になります。ねずみの背骨を取り、脊髄をハサミで切ると(本当に医者はひどいことをするものです)、足が動かなくなります。切った脊髄に神経幹細胞を植えておくと、脊髄が再生され、1から2ヵ月後にはピンピン歩き回ります。
パーキンソン病も研究が進んでいます。パーキンソン病で少なくなるドーパミンをたくさん作る細胞を自分の神経幹細胞から導き出し、それを自分の脳に植えるという研究です。
しかしこれまで述べた神経幹細胞の移植がヒトで本当にうまく行くためには少なくとも10年以上の時間が必要と思われます。それまで待てないという人、あるいは医療費の高騰でなるべく安く健康になりたいという欲張りな方には朗報があります。 それは自分で神経幹細胞を増やして治すという方法です。簡単に言えば、神経幹細胞を減らすことをできるだけしないで、神経幹細胞を増やすものをできるだけすればよいわけです。
神経幹細胞を減らしてしまうのは年齢・病気・怠惰な生活です。
神経幹細胞の元気は歳とともになくなって行きます。二つに増える能力が低下しますので、細胞の数も少なくなります。でも時をとめることはできません。ですから、歳を取れば取るほど脳を再生する努力を怠らないようにしなければなりません。
いくら脳が再生するからと言っても、脳の病気で一度に多くの神経細胞が失われたら、再生するまでにかなり長い時間を要します。やはり脳の病気は予防するに限ります。
またコタツでみかんを食べながら、一日中テレビをボーっと見ているような生活を送っていますと、脳を作り変えないといけないほどの必要性がないので、再生されません。
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