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2006.08.02 09:28 |   |  yuka_tetsuya  | 推薦数 : 14

ゲームをする癌

 自分が住む環境はできるだけ過ごしやすいものにしたいと思うのは人の常です。しかし癌はそうは思わないようです。癌が生活している環境は、酸素が少なく、栄養が少なく、圧力が高いなど、深海の環境に似ています。しかしそんな中でも癌は無制限に増えてゆくのですからたいしたものです。
 それでは癌細胞をその環境から取り出して、酸素が多く、栄養が豊富で、圧力が高くない快適な環境においてやると、どうなるでしょうか?「やったー」とばかりに、爆発的に増殖しそうですね。ところが現実はびっくりすることにほとんど増えないのです。
 これはどういう訳でしょうか?それを『ゲーム理論』から説明しようとする研究があります。簡単に言えば、癌は大変に利己的で自分以外の細胞が増えないように、劣悪な環境をあえて作っていると考えます。そうするとそのような環境でも生き延びれるもののみが増えてゆきます。「出る杭は打たれる」・「足の引っ張り合い」という言葉がぴったりする状態になっていると考えるのです。
 このような環境で競争してゆくと、癌はどんどん強くなり、最後には抗癌剤にも耐えれるような力強さを持つようになるでしょう。これまでは癌細胞をより生存が難しい状況に置くことを目的とする治療法が開発されてきましたが、あえて癌細胞に快適な環境を作ってやるという逆転の発想も必要になってくるのではないかと思います。

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