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< 帝都東京最期の日!(15)絶体絶命! | メイン | がんばれ!夢色の戦士(1)電撃の鷹 >

帝都東京最期の日!(16)暁の逆転

akagama / 2007.02.28 21:34 / 推薦数 : 1


   (16)暁の逆転

「ちくしょう!」

 おもわず、おいらは叫びました。

 その瞬間のことでした。

 バラバラバラという音が遠くから聞こえてきました。

「な、なんだ。あの音は、まさか……」

 事務所の窓から、手下が頭を出して外をうかがいました。

「ボス、へ、ヘリコプターだ!け、警察のヘリコプターです」

「なにい!警察だと?どうして、この場所が…」

 唖然とする、剛と玉原。

 続いて、ヘリコプターに先導されるように、けたたましいサイレンを鳴らし、十数台のパトカーが到着し、工場の周りを完全に包囲しました。

「剛辰巳、玉原一男。こちらは警察庁の国際テロ対策課だ。君達は完全に包囲されている!速やかに人質を解放して、武器を捨てて外に出て来い」

 今泉課長の声です。

「しんちゃん、助けが!」

 もはや、剛達は多勢に無勢です。

 七人の悪者たちは、踏み込んできたテロ対策課員に皆、逮捕されました。

 おいらと智佳子先生は、藤江さんと直方さんに抱えられ、工場から外に出ました。

 外で、おいらたちを、亜樹子先生、遠藤、今泉課長が待っていました。

「無事だったかい。間に合って、よかった、よかったー」

 亜樹子先生は涙ぐんでいました。

「でも、何でこの場所がわかったんですか」

 亜樹子先生は、笑っておいらの胸元を指差しました。

「それは、昨夜あげた、お守りのおかげさ。中をみてみな」

 おいらは、お守りの中を覗いてみました。

 中には、フラッシュメモリーのような電子チップを組み込んだ部品が入っていました。

「外の袋はお守りだけど、中には、高性能の超小型GPSチップが入ってる。田熊はこういうのが大好きでね。これで、あんたらの位置はコンピューターでチェックすれば、ばっちりというわけ」

 医局にも戻らず、携帯、PHSがつながらなくなったことで、異変を知った亜樹子先生は、今泉課長にすぐに連絡をとってくれたのでした。

 このGPSからの信号をキャッチし、テロ対策課のヘリコプターが青梅の廃工場を発見したというわけです。

 お守りが、その名の通り、二人を守ってくれたわけです。

 そして、おいらの、お守りをひょいととりあげた、亜樹子先生。

「じつはね、これには音声感応型ボイスレコーダーもついててね。昨夜の間、あんたと智佳ちゃんが話してたことが全部記録されてるんだよね。さあ、どんな会話をしてたのか、これからじっくりきかせてもらうよー」

 うー、まずいです。

 けさの二人の会話をきかれると、とっても恥ずかしいです。

「まってー、それ、かえしてー」

 逃げる亜樹子先生、追う二人。

 結局、マラリア原虫も、感染したハマダラ蚊も、テロ対策課の手で、無事押収されました。

 その後、剛と玉原の一派は起訴され、裁判が続いていますが、連中の死刑は免れないでしょう。

 次は、剛達を操って、日本を乗っ取ろうとしたアメリカのハゲタカファンドもやっつけてやると、今泉課長もやる気満々です。

 さて、こんどの事件で沢山の尊い命が失われ、沢山の人が傷つきました。

 その中で、たった一人、命が救われた人がいました。

 そう、マイアミで心臓移植を受けた南村ちすずちゃんです。

 ちすずちゃんは手術が成功し、現在は、お母さんと実家のある金沢でひっそりとくらしているそうです。 

 そして、この国を見捨てて、アメリカに逃げた総理以下、この国の指導者は、いつの間にか帰国して、また知らん振りで、相変わらず、張りくさっています。

 遠藤と中臣教授は今日も、竹馬大臣に呼び出されたそうです。

 帰ってきた遠藤の話では、竹馬は、また横柄な態度に戻っているらしいです。

「ありがとう」の一言も言わない、帰りのタクシー代とお弁当代も出さないとぼやいていました。

 しかし、おいらは今度ばかりはもうだめかと思いました。

 もう、生物テロは勘弁してください。

 それではまた…。


     Themes for this story

  Doubleback(ZZtop/Recycler)
  Danger Zone(Kenny Loggins/TOP GUN Soundtrack)

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コメント

コメント一覧

先生、力作、お疲れ様でした。 書き終った感想は? 映画のシーンのようなクライマックスでしたね。

でも、やはり本職というか、培養の仕方や、症状などは流石お医者さまです。

次回のお話も楽しみにしています。
written by J / 2007.02.28 23:35
これも若干長いお話でしたが、お付き合いありがとうございました。
なんとか、お話になってるようで……ホッですね。
written by akagama / 2007.03.01 00:15
大変面白かったです。あかがまシリーズ最高傑作ですね。
マラリアを使った生物テロ、面白い発想です。先生は寄生虫に造詣が深いですね。
それにしてもすごい才能ですね。脱帽です。
written by 春野ことり / 2007.03.01 01:07
春野先生、何時もお目を通していただいて恐縮です。
まだまだ修行中です。
今後とも宜しくお願いします。
written by akagama / 2007.03.01 07:00
熱、タミフル服用で下がりましたが関節が痛いしだるいです。
異常行動はナシ。というか普段の行動が怪しいので副作用の症状が出ても分からないと思います(笑)

遅ればせながらですが、先生の文体は緊迫した内容でもどこか陽気でホッとします。特徴を出すために意識しているのですか?それと、あかがま君の出番増やしました?

written by トトロ / 2007.03.03 16:15
インフルエンザですか~。
ご自愛ください。
「ベランダから、お空にジャンプ!」の副作用はまだ機序がわかってないらしいので、いま、リレンザという抗ウイルス剤が大人気らしいですね。

うーん、文体は、習作をつづけて、こういうスタイルにいたりました。
あかがまの出番は、若干増やし気味にしてます。

 またよろしくお願いしますね!
written by akagama / 2007.03.03 17:50

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