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 ジャイアンについての考察を進めてきて、たどり着いた結論は、ジャイアンは合理的なADHDとエゴイストという根本的な矛盾の上に立っているということだった。

 だから他者を攻撃するときも、自己突っ込みも、ジャイアンの行動は分裂している。ジーキルとハイドが同時にしかも代わる代わるバラバラに出てきて行動するかのようだ。

 私は一例ちょうどこの形で解離性障害になっているADHDのケースを知っている。かたや自己突っ込みで落ち込み続けるADHDのACで、かたや医師も馬鹿にする怖いジャイアンで、あたかもジーキルとハイドのようだ。

 だから周囲の人も、もしかしたら本人自身も、「統合された一人の人格」という風に考えない方が良いのかもしれない。統合されているとすれば説明不可能な矛盾した行動ばかりだからだ。

 いわゆる解離性同一性障害(多重人格)との違いは、「ジーキルとハイドが並存する」ということで、記憶が途切れて交代する形ではなく、瞬時に入れ替わったり同時に両方出たりする。

 この点がジャイアンに関わるAS諸氏にもっとも理解しがたいと予想するが、ジャイアンは「自己矛盾」以外の何者でもない。その度に違うだけでなく、論理的にとても両立しないことを平気で言ったりするのだ。

 頭を働かせて自分をしっかり見つめる習慣を身に着けたジャイアンは「合理的なADHDの部分とエゴイストの部分の両方がお互いに常時自己突っ込みを続ける」ということになり、死ぬまでこの状況から逃れるのは難しいだろう。

 甘やかされないで育ち、厳しい現実の中で「依存による責任転嫁」の道にも逃げることなく、自己突っ込みに耐え続ける場合にのみ、他の人と理解しあう可能性が開かれる。

 ジャイアンの出発点は、脳がジーキルとハイドに分裂していること。そこから根本的な不安定性が生じ、この緊張状態から逃れるために、依存や自己正当化、宗教への傾倒などの無理で強引な思考が生じる。

 しかし現実の環境との関係の中で、最後はこの分裂がどうしようもなく表面化し、自分で自分を責め続ける場所にたどり着いてようやく合理的な自己突っ込みはやや緩和されることはありうる。

 理解しがたいとは思うが、「ジーキルとハイドの統合されえない混合状態」がジャイアンの真相だと思う。この現実を見据えて、周囲の現実に表面的に適応していく道を探すしかない。

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コメント

コメント一覧

たとえ表面的にでもなるべく周囲に適応して、それが社会的に受け入れられればよしとするしかないのでしょうね。
written by Paul Carpenter / 2008.03.24 09:10
今回の先生のテーマは、涙がでるほど納得できます。先生はいつも、当事者から他者に説明し難いことを、わかりやすく言葉にして整理してくださる、ほんとうに感謝します。こういうふうに説明できる医師は唯一YANBARU先生だけではないでしょうか。尊敬します、そしてありがとうございます。

今、この瞬間も、(学校で浮きまくる)次男に対して、「みんなと同じように学校生活を送れるようになってほしい」(これはエゴ?)と思う気持ちと、「自分ひとりがまわりから浮いていることなんか、全然気にしなくていいよ」(これは合理的部分?)と思う気持ち、私自身の相反する矛盾に苦しんでいます。
どちらにも一本化できない自分が一生続くのです。
でも、今日を最後に、「この矛盾がどうして生まれるのか?」という疑問と、「いつか(この不思議な矛盾が)直るかも」という淡い期待、この2つのことを私が今後も考え続けることは、「合理的ではないのでやめる」ことにします。

しかし、この次男がいなかったら、自分の不思議(ジャイアン)に一生気付かなっかたでしょうし、もし息子たちが多数派であったら、私のエゴが暴走して自分はもっと悲惨な人生に違いないと思うので、やはり息子たちとADHDと先生には感謝しています。
written by エイト / 2008.03.24 11:51
確かに一貫性を求めるASには理解しがたいかもしれませんね。自分はASを疑ってるけどADHD/ADDも疑ってるので理解できる部分もあれば何で?と思う部分もあれば・・・。うちの親は昔うちは片親なので仕事が忙しく大変な部分もたくさんあったせいか家族で笑いあったりふざけたり話し合ったりという変な言い方すると“無駄”というものがありませんでした。でも大きくなってお母さんも変わってきて自分が弱ってる時や家族と全然話さなくなった時すごい怒られて「家族と話し合うのは大事だよ必要なことだけを話すんじゃなくて無駄話とかそういうコミュニケーションは家族なんだからあるでしょ」みたいなこと言われてお母さん本人が「昔は無駄がなかったね」って言ってたくせに今更なんだよと思いました!昔お母さんに無駄がなくても自分は何も言わなかったのに自分の子供に無駄がなかったらなぜそれを押し付ける!?昔の話だからお母さんも変わったのかもしれないと言い聞かせたけど一人で心の中でいらいらしてました。もっと細かいこと言うと自分がやって怒られたことを妹がやっても怒らなかったことがちょいちょいあって自分にたまたまだよとか自分が異常にやってたんじゃないか?とか言い聞かせてたけど本音は悲しかった・・・。自分は一貫性求める部分あるけど自分に一貫性あるのか分からないし溜めるくせがあるから家族に強制できない(怖くて)だからASなのかADHDなのか・・・。でも言ってることがコロコロ変わることがあってもそれは自分の中では繋がってるというか一つのトラウマや責任感にしたがってるだけであって家族のためを思って速く働かなきゃ早く変わらなきゃって思いがあるだけで心底にあるものは一貫してるんですよね。ただ表面上見えないだけで・・・。でも結局一番最初の考えというか一番やりたいことに考えは戻るんですけどね。いろんな自分が居て分からないっす・・。ACが解決されたらどんな自分が出てくるんだろう・・。
written by a / 2008.03.24 13:39
「ジーキルとハイドが並存して瞬時に入れ替わったり同時に両方出たりする」というのは確かに実感として想像するのは難しいですが、御説明自体はストンストンとこちらのお腹の底にストレートに届いた感じがいたしました。
written by 黒すりごま / 2008.03.24 18:59
ASですが、実感しています。
それとも、もしかしたらADHD??
それとも、私の実感が違うケースだったらすみません。


道徳的善良市民として生きているつもりですが(首尾一貫)、ふと気づくと、価値観の異なる自分がいるときがあります。破壊的攻撃的ズルイとか、あまりいい感じではありません。

これが、1週間とか長期的なスパンで切り替われると
まだマシなのですが、1日とか数時間とかで頻繁に切り替わるときがあって、これが非常にキツイです。精神的な混乱と、切り替わった性格に慣れるためには、それなりの気力と体力が必要です。
両方が同時に混在してる時は、トンチンカンなことになりそうなので、できれば発言・行動したくない。
とにかく、自分の意思で切り替えができないので困ります。

私の場合、受動型ASがあると思う(奇異型もあると思う)ので、相手に応じた自分が常にいるのですが、たまにそれとは関係なしに、コントロールができなくなる気がします。違う人が降りてくる気がする。それが去ると、なんとなくの感覚しか覚えてないので、今はうまく説明できないんですが。

首尾一貫した自分がいるつもりなのに、そうでなくなる(全然違う価値観の自分に切り替わる)ことが許せない瞬間なのかもしれません。

人間って、<首尾一貫>では絶対に生きてはいけないと思うので、その時に応じて価値観の違う瞬間はみんなあるんじゃないかな?と想像してます。でもそれなのに、多数派の皆さんはあまり苦労してないように見えます。ということは、それぞれ価値観をもった自分を1つずつとしてカウントせずに、どれも自分だと考えてるんでしょうかね?

さっぱりわかりません。
written by まーちんAS / 2008.03.24 20:34
元婚約者の言葉を借りると、「仕事の時は男100%、恋愛の時は女100%、どちらも苦しい」という状況なのでしょう。
どちらも本当の自分の一部が出ていないから、最初はいいけど長続きしない、そんな状況だったようです。

私と同棲していた時は、「仕事から帰った直後は大人100%、寝る前は子供100%」で本当に別人になってました。
子供100%のときだけは、苦しさが止まっているように見えました。

婚約破棄されて2ヶ月たちますが、時々連絡は取り合っています。
つきあっていた当時には絶対言わなかった「今本当に充実している」状況のようです。
仕事も本当にうまくいっているようなのですが、雰囲気が前と全然違います。
メールだけから感じ取れる雰囲気ではありますが、男80%、女20%くらいで仕事しているようなんです。
バリバリと仕事をする姿は今までのまま、多少余裕を持ち、他人の弱さも気遣えるやわらかい心をエッセンスとして同時に出力する、こうしたちょっとの違いでうまくいくのではないでしょうか。
私とのメールも大人80%、子供20%くらいですごく安定した雰囲気が漂ってます。

彼女を見る限り、ジャイアンもジキルとハイドをミックスさせて、うまく相手にあわせた行動はとれるものなのだ、と強く思います。

彼女の20年ほど封印されていた子供の心、そして、その心を封印せざるを得なかったほどの苦労、それがジキルとハイドをうまく結合するヒントなのではないでしょうか。
written by m2 / 2008.03.24 20:45
 自分で言うのも変ですけど、私はとってもいい人です。でも同時にとってもひどい人でもあります。振り返ってみてジャイアンだと思われる知人はやっぱりとってもひどい人なのになぜか悪い人だと認識できないのは その人の「とってもいい人」の部分を見ているからなのでしょう。

 やっかいなハイドの部分を押し殺すと自分が苦しくなってきます。ハイドの部分を小出しにすると妙に楽しくなるんです。で、小出しのままならいいのに出てきちゃうんですよねハイドが。そしたら、へたすると大火傷をします。そして、ハイドをまた押し込んで面白くない生活に飽き飽きし、苦しくなってまた、ハイドが顔を出す。そんなことを繰り返してきたように思います。

 もちろん、そんな大きな変化のほかに小さな入れ替わりは度々あり、大波と小波が交錯しながらとんでもないことに陥ったりします。

 謎が解けたと同時に この二面性から抜けられないという事実に打ちのめされているところです。 
written by ねね / 2008.03.25 01:01
質問なんですが自分はネットだけでずっと調べてるんで発達障害の本とか参考になるものが欲しいんですけど本屋見ても全然売ってないんで講演会?説明会みたいなのに行きたいんですけどネットで検索してもなかなか思い通りにヒットしません。なので横浜あたりでASの無料の説明会みたいなの知ってる人いませんかね?なんか3万くらいお金取られるところもあって・・・。みなさんは説明会みたいなのは言ったことありますか?あとここに来る人たちってASやADHDの方が多いですがみなさん診断されたんですか?それとも自己診断ですか?説明会で診断してくれるところってないですかね?
written by a / 2008.03.25 16:51
aさん、成人の発達障碍の本だけではなく、子どもの教育の本棚にも調べに行ってみてはいかがでしょう。私は地方住まいなのでこれと言ってお勧めできるものを知りませんが、講演会案内はもとより、基礎から分かりやすく書いてある本が多いと感じています。教育関係の雑誌類は、講演会などの最新情報が多いです。横浜に行ける環境なら機会は、おうらやましいほど多いはずです。お互いがんばりましょう。

ずっとこの記事のテーマについて考えていました。このジーキルとハイドには私も心当たりがないわけではない、私の特性の何を象徴しているのだろう?と頭の中を探っていました。
ねねさんのコメントがヒントになり、自分の覚醒レベルの波を思い出しました。
ジーキルとハイド現象が起こるには、何かの不便があってそれを補おうとしているはずだと考えています。少なくとも私はそう考えたほうが腑に落ちます。

合理的で理性的な生活をしていると、必ずと言っていいほど覚醒レベルが落ちます。
子どもの頃、母親の茶碗洗いを手伝っているうちに、立ちくらみのようになって座り込むことが多く、それは容易に予感を感じました。信用を失うとか、根気のない自分が嫌になって自己評価が下がるなどよく分かっていても、とにかくつまらなかったのです。刺激不足です。
この刺激不足が補われるのが、依存行為であると思います。
記事にあるとおり、生粋のジャイアンは緊張状態から自分をリセットするために依存行為を使います。
たぶん子どもの私も、例えば“誰か我が侭な人や可哀想な人のため”になるような、共依存なシチュエーションであれば、低覚醒からリセットされたかもしれません。

本を読んでもADHDという言葉を知っても、苦行のような自己突っ込みが深くなるだけだった時期もありました。誰も私が健康的に覚醒するだけのシチュエーションは作れませんでした。この低覚醒の蟻地獄から救ってくれたのが、リタリンでした。
すんでのところで、私は命を救われたと今でも思っています。
written by ぴよよ / 2008.03.25 23:52

私自身と子供(2人)が 医師から発達障害の診断を受け、定期受診している者です。
ネットで【日本自閉症協会】はヒットしなかったのでしょうか?
AS関連の情報を得たいと考えているのでしたら、日本自閉症協会のホームページを ご覧になってはいかがでしょう?

地域別の支部情報や、セミナーや講演会などの情報が得られるのでは無いかと思います。

また、地域別に【発達障害者支援センター】の情報などもあったと思います。地域によって異なるとは思いますが、発達障害に関する相談や専門医の紹介もあるらしいです。

私自身、活用経験はないのですが、ご参考までに。
written by wish / 2008.03.26 09:57
情報ありがとうございます調べてみます。あとずっと気になってたんですがジーキルとハイドじゃなくてジキルとハイドじゃないんですか??
written by a / 2008.03.26 11:55

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