もともとADHDは大雑把で「きちんと」考えることがどちらかと言えば不得手だ。ジャイアンもASも、中心志向から来るエゴおよび過集中のときの関連付け思考などにより、情緒的なエゴで結論が決まっていて、根拠については後付けの理論で正当化したりすることが多い。
ここでよく見られるのは、「いろいろな気持ちや考えを一緒くたにしている」という特徴だ。全部まとめて攻撃するか、さもなくば全部まとめてひっこめて我慢するか、極端な選択になることが多い。
合理的な思考の第三のポイントは、「具体的に細かく調べる」ということだ。
私は診療の中でほとんどの場合に、訴えの中身を「いつから、どの場所で、具体的にどんな形で、どんな頻度でetc」と具体的に聞き出すようにしている。「その前に現実のストレスがなかったか?」 なども具体的に聞く。
その後で、特に「怒り」などについては、「誰に対するどのような怒りか」と一つずつ聞きながら、これを除いたらどんなものが残るか?と丹念に聞いていくと、一つの「怒り」についてもさまざまな感情が入り混じっていることが分かる。
絡まった糸を解くように、怒りの一つ一つの要素を拾い上げていって、今度は細かく一つ一つの要素について整理する方法を考えていく。
全部まとめた怒りについては気持ちを整理する方法は困難でも、ひとつひとつについては、冷静に考えると解決が可能なことが多いのだ。
ジャイアン親の子供への感情には、「思い通りにしたい」、「自分の子供として自慢したい」、「子供に優位に立たれるのはむかつく」、「手近に居ると八つ当たりの対象にする」などの感情のほか、時には「AS夫の愛着を争う娘への嫉妬」であったり、「妬み」などもある。
これを一緒くたに考えていてはなかなか整理は進まない。
ひとつひとつ、こういう部分もありますか? と細かく分析して行って、「これらの感情がごちゃ混ぜになった感情ということですね」という結論に達したら、こんどは一つ一つについて例えば「ジャイアン親の中心志向のエゴから来るもの」、「別のストレスのはけ口としての八つ当たり」、「娘への嫉妬心」などの「意味」をはっきりさせていく作業をする。
「細かく調べる」という作業は特に情緒に振り回されて冷静な思考が出来なくなる過集中のときなどに役に立つ。
こういう作業を一緒にしてくれる冷静な相手を身近に持つことは重要だ。
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