私が考えているジャイアンの回復とは、「ジャイアン本人の現在の周囲の環境への表面的な適応」だ。
具体的には、「著しく周囲の人に迷惑をかけない状態」になればとりあえず回復と考える。
ジャイアンはADHDの重症型なので、アスペルガー症候群と同じく「治って脳が普通になる」ということは当たり前だが不可能だ。本人自身は完全な回復を体験することはできないと私は思う。だから目標は現実的な適応ということになる。
だから、当然のことながら、もともと環境に恵まれていれば、ジャイアンとしての治療は必要ないということになる。
たとえば、単独作業の職人や才能有るアーチスト、宗教の教祖とか社会的なステータスの高い職業など、たまたま才能や能力、養育環境に恵まれているケースなどで表面的に高く評価され続けている状況では、表面上安定していることは可能である。
(もっとも最近何例かテレビで見かけるが、スポーツの頂点にいてもジャイアン的な弱さを露呈して明らかな自爆的な失敗をすることもあるので、あくまでも「高く評価され続けている限り」の話である。)
上記のような一握りのたまたま運良く恵まれたケースを除けば、「努力家像のインストール」と「合理的ADHD像のインストール」という回復像が可能だ。
努力して資格などを取り、地味だが現実的な実績で評価されるというスタイルをインストールするとジャイアンは「努力家」となる。
また、合理的なADHDに囲まれて育ったケースなどは、合理的で明るく公平で情緒的にドライなADHD(「天然」の線)の行動パターンをインストールして、かつての私のようにジャイアン的な醜さが表面化しないこともある。
この他に、ちょっと違うパターンだが「依存型ジャイアンがパーフェクトな積極奇異型ASに服従する」という安定した姿も(一時的には)可能ではある。
ジャイアンの回復はそのジャイアン本人のこれまで生きてきた環境と身に着け(インストールし)てきたスタイル、これから先の人生の中での現実的可能性をにらんでオーダーメイドで環境を調整しながら努力家や合理的ADHDをインストールする成り行きを演出することである程度は可能となる。
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