ジャイアンの「責任」の観念は非常に厳しい。いかだで川を下っていて川下に滝があるのを誰も教えてくれなくても、落ちたのは自業自得で、逆にもしも「教えてもらう」と中心志向からの自己突っ込みがあるので「困る」面があるくらいだ。
同じ思考を他の人にも適応するので、他の人がひどい目にあっても、「自業自得」「人に助けてもらおうなんて思うな」と非常に冷たく考えることが多い。
弱みを見せて相談するなど、後から来る中心志向の自己突っ込みを想像すると恐ろしくてとてもできない。愚痴もはけない。
だからジャイアンに対して「親切にする」ことはどのようなことでも非常に微妙な意味になる。「偉そうに上からアドバイスなんぞしよって」「あんたは何様のつもりだ」という気持ちが片方では必ず生じるのだ。
ジャイアンの「不親切」にはこういう自分の中の事情があるのだ。世間では「助けるべき」場面でもジャイアンは「自業自得だろう」と助けることはせず、少なくとも私は「人に聞かなくても川を下るのなら滝があるかどうかくらい自分で調べるのが当たり前だろう」と人にも自分にも考える。
ジャイアンが責任逃れに汲々とするのは、ジャイアンの責任のコンセプトが非常に厳しい(問答無用の自業自得)ことを想定すると少し理解しやすいかもしれない。
ジャイアンの中心志向は絶対的な孤独を帰結するのだ。
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