これまで私はACについて親の環境だけから説明してきた。すなわち見捨てられ不安を利用した親からの「支配」の結果としてのAC的な認知と行動という説明が中心だった。
しかし他方で、「本人がACにしがみつく」ということも実は頻繁に見かける。これは実はACには本人のほうにも楽(ラク)な、エサ、アメとなる側面があるからであるということが分かってきた。
ACが定着して、多くは母子の間でAC的な共依存関係が確立すると、一種の定常状態となり、そこから外へと抜け出ることが困難となる。それは、簡単に言えば「抜け出る道は不安につながる」からだ。
もともと人は生きていくうえで将来は分からないし、他人の心の中も分からないし、その意味での不安は「当たり前」にあるものだ。
対してACの世界にはこの不安は無い。例えばASの絶対的な「愛着」に支えられることは少なくとも一時的にはAC的な不安を解消するだろう。
子供の頃からこの共依存が当たり前で成長したとすると、AC的共依存から抜け出る道は全て「未知なる大きな不安」に直面することを覚悟せねばならず、ACから回復する、自立すること自体に大きな抵抗が生じることになる。
こうして被害者であるはずの子供の側にも「(支配はされても、人格を否定されても)不安が無い」という楽なエサ、アメを捨てきれない事情が生じるという意味でACは「双方向的」な現象でもあるのだ。
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