2008.08.13 22:20 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 3

脳と身体症状

 私が依存や「二刀流」について問題にするのは、「ADHDの脳が非常に不器用に出来ている」こと、そのために、「脳に合わない生き方をすると、うつや身体症状が必ず出現する」という現実を目にすることが多いからだ。

 身体的には原因不明の痛みやしびれ、耳鳴りなどの感覚過敏、ふらつきや動悸、頭痛や吐き気、過敏性腸症候群、時には発熱まで、特にジャイアンには多彩な身体症状が見られる。

 また、全く動けなくなる意欲低下や、どうしようもないイライラ、極度の不安や強迫症状も良く見られる。

 これらの症状が脳に合わない生き方の原因である「証拠」はない。しかし私はACの回復や依存からの回復とともにくすぶり型のうつ状態が回復したり、頭痛が回復したりするケースをいくつも見てきた。

 例えば「訓練して二刀流を使いこなせるようになった」としても、「意識のレベルでは見下さなくてもASの発言に反応しない」と言っても、結局その人には摂食障害があったり、原因不明の整形外科的な問題があったりする場合には、見苦しくても、幼稚であっても、「単純な砂漠のライオンたるジャイアンの脳のあり方に立ち返るしかない」というを治療の目標にしてみることは試す価値がある。

 私が見苦しいことを承知で、道義的には問題があるのを承知でここでジャイアンのいちばんジャイアンらしい形を隠さないで実演して見せているのは、それが「ジャイアンの素直な脳の働き」だからだ。

 身体症状やうつがあって、それを取り除くことがが治療の目標であるとすれば、治療の中間目標は、「一度単純な本来のジャイアンの姿に戻る」ことになる。

 その場合、「見苦しい」とか、「幼稚である」ことは一度は甘受して、まずは本来のジャイアンに戻り、これらの問題はその後で「最低限の承知の上の妥協」(自分を誤魔化す変な抑圧ではなく)で現実的に解決する。

 これがジャイアンの身体症状やうつのケアの基本原則(と私が考えるもの)である。 

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