ジャイアンACは反応性にさまざまな病的な状態を呈する。強迫症状や、統合失調症に酷似した被害関係念慮なども見られ、誤診されることも多いだろう。

 ある統合失調症と診断されていたジャイアンACのケースで、メジャー(抗精神病薬)をリチウムに完全に入れ替える試みをした結果、抗精神病薬を切る段階で被害妄想的になり、一見「統合失調症は否定できないのか」と思われたが、その後の経過には私にも予想外だった。

 本人の判断で以前のメジャーを最低限で調節しながら使いながら経過している間に、自分自身のスタイルに関する振り返りが進み、その結果薬が減った分本人のコントロール能力がアップしつつある。

 このことから逆に考えれば、抗精神病薬の作用は、「症状は抑えるが、症状は見かけ上なくなり、また考える能力自体も抑えるために、根本的な解決が全く進まなくなる」ということだった。

 本人には表面上は辛いが、病的な症状が出て来るギリギリまで薬を減らして、自分で薬を微調整しながら、症状を本人が自分の力でコントロールすることをさせ続けるのがベストのケアと言えるだろう。

 正常な頭の働きを抑えないので、その状態で自分の考え方や生き方への振り返りを行い、厳しい直面化を行いながら、新たな生き方のスタイルを模索する。

 その結果ジャイアンAC自体、ACの部分をクリアして、冷静で合理的な自己突込みが復活してくれば、長期的には薬は減らせるだろう。ここが本当の統合失調症と違うところだと私は考える。

 もちろんこのプロセスをフォローできる実力のある精神科主治医の下で行うことは最低限の条件だが。

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