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帝都東京最期の日!(14) たとえ二人に... >
akagama / 2007.02.27 21:23 / 推薦数 : 0
(13)憤怒と絶望と
大学の夜間出入口の前に行くと、電話のとおり、白いクラウンが止まっていました。
車の中には、南村さんが、真っ青な顔でぐったりして運転席に座っていました。
全身血だらけです。
とんとん、と、車のサイドウインドウを叩くと、南村さんは気がついたようでした。
窓をあけ、力なく笑いました。
「いやあ、おれ一人で何とかしようとは思ったんだけど、だめみたいだ。もう、体がガソリン切れみたい」
「南村さん、何とかするっていうのは、マラリア原虫や、マラリアを感染させたハマダラ蚊を処分するということですよね。今、持っているのですか」
「ここにはないよ。青梅に、昔、おれの親戚がやっていた廃工場があってね、南北線の事件のあと、茅場とこっそりうつしたんだよ。剛と玉原、テロリストたちは血眼になってさがしているがね」
「テロリストはあなたではないんですか」
智佳子先生が厳しい口調で尋ねました。
「マラリアを、培養して、ハマダラ蚊に感染させたという意味でなら、そうだ。ただ、おれは、剛達に、命令されて、マラリアを培養しただけだ。黒幕は剛達だよ」
「なぜ、そんな恐ろしいことを」
「仕事がなくて資金繰りに困っていたつぶれかけのラボを、大分前から、やつらに援助してもらってた。それに、娘をアメリカで手術をうけさせるためには、大金がいる。だから断りきれなかったんだよ」
「そんな、悪いことをして稼いだお金で、手術をして、助かったとしても、お嬢さんが喜ぶと思いますか。あなたのおかげで、大事な人を失って泣いているご家族がたくさんいるんですよ」
「わ、悪いことをしたとは思っているよ。でも、手術をしなきゃ、娘は死んじまってたんだ。あんたも人の親になればわかるよ」
「……では、悪いことをしたと思ったんなら、なぜ警察に自首をしなかったんですか」
「まさか、あそこまで、死者がでるとは思わなかったんだよ。せいぜいで、下痢か発熱ですむと思ってたんだ。これだけの騒ぎになったんだ。捕まったら死刑は、間違いないからな。そうこうしているうちに、また、やつらが、研究所に押し入って、マラリアをばら撒くから、隠したマラリア原虫とハマダラ蚊を出せといいだしてな。もういやだといったら、剛と玉原に、茅場が撃ち殺された。おれは、足を撃たれたが、何とか逃げ出せたんだ。」
おいらは、頭がかーっと熱くなってきました。
第一号患者の男性の、奥さんとお嬢さんの泣き叫ぶ声は、今も耳の奥に残っています。
「何というおろかなことを…。それなら早く、青梅の廃工場に行きましょう。警察庁の今泉課長にも知らせなきゃ。なんとかしないと大変なことになる」
「半分は、おれたちも賛成だな」
背後で声がしました。
振り返ると、剛辰巳と玉原一男、そしてその手下が五人ばかり、ピストルを構えて、おいらたちを取り囲んでいました。
「声を出すと、ずどんといくぜえ、よお、南村、元気…ではなさそうだな。たぶん、おまえも荒川医大に泣きついて来るんじゃあないかと思って張りこんでいたのが正解だったようだぜ。ここはマラリアテロ対策本部がおかれているところだからな」
玉原がにやにや笑って言いました。
南村さんは、クラウンから引きずりだされて、玉原たちの用意した、小型保冷車の助手席に乗せられました。
お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。ガチでがんばります。一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。
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