akagama
Profile

関連リンク

ブログ内検索

カレンダー

<< 2009/07 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

新着コメント

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 日本医療崩壊史 序の巻(1) | メイン | 日本医療崩壊史 序の巻(3) >

日本医療崩壊史 序の巻(2)

akagama / 2008.12.07 11:07 / 推薦数 : 22

   体制崩壊・去り行く医師(もの)達
 

 小泉内閣の「改革」の劇薬的地方経済破壊効果は、地域の病院を運営する、自治体の財政を根本的から破壊し続けていきます。


 公立病院の経営も悪化の一途をたどります。


 その典型が、北海道夕張市でした。


 元々、炭鉱以外の産業のふるわない夕張市は、ヤミ起債など特有の問題点のほか、小泉政権の、地方切り捨て政策が、どんどん進むにつれ、どんどん財政状況が悪化します。


 最終的には財政再建団体となり、財政の自主再建が困難となりました。


 そんな中、夕張市立総合病院も運営が不可能となり、公設民営化され、夕張医療センターとして、再出発することになりました。


 その後、夕張市だけではなく、経営破たんする公立病院はあとを絶ちませんでした。


 つぶれる公立病院、つぶれかける公立病院は、続々と出現します


 公立病院は、その性格上、非採算事業であっても、公に必要な事業であれば行わないわけにはいきません。


 たとえば、夜間の救急です。


 さきに述べたとおり、医師の診療報酬はどんどん切り下げられていて、「救急をやるだけ赤字」状態に落ちいっています


 一般市民は、そんなことはお構いなしで、「眠れないから、睡眠薬をくれ」といって、午前三時に来院したり、「仕事があって、夜しか診察にこれないんだ」と夜間に現れて、通常診療時間帯と同じサービスを救急時間帯に要求する有様が続き、現場の疲弊は、蓄積されていきます。


 また、病院に勤務している人間はすべて公務員です。


 身分は安定しています。


 ちょっとやそっとで、クビにはなりません。


 そのため、仕事をまともにしない職員もいます。


 また、公立病院を食い物にする、地方議会議員や首長もいます。


 何か勘違いしている、この連中の中には、病院を、「オレの病院」といってはばからないものもいます。


 当然、人事にも介入します。
 

 彼らは、職員の縁故採用を求めることもあるようです。


 一般企業では、くその役にもたたないガラクタでも、縁故があれば、採用して食い扶持の面倒もみてやらなければなりません。


 当然、事業所としての作業効率はさがります。


 そのため、民間よりも、人件費コストがかかるということです。


 さらに、そういう職員はコスト意識もありません。


 病院を運営するための、診療材料、検査機器、治療薬品。


 値引きをしてもらうということを知らない、いや、知っていてもやらない病院の担当者が多くいました。


 まあ、あたりまえです。


 出入りの業者を泣かして、安くものを仕入れても、得をするのは病院です。


 自分のポケットに入るわけではありません。


 値引き交渉なんて、ばかばかしくてできません。


 ひどい奴になると、


「高く買ってやるから、リベートをよこせ」


「領収書は、○万円水増しにしてね、その分は、おれの小遣いにすっから」


 とか、いう連中まであらわれる始末です。


 こうして街からどんどん病院が消えていきました。


 地域の住民にとって、それは大変なことです。


 これまで、「コンビニ救急」でお世話になっていた、いやいや、「儲け」させてやっていたのに、われわれ住民を見捨てて、経営破たんをするとは、何事か!


 怒りの声があふれます。


 しかし、


 怒りの矛先は、病院を運営する、地方自治体にだけではなく、


 いやいや、


 地方自治体というよりは、むしろ、


 病院の医師に向けられました。


 それは、地方自治体が、病院を閉鎖、縮小する言い訳の一つに、「医師不足による赤字」という言葉を用いだしたのです。


 うちの病院が赤字になったのは、経営努力が足らないわけではなく、


「医は仁術である」という、言葉をついぞ忘れ去り、「義務を忘れ」て、病院を去る医師の責任である。


 こういう主張を地方自治体は始めました。


 地方自治体という、ぼんやりしたものに対するよりは、医師という各個の人間は、攻撃する対象目標として、それは一般人にとって、実に都合のいい存在でした。


 一般人はこういって、医師にたいするバッシングを開始します。


 「税金が投入されて医者になって、その給料も市民の出費で賄われている以上、人間であるよりも前に、まず医者としての責務を果たすべきなのは明らかです」

  (匿名希望)
 

 

 税金が投入されて一人前になるのは、医者もサラリーマンも、一緒なはずですが、「俺たちが、税金を払って医者にしてやったのに債務(恩)をあだで返す」ようなことをされた、と思い込んで、冷静な判断をなくしている一般市民には、そういう理屈は通用しません。


 

 

 医者の債務を果たさないものに、人間の権利を与える必要はない、というところでしょうか。


 

 ストロフルスが広がるがごとく、狂ったように、こういう医師バッシングが日本中を駆け巡ります。


 はては、こんなイカレタ主張を始めるものまで現れました。


「俺たちの税金を使って医者にしてやったんだ、奴らに、好きな場所に自由に住む権利、好きな仕事を自由にさせる権利などどこにもない」


 そういって、日本の最大部数を誇る大新聞までが、社説、紙面の大部分を割いて、「医師の計画配置」「医師の自由な開業の規制」の必要性を声高に主張しました。


 さらに、現役の国務大臣、総理大臣も、医師はモラルがない、社会的常識を欠けている者が多いと、国の無策を否定し、医師の人間性に原因の責任転嫁を始めるまでに至ったのでした。

 

固定リンク | コメント (3) | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/akagamablog/20081207/1/trackback

トラックバック一覧

振れない袖は「ない」フリーター医師
「限界への挑戦」・・・なんてすばらしい言葉の響きでしょうか。もちろん、限界に挑むことが夢を一歩ずつ邁進させる原動力であることに疑いの余地もありませんが、あまりにも無謀な挑戦は身の破滅を招くだけです。地... [続きを読む]
posted from 明日に向かって、さあ! 2008.12.07 12:17

コメント

コメント一覧

あかがま先生、ついに総括が出ましたね。

先生がBlogデビューされた頃は、「言っちゃだめ~~」的なお話が多かったですが、時代がそうさせるのか、すっかり社会派に転向ですね。
過去を振り返るときは人生の節目である。

勤務医としての先生も、そろそろと言う事でしょうか。
今後とも、ご自愛お願いいたします。
written by トリビューン / 2008.12.07 20:05
公営施設が黒字でなければいけない理由はありませんよね。逆に民間では採算が合わないから公営で行う必要があると思います。
特に社会保障施設などはその際たる物だと思います。
それを病院の赤字も市の決算に繰り入れろという考えは、社会保障の考えから大きく後退した物で、このお蔭で多くの市町村が赤字になってしまって居ます。
このように何かと何かを一緒にしたり、対立させたりしてお互いに対抗意識を煽り、誰かが利益を得る。
これが小泉一派のやりかたですね。(小泉は頭悪そうなので、中心は竹中でしょうね。)
 患者と医療者などはいい例で、これにより漁夫の利を得るものが居るわけですね。
written by romorom / 2008.12.07 21:58
コメントありがとうございます。
ひきつづきつづけます。
written by akagama / 2008.12.08 09:43

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。