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< 帝都東京最期の日!(13)憤怒と絶望と | メイン | 帝都東京最期の日!(15)絶体絶命! >

 

   (14) たとえ二人に明日はなくとも 

 

「さあて、南村には、青梅までの道案内をしてもらうとして、剛、このチビ二人はどうする」

 玉原がにやにやしながらいいました。

「まあ、俺たちの秘密を知っちゃあ、生かしておけねえわな。後ろのコンテナにぶち込んで、ついたら向こうで始末しよう」

 剛が、答えました。

「そうだな、おい剛。でもな、メスのチビの方は、はなかなか、器量よしだぜえ。あっちのぐあいもよろしそうだし、なんかうちの若いヤツラもむらむらきてるみたいだしよ。始末するのは楽しんでからにさせてくれや」

 玉原がにやにやしながら言いました。

 おいらは口惜しさに、唇をかみしめました。

 向こうについたら、三人ともなぶり殺しにするつもりのようです。

 撃たれてもいいからとびかかってやろうかと、ぐっと下半身に力をこめました。

 でも、智佳子ちゃんは、動かないでと耳元で小さくささやいたのでじっとこらえました。

 七丁のピストルが狙いをつけています。確かにここで暴れても、ピストルのえじきでしょう。

 手下が、おいらたち三人のポケットから、携帯電話とPHSを取り上げます。

 そのとき、手下が、智佳子先生の、胸元に手を突っ込みました。

「きゃっ」思わず、悲鳴をあげる智佳子先生。
 
 にたにた笑う、手下を玉原がたしなめます。

「こら、お楽しみは青梅についてからだ、さっさと、チビ共を縛り上げて、後ろにぶちこめ」

「はい、すみません。おら、おとなしくはいれ!」

 おいらと智佳子ちゃんは後ろ手に縛られて、保冷車のコンテナにぶち込まれました。

「おい、青梅につくまでチビ共を少し虐めてやろうぜ」

 手下が、小型保冷車のコンテナの温度設定をいじくりはじめました。

「今日は暑いからなあ、氷点下四度に、コンテナの室温を下げといてやるよ。へっへっへっー」

 車が動き出しました。

 コンテナの中は真っ暗でしたが、少しすると、闇に目がなれてきました。

 智佳子ちゃんは、おいらの隣でぐったりしています。

 真夏だというのに、コンテナの中はどんどん冷えていきます。

 手下のやつらが、コンテナの室温を氷点下に設定したからです。

「智佳子ちゃん、大丈夫。ごめんね、こんなことになっちゃって」

「仕方がないよ。あのとき、しんちゃんと一緒にいくと決めたのは、智佳子なんだから、でも、とっても…寒い、しんちゃんもっと近くに寄ってきて」

 身体が冷えるのを防ぐ意味もあって、二人は身体を密着させました。

 智佳子先生の心臓の鼓動が、おいらの身体に伝わってきます。

 バレンタインデーの夜のことを思い出しました。

 あの時は、おいらたちの命に危険が及ぶという状態ではなかったのですが、今度ばかりはもうしゃれになりません。

 相手は、何百人も罪もない人々をマラリアに感染させて、殺した大悪人たちです。

 むこうについたら、三人ともなぶり殺すと名言しています。

 おいらたちの命は、もうあと、二時間か、一時間か。

 いずれにしても絶体絶命の状態です。

「しんちゃん、智佳子は、しんちゃんと一緒だったら、このまま死んでもかまわない。天国でもしんちゃんと一緒にいられるなら、怖くない」

 智佳子ちゃんは泣きながら言いました。

「智佳子ちゃん、最期まで、あきらめちゃだめだ。でも、二人はどこまでも一緒でいよう、何がおこっても……」

 やがて、キキっとブレーキ音がして、保冷車が停まりました。

 コンテナの扉が荒々しく開け放たれました。

 いよいよ、最期の時がきたようです。

 

 お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。いよいよでございます。ガチでがんばります。一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。 にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ

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