統合失調症の幻覚や妄想を抑える薬を「抗精神病薬」と呼んでいる。今は使われなくなったが「メジャートランキライザー」というのもほぼ同じ意味だ。以下「メジャー」と略すことにする。
ほんの2、3年前までは抗精神病薬といえばドーパミン神経の「ブロッカー」のことで、セロトニン系やノルアドレナリン系を同時に一部分ブロックする等タイプは違っても、基本的には
ドーパミン神経をブロックするのが抗精神病薬の作用だった。
ドーパミン神経はいくつかあるが、意欲や快感などに関係するドーパミン神経の一群をブロックすると、当然意欲が低下し、基本的に思考能力は低下し、メジャーを服用しながら普通に就労することはほとんど不可能と言っても良いように私は思う。
だから私は「メジャーは最後の手段」で、なるべく思考力を抑えない感情調整薬(躁うつ病の薬)やてんかんの薬をいろいろ組み合わせてイライラを抑えたり衝動をコントロールすることを目指す。
子供の自閉症や成人のASにもよくリスパダールやセロクエルが使われているが、私はよほど問題行動が激しくない限りメジャーは使うべきではないという方針だ。
ところが「エビリファイ」(一般名アリピプラゾール)という新しい薬は、作用の仕方が全く違う。
ドーパミン神経のブロッカーとしてではなく、「弱い刺激剤」として働くので、ドーパミンが出すぎて居るときはブロッカーとして働き、少ないときは刺激剤として働き、結局ドーパミン神経の働きを「安定させる」作用がある。
私は最近ADHDの過集中と虚脱は、「ドーパミン神経の不安定」であるように考えている。この意味では、「ちょうど良くする」エビリファイの働きはADHDに最適と言うことになる。
メジャーの仲間ではあるが、衝動の激しすぎるタイプやファンタジーが妄想のようになるタイプのADHDにはエビリファイを使ってみることをお勧めする。
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コメント
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微量ならフラッシュバックに効く(「PTSDの治療法」「改訂版 養生のコツ」共に神田橋條治)ことも確かにあるのですが・・・・。トラウマのある発達障害に6mg使って幻視が出て不穏になったことがあります。
はじめまして。
私はあるブログ(PDD関係)の管理者で、単なる素人です。
今回の先生の「1つ」の方法論は、とても役に立ちました。
どんな薬もそうですが、個人により、合う合わないが
あると思います。
ある患者さんには効果があっても、別の患者さんには
副作用が強く出てしまう事もあるでしょう。
それは、どんな薬でも「試して」みなければ解らない事です。
先生は「使ってみる事」すなわち、試す事をオススメして
くださっている、と私は解釈できました。
先生が「デメリット面」に過敏になって、この薬を使用する事や薬の紹介を躊躇なさったならば、
HF-PDDを抱える家族は、この存在を知る事はできなかったでしょう。
ただでさえ、医師が少なく、診断すらままならない日本の現状では、情報も少なく、希望の光を探しにくいという
日常を生きなければなりません。
もちろん、貴方がおっしゃったデメリット面を知る事も
ひとつの大切な情報ですし、私にとっては有難い事です。
ですが「その薬を使う当事者」が、このデメリット面を
先に読んでしまうと、薬に対しての不安感を強く感じすぎて不安に支配されてしまい、薬を「試す」事すらしない可能性もあるかもしれません。
いずれにしても、合うか合わないかは実際に「試してみる」事でしか解らないと思うので
「取り返しのつかないデメリット」でなければ
試してみる「価値」を考えた方が良いのではないかな?
と思います。
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