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ゲンコツ医院/哀しい旅路(6)

akagama / 2007.03.19 07:03 / 推薦数 : 1


「こらこら、薫。腹がたつのはわかるが、ほんとに死んでしまうからいい加減にしろ」

「大保守党の中諏訪先生の、赤坂の別宅マンションだよ。香織は中諏訪先生の息子さんの奴隷として飼われているんだ」

「ああ?奴隷?そうか、お前、彼女を売ったっていうのか!おまえの副業っていうのは、人売りだったのか」

 雅はうなずいて中諏訪代議士の息子に、香織さんを五千万円で売ったと白状しました。

「おい、守。赤坂に助けに行くぞ」

 意気込む先生。

 しかし、掛川さんは浮かない顔です。

 何といっても、相手は大保守党幹事長、代議士の大先生様の息子様です。

 警察が踏み込むには、きちんと礼状をとらないとあとでえらいことになりそうです。

 しり込みをする掛川さん。

「すまん、とりあえず、上にお伺いをたててからにしたいんだが……」

「ええーい、眠たいやつめ、よしわかった、おれ一人でいくぞ。雅をかせ!」

 掛川さんがとめるのも振り切って、手錠をつけたままの雅をカローラから引きずり降ろし、信さんから借りた軽トラの助手席に放り込みました。

 荷台に、縛り上げられたスカウトマンが転がったままですが、無視して、軽トラを走らせます。

「あー、もお、しゃあないなあ」

 掛川さんはぶつぶついいながら、カローラで後を追いました。

 深夜なので、道はがらがらです。
 
 二十分も車を走らせると、赤坂の中諏訪代議士の別宅マンションに着きました。

 中諏訪代議士の息子様は、完全に昼夜逆転した生活をしているそうです。

 皆が働いてる真昼間は部屋で寝ているそうです。

 夜は、雅たち、人買いから買い集めた奴隷を相手に、覚せい剤とお酒を使って、王様ごっこをして遊んでいるそうです。

「俺は外で待っているよ」

 掛川さんの声に頷いて、先生は、助手席の雅を軽トラックから引きずり出してマンションの前に連れて行きました。

 先生は、マンションのインターホンのボタンを雅に押させました。

 マンションのホールは、鍵を持っていない人間は居住者に連絡をして、開錠してもらわなければなりません。

  部屋番号は、1103号室、11階です。

 中から不機嫌な声が聞こえてきました。

「こんな夜中に誰だ」と。

「雅です。実は、シャブのマブネタを仕入れましたんでね、太一さんにもお裾分けにまいった次第ですが」

「シャブか、ちょうど、きらしてたところだ。いいだろう。はいって来いや。いま、ロックをはずす」

 オートロックが解除され自動ドアがあきました。

 先生は雅を後ろからこづいてエレベーターにのりこみました。

 エレベーターを11階で降りた二人は、廊下を歩き始めました。1103号室の前に立ちました。

 雅にドアをノックさせます。
 
 先生は、中から外をうかがうような気配を感じました。
 
 さっと雅の背後にしゃがんで隠れて、ドアの脇にとりつけられた監視カメラにうつらないようにします。

  静かにドアが開かれました。

 中から、中諏訪太一は用心深く顔を覗かせました。

「雅、お前一人か」

「いや、オマケ付きだよ。すまないね」

 先生はそういうなり、雅を突き飛ばして開いたドアの隙間に足を突っ込んで、ドアを閉められないようにします。

 間髪いれず、ドアをパーンと開け放して、室内に入りこみます。

「な、なんなんだテメエ」

 先生の強襲に、ぶったまげながらも、太一は、強がりを吐きます。

  先生は、有無を言わせず、太一の首筋に手刀を叩きこみました。

  もんどりうってたおれる太一。

   (つづく)

 お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。御慈悲の一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。 にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ

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