学校の先生になるには民間企業に比べれば実は社会性は比較的問われない。医師と同じく教育学部の入試と教員採用試験に受かればなれる。仕事についても相手は世代の違う子供であり、極端に言えば強引にでも「仕切れる」立場に居る。
もっとも同僚や上司との付き合いではこの同じ意味において(おそらく同じ発達障害仲間が多くいるので)一般社会よりも苦労するところがありはする。私は心療内科の臨床の場で休職中の教師もいくつかのケースの話を聞いてきた。
さてジャイアンの立場からすると、結果的には教師は適職の一つではある。権力により優位に立ち「仕切れる」立場が初めからあり、ADHDの合理的で公平な部分と、子供たちのために一生懸命になる特性をプラスに生かせば、ADHDであることを強みにすることまで可能である。
「一人の先生が超人的な取り組みで学校を変えた」というような話はおそらくジャイアンの先生が強迫的な行動力の末に引き起こしたのだろうと私は想像する。
ただし、明らかなことだがジャイアンは思い込みが激しく、しかも「表面的」なものの見方をしたり、ジーキルとハイドの相矛盾することを平気で言ったりする脳の働きの厳然とした傾向があり、エゴを振り回した場合に弱い子供を引きずりまわす可能性が常にある。
受動型ASはぶら下がるのでかえって安定するだろう(翌年不登校になる)が、積極奇異型ASの児童生徒がジャイアン教師と合わないで不登校になることが多いようだ。
学校にASの説明に出向いて「無理に登校を強制すると病気になる」ことを3時間も説明したのに、校長から「いかにもジャイアン」という感じの「はじめに登校ありき」という表面的な発想を繰り返されて絶望的な気持ちになったことがある。
だから、教師が適職となるには、ジャイアンは徹底した合理的な親の元で苦労して二次障害となり、一時病的になり、ACを自覚して低い自己評価の中で自分に常にブレーキをかける思考を身につけた場合のみということになる。
理想を言えばジャイアン型ADHDであることまで診断がつき、自分の発達障害を理解してマイノリティーの自覚をするまで行き、教師自身が通院して定期的なコーチングを受ける体制が確保されれば、ほぼ確実に「使える」教師になる。
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