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復讐のデス・ゲーム(3)

akagama / 2007.06.07 12:50 / 推薦数 : 0

  三文小説続けます

 夕月捜査員の報告がつづきます。

「結局、佐古は、フソンとウーチンを手玉にとりながら、アルカイダと通じていたわけです。昨夜、首都高速道路で、死体で見つかった、ウーチンファミリーの幹部、ニーノ・ガルバーニですが、こちらの方にはいっている情報では、ニーノは以前から、ブチアーノとコステロを、ファミリーから追放して自分が、日本支部のボスになると吹聴していたそうです。そして、フソンから、件のプルトニウムの代金と思われる振込みを、自分の個人口座に移し変えた形跡があります」

「結局ニーノがブチアーノとコステロを裏切って、プルトニウムの代金をネコババしたわけか」

「おそらく、そうだと思います。ブチアーノとコステロが失踪した今、ニーノに逆らう器量のある連中は、ファミリー内にいないようですから」

「そして、ニーノは、佐古たちの手におちて、口座の金はおそらく、佐古とアルカイダのものとそういうわけか」

「はい、流出プルトニウムも恐らく佐古達の手中にあると思います」

「アルカイダの連中ともに、佐古の消息も追わねばならんな」

「そうですね、ただ、フソンとマフィアの連中からも、目を離すわけにはいかないと思います。ことに、フソンは、中国がバックについているらしいですし」

「現在、われわれ、テロ対策課が相対する敵は、マフィア日本支部、オルバ・フソン一派、佐古渉とアルカイダか」

「はい、このうち、マフィア日本支部は最高幹部が総崩れとなりました。フソンも幹部の一部が行方不明になっていますが、アフリカから、秘密部隊を呼び寄せたという噂があります」

「わかった。諸君、引き続き、佐古・アルカイダグループの壊滅と、プルトニウムの押収に全力をつくしてくれ!」

 今泉課長の声で、捜査員は皆、立ち上がりました。
 
 皆につづいて、会議室を出ようとした、夕月さんを、今泉課長は呼び止めました。

「夕月、控え室にちょっと来てくれ。お前さんに頼みたいことがあるんだ。

「はあ、わかりました」

 二人は、課長の控え室に向かいました。

「課長、俺、何か問題でも?」

 廊下を歩きながら、夕月さんは心配顔で、課長に尋ねました。

「いや、さっきの報告は完璧だ。実はだな。事件があまりにも、巨大になりすぎた。われわれだけの力では、解決は難しいのではないかと、大山局長は言っている」

「いや、しかし。我々が、解決しなければ」

「それは、そうだ。しかし、上の者はうるさくてな。」

「……」

「アメリカに要請して、応援の捜査官が派遣されて来た。夕月、お前は彼とコンビを組んでもらう」

「アメリカからですか?しかし、何で俺と?」

「彼のご指名だからだ」

 そういうなり、課長室のドアを開けました。

 中の応接のソファには、白人の男性が腰をかけていました。

「紹介しよう、CIAのマーカス・ウェルズ捜査官だ」

 マーカス・ウェルズ捜査官が立ち上がりました。

 身の丈二メートルをこす、五十歳ぐらいの大男です。

「ミスター夕月。君と会えるのを楽しみにしていたよ」

「俺をですか」

 怪訝な顔で、マーカスの差し出した手を、握りながら、夕月さんはつぶやきました。

「君は、テロリストを心から憎んでいる。違うかな?」

「あ、いや、それはまあ」

 夕月さんは、過去の心にささった棘をつつかれる思いがしました。

「君の大事な女性(ひと)の敵をとる手伝いをさせて欲しくてね」

 その言葉に、夕月さん、はっとしてマーカスの眼をみつめていました。

「さらにいえば、君の大事なひとの仇は、私のかけがえのない、娘の仇でもある」

「まさか、9.11のときの……」

 頷くマーカス。

「もうここまでいえば、わかるだろ?俺はアルカイダを許さない。君も婚約者の命を奪った奴等が許せないはずだ」

 二人の男は、お互いの心に同じ熱いものが迸っているのを感じました。

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