ジャイアンの子供は「親から(表面的に)一番大事にされる」「親から一番ほめられる」時には「親よりも優位に立つ」立場を求める。そのために使えるものは何でも使うように成長する。

 もともとジャイアンには「自分の有利不利に関係することだけ状況が分かる」という能力がある。だから、(屁)理屈を言って言葉で負けないことと同時に、情緒的なやり取りの中で相手の弱みをついたりして優位に立つということもできる。

 この二つの能力が、生育する環境によってどう成長していくかが分かれると私は想像している。

 親がASで、しかも子供本人に愛着を持っている場合には、この親は言葉でどんなに厳しいことを言っても、愛着の部分は子供に逆らえない。

 ジャイアンの子供は親からのこの両方の相反するメッセージを受け取り、不安になる。「どっちだ?」という不安の表れが、試し行動であり、あえて親を振り回すような行動を取って、その反応を見なければ本心が分からなくなる。

 こうして親の愛着の部分を突いて非言語的に親をコントロールする技術だけを発達させていくとボーダー的に成長する。

 親がジャイアンの場合も同じようなことが起こる。親ジャイアンの中には何人もいるので、その中の不安が強く責任を回避したくて依存したいと思っている弱みを子供ジャイアンは目ざとく発見し、そこを突いてコントロールして優位に立つ方法を親ジャイアンとのバトルの中で発達させていく。

 単に合理的なADHDが親であるのがベストであるのはこういう事情だ。親の態度に子供ジャイアンから見てつけ入る隙が無いということが意味がある。子供ジャイアンは合理的に認められるしかないのだ。

 子供が積極奇異型ASの場合には、ASは親も子供も「言葉と非言語的なやりとりのチャンネルが二つあって二つを別々に使える」というような面があるので、「どっちだ?」という形にならない。だから(受動型を除き)子供がASの場合には同じようなプロセスにはならないのが不思議ではある。(ちなみに受動型ASはもともと最初からボーダーに似ている)。

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