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 ヒトは食べ物を全くとらなくても1ヶ月は生きられますが、もし水も取らないということになれば1週間しか生きられません。それは特別に運動をしなくても水分が皮膚から1日600mlも失われ、吐き出す息の中に含まれる水分300mlと、便の中に含まれる水分の100mlをあわせると丁度1リットルが逃げていってしまうからです。また体の老廃物を尿として排出しなければ体に毒素がたまってしまいます。そのために尿は最低400ml作る必要があります。これらをあわせると1日に1300~1500mlの水分が失われるので、それを補わなくてはなりません。

 そのために私たちは毎日お水、お茶、コーヒーなどの飲み物と食べ物に含まれいている水分を補給しているのです。このように生きてゆくために必要な水分を取っているわけですが、その水分を取る時刻を工夫すると病気を防ぐことも出来るのです。

 ごく普通の水道水でも、あることをすれば『医者殺し』になります。昔から寝る前にお水を飲むと健康によいと言い伝えられていました。皆さんが健康になると誰も病院に来てくれないので、医者が食べるものがなくなって死んでしまうということから寝る前に飲むコップ一杯のお水のことを『医者殺し』と呼んだのだそうです。

 なぜ健康によいのでしょうか?その理由を例えば朝食を午前7時に、夕食を午後7時にとる人を例にお話しましょう。この人は午前7時から半日の間にごはんを朝、昼、夕の3回、その間に友達と会っては”ちょっとお茶”。午後3時にはメロドラマで泣きながらおせんべいをパリッ。実に多くの食べ物や水を胃袋の中に入れています。 まさに酒池肉林の世界です。しかし残りの半日すなわち午後7時から明朝の午前7時までの間は、ほとんど食べません。

 寝ている間に水分の補給が出来ないので、体がスルメのように干からびてきます。朝起きてお水をすぐに飲みたくなるのは、体が水分を欲しがっている証拠です。もし動脈硬化で血管が細くなっていたらどうなるでしょうか?もともと血の流れが悪いところに、ねばねばした血液はさらに通りにくくなり、ひどい場合は詰ってしまうかもしれません。それが脳に起これば脳梗塞に、心臓に起これば心筋梗塞になります。

 早朝の午前5時は『魔の時刻』と呼ばれています。この時間帯に脳梗塞、心筋梗塞、喘息など多くの病気が発生するからです。それはこの時間に副交感神経系から交感神経系にスイッチが入れ替わりますが、その時に血圧が高くなったり、いったん固まった血栓を溶かす働きも低下していることが関係しているといわれています。ここにさらにどろどろの血液が加わると、恐ろしいことになります。

 もし寝る前にコップ一杯のお水を飲むとどうなるでしょうか?最もどろどろしている時間が午前9時くらいに移動します。そうするともう酒池肉林が始まっていますので、『魔の時間』をうまく乗り切ることが出来ます。

 夜中にトイレに何回か行く方は、枕元にお水を置いておいて、トイレから布団に入るときに少しずつ飲むとさらに効果があります。日本医師会ではこの方式を推薦しています。昔の人は夜中に目が覚めたときにのどを潤すために枕元に水差しなどを置いていましたよね。これも日本人の知恵でしょうね。

 寝る前に飲む水はお茶でも水道水でも、スポーツドリンクでも何でもかまいませんが、お酒はだめです。お酒は水のようにさらさらしていますが、アルコールが体の水分を返って奪ってしまいます。お酒を飲んだ翌朝はやけにのどが乾くのはこのためです。 お酒は水分を取っているのではなく、水分を奪っているのです。これをいつも意識しておかないといけません。

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