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帝都東京最期の日!(9)混沌の中で >
akagama / 2007.02.26 06:44 / 推薦数 : 0
(8)悪魔の正体
ついに、マラリア騒動は、二次暴動まで引き起こされるほどの事態となったのでした。
この事件がきっかけになり、本当に、この国には、まともな予防薬の在庫がないのだということを東京中の、皆がしりました。
その影響なのでしょうか、インターネットのオークションでは、「マラリア予防薬」がどんどん出品されています。
ワケワカラン、マラリア封じのパワーストーンとか、お守りグッズも飛ぶように売れてるようです。
どこまで、予防効果があるのか、とてもあやしいところです。
また、ワイドショーでは、バカタレント女医の人が、耳学問で身につけた、いい加減なマラリアの予防法をぺらぺらと話しています。
さて、ところ変わって、千代田区永田町、首相官邸。
国家的危機を察知した政府首脳達が、集合していました。
無能な彼らには、この国家的危機を克服する、知恵も勇気も能力もありません。
これから、自分達の保身をどうするかのためだけの、会議が行われていました。
官房長官が緊張した面持ちで、現状を報告します。
「阪大微検に協力をいただき、SE36マラリアワクチンを相当数、確保しました」
竹馬厚生労働大臣が話を継ぎました。
「ただ、まだ、このワクチンの量産は不可能な段階ですので、全都民に投与は出来ません。しかもトライアル中のものですからマラリアに対する抗体ができるかどうか、それに、もはや、すでに流行中の、マラリアの予防にはならないでしょうし。こちらにお集まりの先生方には、今から、接種させていただきますが」
総務大臣も報告をします。
「皇室の方々はすでに日本を脱出し、海外某所にて休養中ですので問題はないとして、我々の他、与野党の幹部、中央官庁および都庁の要人の方々のみに、ワクチンの接種を行うことにします」
「とにかく、この国を導く立場の我々が倒れてはどうにもならん。できるだけ早く、日本を脱出しなければな。すぐに専用機の用意を頼む」
一般都民の口には絶対入ることのない、マラリアの予防薬を口に入れたまま、首相は言いました。
さて、首相以下、与野党の幹部、高級官僚、都庁の幹部は、この会議の終了後間も無く、この「美しい国」を見捨てて、政府専用機でアメリカ、ワシントンD.C.へ向かって飛び立ったのでした。
東京は、国の指導者が不在となり、指揮系統を失い、機能麻痺をおこした首都になりつつあるのでした。
治安の維持の為に、東京の街角、あちこちに警官が立つようになりました。
さて、あちこちの病院で、自分はマラリアにかかったんじゃないかと、心配になった患者さんが診察にきて、外来はごった返しになりました。
荒川医大も例外ではありません。
テレビで、もう今の東京では、有効な予防薬は手に入らないのだ、ということをさんざん流してくれたおかげで、予防薬をよこせという患者さんはほとんどいませんが、マラリアの検査をしてほしいという患者さんはいっぱい来ています。
一般内科の医局員はもう、みんなぐったりです。
「くそう、あかがまのヤツ、寄生虫学教室で、楽しやがって」
怒る、うー先生。
とんでもありません。
おいらは、患者の血液中の、マラリアの遺伝子検査を、徹夜でやっているのです。
智佳子先生がたしなめます。
「うー先生、しんちゃんも徹夜で、マラリア原虫の遺伝子検査をしてるんですよ。そんなことをいっちゃ可愛そうですよ」
そんな、内科医局でのやりとりも知らず、おいらは、徹夜で行った、患者血液中のマラリア原虫の遺伝子検査の結果を、中臣教授、遠藤と確認していました。
患者血中の、マラリア原虫のPCR法による遺伝子の塩基配列が、丸の内線と南北線で発症した全ての患者において、一致していました。
「やはり、人為的に、引き起こされた可能性が高いですね」
おいらは、遺伝子のデータを教授にみせていいました。
「うむ、偶然が二つ重なれば、もはやそれは、偶然とはいえない。想像はしていたが、大変なことになったぞ。これまで、この国はこのような生物テロを経験したことはないからな」
お忙しい中、何時も御訪問誠に有難うございます。ガチでがんばります。一押しお願い頂ければ誠に幸いでございます。
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