2010.01.18 22:19 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AC、人格障害関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 9

中心志向の過集中

 ジャイアン型ADHDにしばしば見られる現象は、激しい怒りとともに相手を攻撃したり、または異常に強迫的に完璧を求めて集中する状態だ。いずれも集中は強く激しいため、「人間離れした」成果や相手へのダメージを帰結する。

 ジャイアンは過集中の時には関連付け思考が非常に強くなり、被害妄想的になるが、特に「叩き潰してやる」と怒りの過集中になっているときは合理的な自己突っ込みが停止するので、非常に危険な状態となる。

 この怒りの過集中と「やるからにはパーフェクトに」という強迫的な完璧主義の過集中はいずれもジャイアン特有の(自分の当たり前の基準が異常に高いという)「中心志向」からくる過集中状態だ。

 私も昨年の今頃訓練校問題でこの過集中のパワーを使ったが、その間は普段はとても出来ないような動きでその目的のために全エネルギーを動員するので、後でしばらく動けなくなることが多い。また周囲との間でトラブルになることも多い。

 行き詰っているジャイアン諸氏の中には、この中心志向の過集中状態を「頼んでいる」人が多い。実際学校などではこの過集中で成績を上げることが出来た人の場合など、強迫的な(過集中の)エネルギーだけで生きてきて息切れになったケースだ。

 そういうジャイアン氏にとっては、この「中心志向の過集中」は、行動を起こす上での原動力の中心となり、言わば「メインエンジン」としての意味がある。

 実は私はこういうケースには、「メインエンジンを停止する」ことを勧めている。中心志向の強迫性だけをエネルギーとして動くと、一時的には人間離れした集中力を発揮して成果は上がるが、一つは「長続きしない」こと、またこれも大きいが周囲とのトラブルが必至であること、よほど大きな成果や代償が得られないと重症の虚脱状態になってしまうことの問題が大きいからだ。

 「メインエンジン」を停止して、「好きなこと、楽しいからという単発の対象ごとの興味に基づく過集中をつなぐ」という「サブエンジン」だけで走り続けるほうが、結果的な失敗が少なく、何よりも長続きする。

 ADHDの最も苦労するモチベーションの問題だ。

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