2008.07.10 00:28 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 2

共存の可能性

 いろいろな角度からASとジャイアンの共存の可能性を最近考えてきて、何となくポイントが見えてきた。

共存の障害① 根本的な思考のあり方

 ジャイアンはASの、「自分が多数派側に立つ」「自分の考えは一般的普遍的である」というような思考を、激しく独断的(「井戸の中」と呼びうる)と認識する。「何の根拠があってそう言えるのか?」、「あなたは神様か?」という不合理さへの反発とともに、「中心の方向から蔑まれている」という激しい反発が起こることは避けられない。(ただしこれはASが徹底的に合理的な環境で鍛えられた場合には例外は生じうると私は思う)。

共存の障害② 表現方法

 ジャイアンはASの「非言語的な表現」に過剰反応する。ここのコメントの中でもmario氏の主張に対して、ネット上の言葉での書き込みであるにも拘らず、「その言葉の背景に感じられる思考の前提」や「ちょっと漏らした本音的なためらいの感情」などの部分にジャイアン側の反発が集中している。

共存の障害③ 求めるものの違い

 ASは「必要とし、必要とされる」という情緒的な依存関係を(少なくとも非言語的な部分では)どうしても求める。「利用」という表現に抵抗があることからも分かる。ジャイアンはこれに応じれば病気になり、応じなければ非常に「うざったく」感じて振り払うことになるだろう。ジャイアンは「必要」という言葉で現されるような関係を必要としない(だけでなく有害でさえある)からだ。

 ASとジャイアンの共存を考える場合、上記の①②③はどうしても超えなければならない壁だ。いずれもASおよびジャイアンにとってかなり根本的な脳の働きの特徴から帰結しており、変えることは容易ではない。少なくとも多大な努力を要することは覚悟すべきである。

 

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