AS(アスペルガー症候群)の男性はADHDの女性が好きで、AS-ADHDカップルが多いことは前に書いた。実はこのパターンでDVやストーカー事件なども良く起こる。
ADHDのACで見捨てられ不安があるケースなどは、ASの愛着に基づく「確実に必要としてくれる」ことが不安を解消してくれるので当初一時的には関係は安定する。
しかしADHDは安定すると、(ASのおかげで)ACから回復するにつれてASの支配的な部分に耐え切れなくなり、別の男性に走ったり、露骨に冷たくなったりする。
このとき、結婚して子供がいたりする場合には、一部のケースはASが絶対服従に回って理想の夫となり関係はさらに安定する。あるいはDVから別居、子供の親権をめぐる裁判へというプロセスだ。この場合は深刻なストーカー化を招く可能性がある。
結婚していない場合には事態は深刻となる。ASの愛着は断ちがたく、自由になろうとするADHDを追い掛け回し、極端には自殺するか、自分の手で愛着の対象の命を奪うというということを考えるにいたる可能性も否定出来ない。かくもASの愛着は命懸けな性質を持つのだ。
私はASの人の外来主治医の立場でいくつかのケースに当たり、本人や妻に発達障害への理解を求めたりしてきた。本人が自分の発達障害について理解し、DV的に受け取られる部分を改め、妻もASの心理を理解することで歩み寄りが可能なケースもある。
大事なことは、「ASの人は悪人ではない」ということだ。自閉症のこだわりに近い愛着が本人が努力しても断ちがたいことを理解して、愛着を諦めるプロセスを医療的に支援することを私は考えている。
http://www.geocities.jp/yanbaru5555/ASspirit.htm
依存は下記の3つの特徴を持つ
1.自己中心的な行為・思考である
2.相手は本質的には誰でも良い
3.失った時に不安になる
依存であるか恋愛感情であるかの違いは、「失った時に恋愛の場合は悲しくなり、依存の場合は不安になる」ことで鑑別できる。
ACの共依存もそうであるが、結局「自分の不安を解消するための自己中心的な業」であり、良く観察すると、ある相手が居なくなったら別の対象を探すということをしていることからも自己中心的であったと分かる。
恋愛と紛らわしい異性関係への依存、セックスへの依存もある。その場合は、相手から見ると、「自分を人間として扱っていない」と感じることが多い。
思春期の薬物依存などの場合、薬物、異性関係、過食嘔吐、アルコールなど多種の依存をずっと続けることがある。治療は、「全ての依存をやめる」「自分の問題をごまかさず直視するように人間的に成長する」ことであり、治療者の態度や治療の環境には、「厳しさ」が必要となる。
AC(アダルトチルドレン)は表面上はいかにも「人のため」という形であるが、実は非常に自己中心的な心理だ。その証拠に、世話する人が居なくなると、すぐ次を探したりする。
自己中心性は、もともとACが共依存であることから考えても分かる。「この人のため」「私が居なければこの人は生きていけない」と言いながらその人の人生を仕切る自分の役割に自分の存在価値を依存する。
この自己中心性が一番良く現れるのは、子育てにもよくある場面だが、「本人のために自分で責任を取らせる必要がある場合」だ。突き放して、本人が自分の力で問題を乗り切る力を身につけさせなければならない場面で、ACは相手を突き放しきれない。
相手が境界例である場合、私が本当にその境界例の人を治したい場合には、周囲で世話を焼くACは非常に有害となる。ACは境界例や自己愛等の人格障害の人の問題を尻拭いし続けることで覆い隠し、本人がそれに気付くことを妨げ、根本的な解決を遠くする。
私はADHDやAS(アスペルガー症候群)と解離性同一性障害が両方あるケースを数例見ている。一見ADHDやASは解離性障害とは結びつかないのだが、数年以上フォローすると分かる。
児童相談所の思春期リストカット症例などを丹念にフォローして行くと、最初に解離性障害であることが分かり、家族歴を調べるとASの人がいたりして、人格でなく「本人」のことが分かるにつれて、人間関係の異常な愛着などの特徴から「本人」がASであると徐々に分かってきた。
ADHDのケースも、思春期に大きなトラウマを経験し、受診するたびに服装も話し方も違い、面接の最初に「今日は誰かな? お話しするのは初めて?」と聞くことになる。
私はどの「人格」の場合も、まとまった「本人」を話題にして、結局人格と本人をどう治すか相談するような形となる。その中で人格を含めた本人が全体として成長し、神田橋先生の表現を借りれば、「人格の境界が不鮮明になる」ことをイメージしながら経過を追う。
そのステップのひとつとして、「本人」や母親の発達障害について説明し客観的に理解することは、本体が発達障害である以上、治療が展開するきっかけとなりうる。
だから治療は他の発達障害のコーチングと本質的には変わらない。「自分の特徴について客観的に正確に理解する」ということが大事だ。
薬物療法で治りにくい「うつ」のひとつがAC(アダルトチルドレン)による「うつ」だ。サポートしてくれる夫があっても、家事も出来ず寝込んでいる。
実はこの「うつ」には意味がある。もともとACの人は小さい頃から親の支配や、愛情を得られないために優等生を演じ続け、「期待にこたえるために」行動するパターンばかり続ける。話を聞いてくれる夫との出会いで、また子育てなどを機に、ACのパターンに自ら気付き、スタイルの転換へ向かう過程で、どうしても「不本意なことはやらない」という段階が必要になる。
義務感で行動するパターンを根本的に転換するために、まず「嫌なことはやらない」というのがACの「うつ」の意味だ。
だから、家事が出来ないことは問題にせず、「あなた自身が楽しめるようなことを考えよう」と真っ直ぐに人生を楽しめる方向に話を進め、趣味など楽しめることを見つけて、「楽しいこともあるから」というところから再び家事などに取り組む形をリセットする。そういう形でACのうつは回復する。表面上家事が出来ないことは治療のテーマにする必要はないのだ。
ADHDやアスペルガー等の発達障害と多数派との認知の隔たりは非常に大きい。同じものを見ても違う理解をする。言葉もほとんど違う意味に受け取られると考えたほうがいい。
だから私は、(当たり前だが)「お互いに理解しようと努力するしかない」とみんなに説明している。自分の理解で相手の行動を評価したり、怒ったり、注意したり、叱ったりの反応をする前に、評価に必要な情報をちゃんと得るだけでも非常に手間がかかる。
まず事実関係を、具体的に、映像を描けるくらいに時系列でこと細かく聞き、その各段階で「あなたはどう思ったか」を詳しく聞くと、相手がどう理解しているかがやっと分かる。そういう作業をした後で、「どこをどうすれば良かったかな?」と聞けば、叱る必要は無い。
実際は強引に自分の物差しで一方的に相手を評価し、自分の理解を強制する形で注意したり叱ったりしていることで終わっているケースが教育でも福祉でも非常に多い。
この場合本人は「意味が分からないけれど責められた」という体験をするだけで、何もプラスにならないどころか、二次障害や相互不信が悪化するだけだ。
「自分と相手は根本的に違うのだから、評価や反応をする前に、理解しようと努力をする」という当たり前のことが多数派には困難なようだ。
私が「発達障害は少数異民族」「異文化理解」と協調するのはこういう意味だ。
自己正当化型ADHDと、AS(アスペルガー症候群)の人は、時にパートナーからDVの加害者と見られることがある。
私自身も、カミさんから結婚当初は「痛がらせしている」と思っていたと言われた。ADHDは表情などに反応できず、相談も苦手であり、ASの場合にはどうしても支配的な接し方になる。また多数派には予測できない状況でキレたりするので、相手から見ればDVになりうるだろう。
このDVは解決が可能だ。発達障害の診断、コーチング、パートナーの理解により、本人もかなりの程度自分の感情のコントロールが可能となり、またパートナーも意味が理解できることで不必要な刺激を減らすとも出来、また同じ反応でも受け取り方が変わる。
DVの加害者や被害者から相談を受けるときは、発達障害を念頭において欲しい。一度別居してからでもかまわないが、両者に発達障害について説明し、本人にはコントロールすることの説明とコーチングを行うことで、DV問題自体を解決してしまう可能性を一度は試してみたい。
http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/
発達障害の子育ての一番のポイントは、「言葉で(人格を)否定しない」ということだ。
場の状況は分からないか自分なりに独特の仕方で理解するので、例えば態度や表情でいじめられても無視されても、気付かないこともあるが、それよりも「お前はいつも人に迷惑をかける」とか「お前は人の気持ちが分からない」等の「言葉で人格を否定される」のが一番辛い。
親からのその言葉だけで自己評価は低下し、将来うつ病になる可能性大といっても過言でない。
逆に、発達障害を育てる上で大切なことは、「本人の話を聞く」ということだ。頭ごなしが一番いけない。まず本人の話を聞いて、「あなたの考え方も一理あると思う」と受け止めた後で、もしもそのとおりに出来ないときには、きちんと根拠を述べて理論的に何故妥当でないかを説明する。
話さえきちんと聞いておけば、ADHDの場合極端な話愛情などは問題にならない。ASの場合は愛着の対象である母親からの場合、ちょっとした表情の変化などにも過剰反応することがある。
いずれに対しても「出来るだけ感情を交えない事務的な表現」で伝えることは重要である。
発達障害でなくても当たり前のことであるとは思うのだが
ADHDやAS(アスペルガー)などの発達障害は、一時的に「過集中」や「こだわり」等と呼ばれる注意集中の固定状態が起こり、自分の意志でコントロールできないこともある。
またASの躁うつ病、ADHDの「過集中と虚脱」の大きな気分の変動は、一見感情障害とよく似ている。
私はカルバマゼピン(テグレトール等)が発達障害の興奮(面白すぎて夜眠れない等)に有効であることは知っていたが、最近炭酸リチウム(リーマス等)が結構有効なケースが複数ある。特にASの認知を多少客観的にするような効果があるのが不思議だ。
リーマスは通常は躁うつ病の躁状態に使われるが、難治性のうつ病にも有効である。気分の変動による客観的認知の障害に有効で、気分だけでなく思考も改善すると私は考えている。
バルプロン酸(デパケン等)も即効性があり有効だ。私はよくデパケンシロップをイライラ時の頓服に処方する。
副作用は比較的少なく、マイナー(眠剤、抗不安薬)のように耐性や依存性もなく、メジャーのように頭の働きを抑えないので、気分の変動の大きいケースにはお勧めしたい。
多くのADHDはもともと思い込みが激しく、意見を聞くたびに「説得されてしまう」。その思い込みが徹底したケースでは、普通ではとても出来ないような滅私奉公も可能になる。
ある女性は「9歳から家事をしてきました」という。親が居なかったわけでもない。妹も居たが、本人が自分から「自分の役割」と思い込んでやってきた。
AC(アダルトチルドレン)とは「本人が納得している」点で決定的に違い、その時には全く問題にはならない。
この方がクリニックに来られたのは、「世話をする必要のある家族が居なくなったら自分にはやることがなくなった」という問題で治りにくいうつ状態となったことであった。
50歳を過ぎてから「好きなことを結果を考えないで楽しんでしましょうね」ということを目標にカウンセリングを続けている。私はこういうケースを思い込み型ADHDと呼んでいる。
http://www7.ocn.ne.jp/~k-goto/adhdNH.htm
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