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<セロトニンが引き金>
(A子)どうして頭痛の前に目の症状が出るのですか?
(医師)片頭痛は頭の血管の拡張により、血管の周りの神経が刺激されて起こる頭痛ですが、実は血管の拡張の前に血管が収縮するのです。これが目の症状の原因です。
まず最初に何らかの原因で血小板からセロトニンという物質が出てきます。蜂に刺されると転げまわるほどの痛みがありますが、これは同じセロトニンが起こす痛みです。
このセロトニンが血管を収縮させます。収縮する血管が視覚に関係する脳を栄養するところですと、先ほどの目の症状になります。
手足を動かす脳を栄養する血管に起こると手足の動きが悪くなります(片麻痺型片頭痛)。
眼球を動かすところの血管ですと、ものが二重に見えます(眼筋麻痺型片頭痛)。
体のバランスをとるところの血管ではめまいやふらつきが起きます(脳底型片頭痛)。
<いろいろな前兆>
(A子)私の母親はまず首筋や肩が張ってきて、しばらくして頭痛がしますが、そのようなものも前兆といえるのですか?
(医師)その通りです。筋肉が硬く収縮して起こる肩こりからの頭痛は、マッサージをすると軽くなるのですが、片頭痛の前兆として起こるものはマッサージをすると返って悪くなりますので、ご注意ください。
そのほかに生あくびが出る。なんとなく頭痛が起きそうな気がする。やる気がなくなる。眠気がする。耳が詰まったような感じがする。便が柔らかくなったり、下痢をしたりする。おなかが少し痛くなる。などがあります。
人によってそのパターンが違いますが、何回も経験すると「これは必ず頭痛がくるぞ」と細木数子よりも確実に予言が当たるようになります。
<セロトニンがいなくなると血管が拡がる>
(A子)血管が縮んで症状が起こることは分かりましたが、それがなぜ頭痛になるのですか?
(医師)血管を収縮させたセロトニンは、血管の周りの神経を過敏にして、軽い頭痛が起き始めます。そしてセロトニンの影響により血管の周りの神経からP物質というものが放出され、神経を敏感にし、炎症を引き起こします。
このような間にも血液は流れていますので、セロトニンがどんどん洗い流されて、濃度が薄くなります。そうなると血管を縮めていたものがなくなるので、血管が拡がりますが、このとき反動が起きて、元の幅よりも拡がって拍動します。
この拍動を過敏になった周囲の神経が感知して、ズキズキと脈打つような頭痛となるのです。
(A子)私の友達にも似たような頭痛の人がいるのですが、女性に多いのでしょうか?
(医師)片頭痛は男性で20人に1人、女性で10人に1人と、女性の患者さんが2倍多くなっています。特に40才代では女性は男性の4倍にもなります。
女性では20~50才の妙齢の女性に多い病気です。片頭痛は頭痛の原因の2~3割りを占めています。
(A子)一生この頭痛と付き合っていかないといけないと思うと、落ち込んでしまいますね。
(医師)落ち込むことはありませんよ。更年期を過ぎると頭痛が起きなくなるか、おきてもその程度が軽くなります。
「片頭痛としわは反比例する」と昔から言われています。歳をとると血管が動脈硬化で硬くなりますので、反動で膨らもうとしても血管が膨らまなくなるためと考えられています。これは喜んでよいのか、悲しんでよいのか分かりませんね。
(医師)世界的な統計では70才を過ぎても片頭痛がまだ出る人は脳梗塞を起こす頻度が低い事が分かっています。
片頭痛が起きるというのは血管がまだ若いですよという証拠なのですね。
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