ジャイアン(自己正当化型ADHD)には「一廉の者であらなければならない」「自分を下に見られるのは腹が立つ」という中心志向と、非常に合理的な志向との両方がある、この矛盾がジャイアンのさまざまな行動パターンを形成している。
この二つを「うまくマイナスを少なく使いこなして乗り切る」方法の一つが、(表面上はきれいではないけれども)「見下す」という方法である。
私自身はうまく出来ないが、実は「この相手はどうせ低レベルだ」と見下して、「それから合理的に理解する方向に行動できる」ということが可能になるのだ。
「見下す」ことで自分の中の中心志向から来る「お前が何を偉そうなことを言うか」といった醜い感情の動きを一旦抑えると、あと残るのは合理的な部分なので、逆に合理的に理解の努力が出来てむしろ冷静で平等なADHDらしい関わりが可能となる。
ASの非言語的な表現の中にある「自分のほうが世界の中心だ」という前提に反応しないジャイアンの人にはこういう認知の方法が出来ているのかもしれない。
世の中の現象をすべて学歴で説明する浅はかこの上ない私の母親ジャイアンが、昔「負けるが勝ち負けるが勝ち」と自分に言い聞かせるように繰り返し言いつづけていたことを思い出す。
表面的に見れば「なんて偉そうな」ということになるが、そうでもしないと感情的に反応して心穏やかに生きていけないのがジャイアンの現実である。
私自身はこの「見下す」ということ自体への合理的な自己突っ込みが非常に強いので、合理的に理解するところまでたどり着けないというところだろう。
ASの人で明らかに激しい幻聴を訴える人がいて、こういうケースを「統合失調症の合併」と考えるべきなのか否かは、治療法とも関連して重要な問題だ。
私もそれほど多くの症例を経験しているわけではないので、一般的に言えるかどうかは分からないが、あるイメージは持っている。
一つの特徴は、「(安心できる人が近くにいるなどの)状況によって幻聴が変動する」という特徴があることだ。ここが統合失調症とは少し異なる。
「ASだけで説明できる幻聴」とは
①基本に受動型AS特有の「影響されやすさ」や積極奇異でも二次障害によるACがある場合で、
②現実の状況が明らかに自信を持てないような立場(自己評価が下がったり自己突っ込みがある)である場合に、
③「過去の非常に嫌な気分が頭から消えない」というAS的な特徴から、
④最初に特定の嫌な気分がよみがえって、
⑤その気分を過去に体験した場面の声や音が気分に付随してありありと再体験される。
というプロセスで説明できるように思う。
と考えれば、抗精神病薬(リスパダールやエビリファイ、ジプレキサなど統合失調症の薬)があまり効かないことも説明でき、また、 リーマスやレスリンなどの抗うつ薬、感情調整薬で改善することも説明が出来る。
ジプレキサは不安も取るので、効きはするが、副作用も多く、正常な認知を抑える作用があるので、私はあまり使いたくない。
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