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akagama / 2007.03.12 06:55 / 推薦数 : 0
(9)院長の秘密
……表向きは、ということは、田熊さんは何か、考えがあって美多摩医療センターを探っているということになります。
「ときに、あかがま君。君に頼みたいことがあるんだ。協力してくれるかなあ」
キました。
おそらく、おいらをスパイにして何かを探るつもりのようです。
田熊さんには、命を救われたりもしているので、不義理はできません。
おいらは、黙って静かに頷きました。
「じゃあ、今夜、新宿パークハイアットホテルのバー、午後九時に待ってるよ」
午後は、心エコー検査をするために循環器病外来にいきました。
外来では、和光先生がもうおいらを待っていました。
「もう患者さんが何人か待ってますよ。あかがま先生、早速検査をはじめましょう」
おいらたちは、明かりを暗くした検査室にこもって、心エコー検査を開始しました。
難しい患者さんは、和光先生に、代わってやってもらい、心臓のエコーはさくさく進みました。
六人ほどの予約が入っていましたが、無難に検査は終了していきました。
最後の患者さんの、エコー検査が終わって検査室をでて、内科の処置室で、二人でとったエコーの所見を検討していたら、渚さんが、カートに薬を乗せて運んできました。
でも、渚さんの様子が少し変です。
とっても青白い顔をしています。
骨髄穿刺の検査の時とは別人のようです。
和光先生も彼女の表情の変化に気がついたようですが、ちらりと見ただけで、だまっておいらの記入したエコー検査の所見用紙をチェックしていきます。
渚さんは、黙って、カートの上に乗せた、薬品の入った箱を処置室の戸棚に運びいれていきますが、その時にひとつ箱が落ちました。
それは、おいらの足元に転がってきました。
止血用のトロンビン末の入った箱です。
おいらが、箱を拾って渚さんに渡すと、彼女は申し訳なさそうに箱を受け取って、棚卸しの作業を再び続けだしました。
その夜、田熊さんとの待ち合わせの約束をしていた、ホテルのバーにおいらは立ち寄りました。
カウンターで田熊さんはもう飲み始めていました。
田熊さんは、おいらをみると、ロイヤルサルートの入ったロックグラスを掲げて合図をしました。
「何にする」
「ジムビームのロック、ダブルでお願いします」
「おれのおごりだから、高い酒でもいいぞ」
「あ、いえ、これでも十分高いです。でもよっぱらっちゃわないうちに、協力させたいことの内容を聞いちゃいますが……」
「うん、まあ、だいたいわかってるんじゃないの、あかがま君のことだから」
「要するに、美多摩医療センターの、内情を探れってことでしょ」
「まあ、そういうことだ、するどいね。特にお願いしたいのは、院長の世古山だな」
「今日は会ってきたんでしょう、世古山院長と」
「会ってきたよ、インタビューは、絶対にいるからな。左手に包帯を巻いてたよ。犬にかまれたといってたが、ありゃ、頭の黒い二本足の雌犬にかまれたみたいだな」
「そんなに女好きなんですか。院長は」
「院長室のゴミバコに、使用済みの避妊具が、何個もあった。空き箱もな」
「えー、院長室でやっちゃってるんですかあ。なかなかのもんですねえ」
「まあ、古来英雄色を好むとはいうが、なかなかのもんだわ」
「でも、田熊さんも、これまで、美多摩医療センターのことは調べたんでしょ?」
お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。御慈悲の一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。 
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