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JAL国際線のヌルそうな職場関係 >
akagama / 2007.03.12 22:31 / 推薦数 : 1
(10)黒いベントレー
「うん、外面はいいんだけど、中は、悪徳院長の、世古山の一派とポルックスの三輪内の手下共が食い物にしているようだね。院内の医師は、院長派の医局と反院長派の医局に分かれていがみあっているらしいね」
「そうです、おいらたちが配属された第一医局は、反院長派らしいです」
「PFI事業で、民間企業が中に入っているとはいえ、元は市立病院と都立病院が合併して出来た病院だからねえ、あまり、業者との癒着はすすめられないんだが、世古山はどこ吹く風のようだね」
「毎月、ポルックスの子会社に莫大な額の維持管理費を払って、病院はいつも赤字のようです。で、赤字は医者の責任らしいです」
「帳簿はおれもみたよ。医業収入は七億円の黒字なのに、ポルックスに支払われる維持管理費のおかげで、今年度の病院の経常収支は三億円の赤字って言うじゃない。維持管理費の一部は、院長一派にキャッシュバックされているという噂もあるし、叩けばいくらでも埃は出そうだね」
「まあ、田熊さんには命を救われたこともありますから、出来る範囲のことはやりますけど、犯罪とかはいやですよ」
「わかってる。まあ、よろしくたのむよ。おっともう十時か。これから、ちょっと寄るところがあるんだよな」
「あ、じゃあおいらも、あした八時からカンファレンスがあるので、これで失礼します」
「じゃあ、車で送るよ、地下駐車場にいこう」
「ええー、だめですよ。先生、酔っ払い運転じゃあないですか」
「大丈夫、大丈夫。運転手がいるんだよ」
「……はあ」
おいらたちは、地下の駐車場に降りてゆきました。
「ほら、あそこ」
田熊さんの指差した先に亜樹子先生のBMWが停まっていました。
おいらは後部座席、田熊さんは助手席に乗り込みました。
「運転手というのは亜樹子先生だったんですか」
「まあね、あかがま、大変そうだね。美多摩医療センター」
「はい、田熊さんにもスパイ役を頼まれてもう大変ですよ」
「あかがま君、今夜なぜ君をここに呼び出したかわかるかい」
「いえ、なぜですか」
「うん、少し待っているとわかるよ」
車内で待つこと約十分。
駐車場の中に車が入ってきました。
おや、黒のベントレーです。
「きたきた、きたよ」
田熊さんはニヤニヤしています。
停車したベントレーの運転席からは、世古山院長が降りてきました。
田熊さんが言ったとおり、左手に包帯を巻いています。
「実は、このホテルを、世古山は密会用に使っているのさ。駐車場も必ずこのフロアに停めるので、見張ってたわけ」
そして、助手席のドアが開かれました。
降りてきた女性は、何と、渚さんです。
「あっ、女の人は、美多摩医療センターの看護師さんですよ」
院長の肩に抱かれて、ホテルの客室に上がるエレベーターの中に消えていきました。
「今夜の玩具は、身内相手に手軽にすまそうということか。院長が看護師に手をつける程度では、インパクト不足は否めないね。亜樹子、車を出してくれ」
帰りの車の中でおいらは、さっきのことを、色々考えていました。
屋上庭園で、好きだった梶田先生に聞こえるようにと、オカリナを吹いていた、渚さんと、院長に肩を抱かれてホテルに消えていった渚さん。
どう考えても結びつきません。
「おーい、あかがま。町屋についたよ」
亜樹子先生に、いわれるまで、頭からそのことがはなれなかったようです。
いつの間にか、町屋のヨタカヤストアの前に車は来ていました。
お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。御慈悲の一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。
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