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体制崩壊・去り行く医師(もの)達
小泉内閣の「改革」の劇薬的地方経済破壊効果は、地域の病院を運営する、自治体の財政を根本的から破壊し続けていきます。
公立病院の経営も悪化の一途をたどります。
その典型が、北海道夕張市でした。
元々、炭鉱以外の産業のふるわない夕張市は、ヤミ起債など特有の問題点のほか、小泉政権の、地方切り捨て政策が、どんどん進むにつれ、どんどん財政状況が悪化します。
最終的には財政再建団体となり、財政の自主再建が困難となりました。
そんな中、夕張市立総合病院も運営が不可能となり、公設民営化され、夕張医療センターとして、再出発することになりました。
その後、夕張市だけではなく、経営破たんする公立病院はあとを絶ちませんでした。
つぶれる公立病院、つぶれかける公立病院は、続々と出現します
公立病院は、その性格上、非採算事業であっても、公に必要な事業であれば行わないわけにはいきません。
たとえば、夜間の救急です。
さきに述べたとおり、医師の診療報酬はどんどん切り下げられていて、「救急をやるだけ赤字」状態に落ちいっています
一般市民は、そんなことはお構いなしで、「眠れないから、睡眠薬をくれ」といって、午前三時に来院したり、「仕事があって、夜しか診察にこれないんだ」と夜間に現れて、通常診療時間帯と同じサービスを救急時間帯に要求する有様が続き、現場の疲弊は、蓄積されていきます。
また、病院に勤務している人間はすべて公務員です。
身分は安定しています。
ちょっとやそっとで、クビにはなりません。
そのため、仕事をまともにしない職員もいます。
また、公立病院を食い物にする、地方議会議員や首長もいます。
何か勘違いしている、この連中の中には、病院を、「オレの病院」といってはばからないものもいます。
当然、人事にも介入します。
彼らは、職員の縁故採用を求めることもあるようです。
一般企業では、くその役にもたたないガラクタでも、縁故があれば、採用して食い扶持の面倒もみてやらなければなりません。
当然、事業所としての作業効率はさがります。
そのため、民間よりも、人件費コストがかかるということです。
さらに、そういう職員はコスト意識もありません。
病院を運営するための、診療材料、検査機器、治療薬品。
値引きをしてもらうということを知らない、いや、知っていてもやらない病院の担当者が多くいました。
まあ、あたりまえです。
出入りの業者を泣かして、安くものを仕入れても、得をするのは病院です。
自分のポケットに入るわけではありません。
値引き交渉なんて、ばかばかしくてできません。
ひどい奴になると、
「高く買ってやるから、リベートをよこせ」
「領収書は、○万円水増しにしてね、その分は、おれの小遣いにすっから」
とか、いう連中まであらわれる始末です。
こうして街からどんどん病院が消えていきました。
地域の住民にとって、それは大変なことです。
これまで、「コンビニ救急」でお世話になっていた、いやいや、「儲け」させてやっていたのに、われわれ住民を見捨てて、経営破たんをするとは、何事か!
怒りの声があふれます。
しかし、
怒りの矛先は、病院を運営する、地方自治体にだけではなく、
いやいや、
地方自治体というよりは、むしろ、
病院の医師に向けられました。
それは、地方自治体が、病院を閉鎖、縮小する言い訳の一つに、「医師不足による赤字」という言葉を用いだしたのです。
うちの病院が赤字になったのは、経営努力が足らないわけではなく、
「医は仁術である」という、言葉をついぞ忘れ去り、「義務を忘れ」て、病院を去る医師の責任である。
こういう主張を地方自治体は始めました。
地方自治体という、ぼんやりしたものに対するよりは、医師という各個の人間は、攻撃する対象目標として、それは一般人にとって、実に都合のいい存在でした。
一般人はこういって、医師にたいするバッシングを開始します。
「税金が投入されて医者になって、その給料も市民の出費で賄われている以上、人間であるよりも前に、まず医者としての責務を果たすべきなのは明らかです」
(匿名希望)
税金が投入されて一人前になるのは、医者もサラリーマンも、一緒なはずですが、「俺たちが、税金を払って医者にしてやったのに債務(恩)をあだで返す」ようなことをされた、と思い込んで、冷静な判断をなくしている一般市民には、そういう理屈は通用しません。
医者の債務を果たさないものに、人間の権利を与える必要はない、というところでしょうか。
ストロフルスが広がるがごとく、狂ったように、こういう医師バッシングが日本中を駆け巡ります。
はては、こんなイカレタ主張を始めるものまで現れました。
「俺たちの税金を使って医者にしてやったんだ、奴らに、好きな場所に自由に住む権利、好きな仕事を自由にさせる権利などどこにもない」
そういって、日本の最大部数を誇る大新聞までが、社説、紙面の大部分を割いて、「医師の計画配置」「医師の自由な開業の規制」の必要性を声高に主張しました。
さらに、現役の国務大臣、総理大臣も、医師はモラルがない、社会的常識を欠けている者が多いと、国の無策を否定し、医師の人間性に原因の責任転嫁を始めるまでに至ったのでした。
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コメント
コメント一覧
先生がBlogデビューされた頃は、「言っちゃだめ~~」的なお話が多かったですが、時代がそうさせるのか、すっかり社会派に転向ですね。
過去を振り返るときは人生の節目である。
勤務医としての先生も、そろそろと言う事でしょうか。
今後とも、ご自愛お願いいたします。
特に社会保障施設などはその際たる物だと思います。
それを病院の赤字も市の決算に繰り入れろという考えは、社会保障の考えから大きく後退した物で、このお蔭で多くの市町村が赤字になってしまって居ます。
このように何かと何かを一緒にしたり、対立させたりしてお互いに対抗意識を煽り、誰かが利益を得る。
これが小泉一派のやりかたですね。(小泉は頭悪そうなので、中心は竹中でしょうね。)
患者と医療者などはいい例で、これにより漁夫の利を得るものが居るわけですね。
ひきつづきつづけます。
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